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電磁気学講義ノート

September 25, 2017

1 電磁気とは

電磁気の世界は全て場の理論に還元される。(電場・磁場)ここではそれらがどのようにしてできたのかなどという点は考えない。その他、電圧・電流・電荷などのキーワードを扱う。

1.1 場とはなにか

座標 (x, y, z, (t))に対応して存在する物理量

電磁気学では、重力場などという場合の場より広い意味を持つ。

スカラー場 向きなし 値 1個

温度・密度・電荷の分布など

ベクトル場 向き・大きさあり 値 3個

風の流れ・電流・電場・磁場・重力など

1.2 ベクトル場の表現の仕方

A 空間中の各点に矢印があり、その長さが場の大きさ、向きが場の向きに対応する。

B ある場所から場の方向に移して微小量ずつずらしながら曲線を描くと、場の向きは曲線の接線によって、場の強さは曲線の直交面での曲線の密度によって表される。

Bによる表現のほうが人間の直感に近い。

1.3 「流束」の概念

1

場Aの存在する空間中に微小面∆S(法線 n)を考える。

∆S を通過するAの流束を∆S ·A⊥ = ∆S ·A · n

と定義する。

密度 ρ (= const)の流体を考える。

速度場 vがあるとき、∆S を単位時間に通過する物質量∆M は

∆M = ∆S · v · n · ρ= ∆S を通る vの流束

1.4 電荷/電流

電荷とは

1. 正電荷・負電荷がある

2. 素電荷 e = 1.6× 10−19 [C]

3. 電荷は保存する

4. 正負の電荷は引き合う

電流 単位時間に移動する電荷量

単位 [A]=[C/s]

1.5 SI単位系の中での電荷/電流の取り扱い

6つの基本単位で構成される

1. s(秒)

2. m(メートル)

3. K(温度)

4. A(電流)

5. mol

6. cd(カンデラ)

並行する 2本の電流が引き合う力 F = 2× 10−7N となる電流 i = 1Aと定義する。

2

1.6 参考: 本講義の目標となるMaxwell方程式について

微分系 ∇ ·E = ρ

ε0

∇ ·B = 0

∇×E = −∂B∂t

c2∇×B = jε0

+ ∂E∂t

E 電場

B 磁場

j 電流密度

ρ 電荷密度

∇ ナブラベクトル

c 光速 (=3.0× 108m/s)

ε0 真空の誘電率 (=8.854× 10−12F/m)

積分系 ´SE · ndS =

´V

ρε0dV´

SB · ndS = 0¸

cE · dS = − ∂

∂t

´SB · ndS

c2¸cB · dS = 1

ε0

´Sj · ndS + ∂

∂t

´SE · ndS

´VdV 体積積分

´SndS 面積分

¸cdS 線積分

2 積分

第二回欠損

2.1 面積分

ここで S についての面積分は、 ˆS

A · ndS

と表せる。

3

A =

Ax

Ay

Az

とすると、ˆS

A · ndS =

ˆS

(Axnx +Ayny +Aznz) dS

となる。またdS′ = dxdy = dS cos θ

と変換できる。

上の図を拡大

より、cos θ =

nz

|n|= nz

からdxdy = nz cos θ

これを最初の式に代入してˆS

A · ndS =

ˆ(Axnx +Ayny +Aznz)

dxdy

nz

=

ˆS′

(Ax

nx

nz+Ay

ny

nz+Az

)dxdy

と書き下せる。

例題

(i) A =

x11

のときˆS

A·ndS =

ˆS

x11

·

001

dS

=

ˆS

dS

=

ˆ 2

0

ˆ 2

0

dxdy

= 4

4

(ii) A =

11xy

のときˆS

A · ndS =

ˆ 2

0

ˆ 2

0

xydxdy

=

ˆ 2

0

[x2y

2

]20

dy

= 2

ˆ 2

0

ydy

= 2

[y2

2

]20

= 4

3 Maxwell方程式の意味

3.1 Maxwell方程式 ´SE · ndS =

´V

ρε0dV´

SB · ndS = 0¸

cE · ds = − ∂

∂t

´SB · ndS

c2¸cB · dS = 1

ε0

´Sj · ndS + ∂

∂t

´SE · ndS

3.2 一番目の式の意味ˆS

E · ndS =

ˆV

ρ

ε0dV

閉曲面 S とその体積 V を考えた時の電場E と電荷密度 ρについて表している。

左辺 S を垂直に貫く電場の和

右辺 V 中の電荷の総和

「任意の閉曲面 S をとったときに、その内部にある電荷の和は、S を通過する電場の流束の和 (×ε0)に等しい」

これを Gaussの法則と呼ぶ。またこの式はクーロンの法則の拡張でもある。

例S は点電荷 eを囲む半径 rの球面とする。

左辺 = 4πr2E

右辺 =e

ε0

5

よってE =

e

4πr2ε0

となりクーロンの逆自乗則となる。

例 2

ˆS1+S2+S3

E · ndS =

ˆV

ρ

ε0dV

−S1E1 + S2E2 = 0

S1E1 = S2E2

これは電荷がない限り電場は湧き出さないことを示している。

3.3 二番目の式の意味ˆS

B · ndS = 0

一番目の式とほぼ同じ形になっている。

左辺 S を垂直に貫く磁場の和

右辺 0

「任意の閉曲面 S をとったときに、S を通過する磁場の流束の和は常に 0となる」

単独で磁場を湧き出させるような存在がないことを表している。「電荷に対して磁荷というものは存在しない」

3.4 三番目の式の意味˛c

E · ds = − ∂

∂t

ˆS

B · ndS

閉曲線 C と、C で囲まれた閉曲面 S を考える。

左辺 C にそって存在する電場の和

右辺 S を通る磁場の流束の和の時間微分

これは電磁誘導の定理を表現しており、レンツの法則

V = N

∣∣∣∣dΦdt∣∣∣∣

を一般化したものであるといえる。時間変動するような磁場がないときには ˛

C

Eds = 0

となる。

6

3.5 四番目の式の意味

c2˛c

B · ds =1

ε0

ˆS

j · ndS +∂

∂t

ˆS

E · ndS

cは光速、j は電流を表す。

右辺第一項を右辺 1、右辺第二項を右辺 2と呼ぶ。

左辺 C にそって存在する磁場の和

右辺 1 S を通る電流束の和

右辺 2 S を通る電場の流束の時間微分

右辺 2が 0のとき、この式は右ねじの法則を表す。(電磁石)

左辺 = 2πrBc2

右辺 1 = i

より、

B =i

2πc2r

左辺=右辺 2の意味 Maxwellの思考実験

(i) 電流 iの途中にコンデンサを入れる

(ii) C を貼る面として S′ + S′′ を考える。右辺 2がないと

c2˛C

B · ds =1

ε0

ˆS

i · ndS

=1

ε0

ˆS′+S′′

i · ndS

= 0

となり、他に何らかの項を加えないとおかしいことになる。

S → S′ + S′′ に変えたときに何が生じたか?

コンデンサにたまっている電荷 Qが毎秒 iずつ増加し、Qに比例してE も増加。

7

4 クーロンの法則, ガウスの法則

Coulombの法則 点電荷の相互作用を与える法則

F = −k · q1q2r2

e

= −k · q1q2r2

· rr

= −kq1q2r3

r

複数 (≥ 3)の電荷の場合? 重ねあわせ (ベクトル和)が適用される

F = F 12 + F 13

= − 1

4πε0

(q1q2

r12r312

+ q1q3r13r313

)= − 1

4πε0

(q2

r12r312

+ q3r13r313

)q1

q1 が括り出せることから、電場の概念へと拡張できる。

電場 空間中の任意の場所 (x, y, z)においた素電荷が受ける力を電場と呼び、E(x,y,z) と書く。

例 2つの電荷があるとき

E = − 1

4πε0

(r2 − r

|r2 − r|3q2 +

r3 − r

|r3 − r|3q3

)

電場の表現 一電荷の場合

|E| = q

4πε0r2

二電荷の場合

8

x軸上では簡単にわかるが、その他の場所ではまるでわからない

電気力線

1. 電場の向きが力線の接線になるように引く

2. 電場の強さが力線の密度になるように引く

3. 力線は正電荷から始まり、負電荷で終わる

4. 力線は分岐しない

単電荷の場合

二電荷の場合

多数の点電荷が存在するとき

E =N∑i=1

1

4πε0qi

r − ri

|r − ri|3

電荷分布 ρ (r)があるとき

ρ (r)∆Vi の作る電荷は

E ∼∑ ρ∆V

4πε0

r − r′

|r − r′|3

=

ˆρ

4πε0

r − r′

|r − r′|3dV ′

再度点電荷 qに戻る (i) qを囲む球面を考える

E =q

4πε0

r

r3

9

S 上のE の面積積分が一定になる。

ˆS

E · ndS =q

4πε0

1

r2· 4πr2

=q

ε0

(ii) 任意の閉曲面 S′ 上はどうなるか

� qと dS′ が作る錘を考え、

� E に直行する面と錘が作る面 dS′′ を考える。

� dS′ と dS′′ がなす角を θとする。

すると、

dS′ · cos θ = dS′′

E · ndS′ = E cos θdS′

よりE · ndS′ = E · dS′′

さらに任意の半径 r′′′ の球面と錘が作る面を dS′′′ とすると、逆自乗則より

E · dS′′ = E · dS′′′

結局、 ˆS′

E · ndS =

ˆS′′′

E · dS′′′ =q

ε0

→単一電荷のガウスの法則

任意の電荷分布

images/ele031.jpg

ρ · dV が作る電場 dE について ˆS

dE · ndS =ρdV

ε0

積分して ˆS

E · ndS =

ˆV

ρ

ε0dV

これが積分系のガウスの法則である。

10

ガウスの法則の応用 1. 無限長の線電荷の作る電場

images/ele032.jpg

� 半径 r、長さ lの円筒面を考え

� 対称性を考えると S1, S2 に直行するE はない。

ˆS=S1+S2+S3

E · ndS =

ˆS3

E (r) · dS

= 2πrl · E (r)

=

ˆV

ρ

ε0dV

= σl1

ε0

E (r) =σ

2πε0

1

r

2. 無限平面

images/ele033.jpg

ˆS

E · ndS = 2 · E (z) · l2

=1

ε0

ˆρdV

=1

ε0l2σ

E (z) =σ

2ε0

積分系のGaussの法則

ˆS

E · ndS =1

ε0

ˆV

ρdV

この形の式は、面積分と体積積分が用いられており、空間中の任意の点での電場を取り扱うことができない。

11

4.1 divergence(発散)・ガウスの定理

定義 場Aへの演算として divergenceを以下の通り定義する。

演算子∇ =

∂∂x∂∂y∂∂z

を導入し、divA ≡ ∇ ·A

≡ ∂

∂xAx +

∂yAy +

∂zAz

と定義する。この値はスカラー場である。

ガウスの定理 任意の体積 V とその表面 S について、ˆS

M · ndS =

ˆV

divAdV

が成り立つ。

証明微小体せ基礎編 dV = dxdydzを考える。中心 (x, y, z)での場をAとして、面 2における場をA′′ とすると、

A′′ =

Ax + ∂Ax

∂x · dx2

Ay +∂Ay

∂x · dx2

Az +∂Az

∂x · dx2

となる。逆に面 1での場をA′ とすると、

A′ =

Ax − ∂Ax

∂x · dx2

Ay − ∂Ay

∂x · dx2

Az − ∂Az

∂x · dx2

となる。面 1, 2でのAの面積積分の和は、

Ax +∂Ax

∂x

dx

2−(Ax − ∂Ax

∂x

dx

2

)=

∂Ax

∂xdx

他の面でも同様にして、

A · ndS =

(∂

∂xAx +

∂yAy +

∂zAz

)dV

= divA · dV

有限の体積は微小体積素片に分割可能。

このように有限の体積内の隣り合った面通しは全て打ち消し合うため、これらを全て足し上げると、最終的には有限な体積の表面のみが効果を持つようになる。

ˆS

A · ndS =

ˆV

divAdV

12

Gaussの法則の微分形 先ほどやったように、積分系はˆS

E · ndS =1

ε0

ˆV

ρdV

であった。これをガウスの定理を用いて微分系で表現すると、ˆV

divEdV =1

ε0

ˆV

ρdV

より、divE =

ρ

ε0

となる。これはMaxwell方程式の一番目の式である。

5 静電ポテンシャル

スカラー場の微分: gradient(勾配)微小量 (dx,dy, dz)離れた点X,Y 間でのスカラー場 f の違い

df = f (x+ dx, y + dy, z + dz)− f (x, y, z)

=∂f

∂xdx+

∂f

∂ydy +

∂f

∂zdz

=

∂f∂x∂f∂y∂f∂z

·

dxdydz

= gradf ·

dxdydz

すなわち、

gradf ≡

∂∂x∂∂y∂∂z

f ≡ ∇f

と定義する。この値もスカラー場となっている。

静電磁場内での静電位電場E の中で単位電荷 (1C)を運ぶのに必要な仕事量は、

W = −ˆL

E · dS

一般に無限遠から単位電荷を動かすのに必要な仕事を静電ポテンシャル (電位)と予呼び、

ϕ = −ˆ B

∞E · dS

とする。

13

例 点電荷が原点にあるときの電位 ϕ (r)は?

ϕ (r) = −ˆ r

∞E · dS

E は動径方向に大きさ

E (r) =q

4πε0

1

r2

ϕ = −ˆ r

q

4πε0

dr

r2

となり、

ϕ =

[q

4πε0

1

r

]r∞

=q

4πε0r

電位と電場の関係

ϕ = −ˆ

EdS

= −ˆ Ex

Ey

Ez

·

dxdydz

= −

ˆ(Exdx+ Eydy + Ezdz)

両辺を xで偏微分して、

∂ϕ

∂x=

∂x

(−ˆ

Exdx

)= −Ex

y, zについても同様に計算して、 ∂ϕ∂x∂ϕ∂y∂ϕ∂z

= −

Ex

Ey

Ez

gradϕ = −E

電位の一意性

電位が一意に定義できる条件は、任意の点 A,B,L1,L2 についてˆL1

E · dS =

ˆL2

E · dS

14

0 =

ˆA→B,L2

E · dS −ˆA→B,L1

E · dS

=

ˆA→B,L2

E · dS +

ˆB→A,L1

E · dS

=

˛C

E · dS

つまり任意の閉曲線 C について ˛EdS = 0

であることが必要十分条件となる。これはMaxwell方程式の三番目 ˛

c

E · ds = − ∂

∂t

ˆS

B · ndS

の右辺が静磁場においては 0となることを示している。電位 ϕを

ϕ =

ˆL

E · dS

と定義すると、この式の微分系はgradϕ = −E

となる。成分ごとに書き下すと、

ϕ = −ˆ

Exdx+ Eydy + Ezdz

となる。

定積分で書き出すと、

ϕ (x, y, z) = −ˆ x

∞Ex′dx′ −

ˆ y

∞Ey′dy′ −

ˆ z

∞Ez′dz′

より、∂ϕ

∂x= −Ex − 0− 0

rotation(循還) Aへの演算として、rotation∇ =(

∂∂x ,

∂∂y ,

∂∂z

)について、

rotA ≡ curlA ≡ ∇×A =

∂∂x∂∂y∂∂z

×

Ax

Ay

Az

=

∂Az

∂y − ∂Ay

∂z∂Ax

∂z − ∂Az

∂x∂Ay

∂x − ∂Ax

∂y

を定義する。

ストークスの定理

任意の辺 S と其れを囲む閉曲線 C について、 ˛C

A · dS =

ˆS

rotA · ndS

が成立する。

15

証明 x-y平面上で微小な面素片 dxdy = dS を一周する積分は?

A′ =

Ax + ∂Ax

∂y ·(−dy

2

)Ay +

∂Ay

∂y ·(−dy

2

)Az +

∂Az

∂y ·(−dy

2

)

となることから、1.では、

A′ · dS =

A′x

A′y

A′z

·

dx00

= A′

x · dx

=

(Ax − ∂Ax

∂y

dy

2

)· dx

2.では、

A′′ · dS =

(Ay +

∂Ay

∂y

dx

2

)· dy

3.では、

A′′′ · dS =

(Ax +

∂Ax

∂y· dy2

)· (−dx)

4.では、

A′′′′dS =

(Ay −

∂Ay

∂x

dx

2

)· (−dy)

以上より、dS を一周する積分 dI は、

dI = −∂Ax

∂ydxdy +

∂Ay

∂xdxdy

=

(∂Ay

∂x− ∂Ax

∂y

)dxdy

= (rotA)z dS

= rotA · ndS

となり、任意の微小面上で上記の関係は成立することが分かる。

広がった面 S は微小面素片に分解できるが、隣り合った素片の外周の線積は互いに打ち消し合う。

ˆS

rotA · ndS =

˛C

A · dS

が成立する。証明終

16

電位の一意性 電位の一意性が成り立つには ˛E · dS = 0

が必要であった。ストークスの定理を用いてこれを変形すると、ˆS

rotE · ndS = 0

となる。すなわち、rotE = 0

となる。

Maxwell方程式の三番目の式によると、

rotE = −∂B

∂t

であるので、磁束の時間変動がなければこの関係が成り立ち、電位の定義ができることが分かる。

rotE = 0が電位 ϕ = −gradE となる必要十分条件であることの証明 (i) E − gradϕとかけるとき

rotE = −rot (gradϕ)

= −rot

∂ϕ∂x∂ϕ∂y∂ϕ∂z

= 0

(ii) 逆に rotE = 0

ϕ =

ˆ r

∞E · dS

両辺の gradをとってgradϕ−E

6 静電場のエネルギー

ある �系�が持つエネルギー ≡静エネルギー U

1. 2つの点電荷の系: この系を作るには片方を無限遠から運ぶ仕事が必要

q1 が作るポテンシャル ϕ1 は

ϕ1 =1

4πε0

q1r

q1 が作るポテンシャル ϕ2 は

ϕ2 =1

4πε0

q2r

だから、

U =1

4πε0

q1q2d12

= ϕ1q2

= ϕ2q1

=1

2(ϕ1q2 + ϕ2q1)

2. 3つの点電荷の系?: 1.の系にもう1個足す。

17

U =1

4πε0

(q1q2d12

+q1q3d13

+q2q3d23

)3. n個の点電荷

U =1

4πε0

∑i,j

qiqjdij

ここで∑

i,j は i, j の全ての組み合わせであり、nC2 組存在する。

U =1

4πε0

n∑′

i=1

n∑′

j=1

qiqjdij

1

2

ここで∑′ は i = j であるものを除くという意味である。

U =1

4πε0

n∑′

i=1

qi2

n∑′

j=1

qjdij

14πε0

∑′n

j=1

qjdijは qi 以外が作るポテンシャル ϕi となるので、

U =1

2

n∑i=1

ϕiqi

となる。

3'. 連続分布する電荷 ρ

18

ρが作る電場の電位 ϕとすると、

U =1

2

ˆV

ϕρ · dV

ρ = ε0divE であることより

U =1

2

ˆε0divE · ϕdV

=ε02

ˆ∇ · (−gradϕ) · ϕdV

= −ε02

ˆ (∂2

∂x2ϕ+

∂2

∂y2ϕ+

∂2

∂z2ϕ

)· ϕdV

ϕ ∂2

∂x2ϕとは何かを考える。

∂x

(ϕ∂ϕ

∂x

)=

(∂ϕ

∂x

)2

+ ϕ∂2ϕ

∂x2

であるから、

ϕ∂2

∂x2ϕ =

∂x

(ϕ∂ϕ

∂x

)−(∂ϕ

∂x

)2

y, z成分についても同様なので、

U = −ε02

ˆ {∂

∂x

(ϕ∂ϕ

∂x

)+

∂y

(ϕ∂ϕ

∂y

)+

∂z

(ϕ∂ϕ

∂z

)−(∂ϕ

∂x

)2

−(∂ϕ

∂y

)2

−(∂ϕ

∂z

)2}dV

= −ε02

ˆ {div (ϕgradϕ)− (gradϕ)

2}dV

=ε02

ˆ {div (ϕE) +E2

}dV

=ε02

ˆE2dV +

ε02

ˆS

ϕ ·E · ndS

ここで、 ˆS

ϕ ·E · ndS ∼ E (r)ϕ (r) · S

∝ 1

r→ 0 (r → ∞)

|E| ∝ 1

r2

ϕ ∝ 1

r

S′ ∝ r2

であるから、十分大きい体積では、

U ∼ ε02

ˆV

E2dV

と書ける。あるいは単位体積あたりの系のエネルギー uは、

U ∼ ε02E2

となる。

例 平行平板コンデンサ

面積 S、距離 aの平行平板に Q帯電しているとする。

19

1. 電場 E は? S ≫ a2 と仮定する⇒E=一定Gaussの法則より、 ˆ

S′′E · ndS =

1

ε0

ˆV ′

ρdV

E =1

ε0

Q

S

となる。

2. 電荷をためていくときに必要なエネルギーは? 電荷 dqを反対側の電極に移すと

dq · E · a =a

ε0

Q

Sdq

のエネルギーを必要とする。上側の電極でのポテンシャル ϕ = a

ε0

QS である。

電荷を 0から積み上げて Qにするのに必要な仕事は

U =

ˆ Q

0

ϕdq

=

ˆ Q

0

aq

ε0Sdq

=a1ε0S

[q2

2

]Q0

=aQ2

2ε0S

=a (Eε0S)

2

2ε0S

=aε0SE

2

2

=ε02E2 · V

エネルギー密度はu =

ε02E2

7 電流の取り扱い

電流→電流の流れ 電流密度 j: 単位体積あたり・単位時間あたりに単位面積を通過する電荷の流れ電流 I: とある面 S を単位時間あたりに通過する電荷の量

I =

ˆS

j · n · dS

となる。

電流とキャリアの関係

j = ρv

20

例 金属の場合 キャリアは e− = −1.6× 10−19(C)、n = 1023(cm−2)、ρ = ne− = 104(C/m3)

断面積 1mm2 の銅線に 1A流した時の vは、j = ρv、I = jS より v ∼ 10−2(m/s)となる。

電流と電荷の保存則電荷の保存より ˆ

S

j · ndS = − d

dt

ˆV

ρdV

´Sj · ndS は単位時間あたりに S を通じて流出する量、

´VρdV は V 内の全電化である。

Gaussの定理より、 ˆS

j · ndS =

ˆV

divj · dV

だから、

divj = − d

dtρ

ただし電荷分布が変化しない電流→定常電流で divj = 0とする。

8 静磁場

1. 常に Nと Sがペアになる (磁気双極子)

2. 「電荷」の流れ (電流)が磁場を作る

3. 電流は磁場から力を受ける

電荷と電磁場の相互作用F = qE︸︷︷︸

クーロン力

+ qv ×B︸ ︷︷ ︸ローレンツ力

電荷に働く磁場の力∆S ·∆Lにかかる力は

F = qv ×B

= ρ ·∆S ·∆Lv ×B

= ∆S ·∆L · j ×B

= ∆L · I ×B

すなわち、単位長さあたり I ×B の力を受ける。

21

磁束密度 B: 磁束密度 [N · s/C/m] = [N/A/m] =[T(テスラ

)]1Tの磁場は、1Aの電流が 1mあたり 1Nの力を受けるもので、かなり強力なものである。

電流の作る磁場 (電流同士の相互作用)2本の電流間に働く力

F = ∼ ×I1 ×B2 =∼ ×I2 ×B1

= ∼ ×I1 · I2

=µ0I1I22πr

µ0 = 真空の透磁率

= 8.85× 10−12 (F/m)

=1

ε0c2

c2∇×B =j

ε0+

∂E

∂t

ε0c2∇×B = j + ε0

∂E

∂t1

µ0∇×B = j + ε0

∂E

∂t

Viot-Savartの法則: 静電場のアナロジー 静電場: Coulombの法則

E =∑i

1

4πε0

qirir3i

=1

4πε0

ˆV

ρr′

r′3dV

磁場の場合: 電流素片 dj

dj が作る磁場を dB は、dB =

µ0

4πdj × r

r3

で与えられる。(Viot-Savartの法則)

例: 上図の場合

B =µ0

ˆC

dj × r

r3

=µ0

ˆC

jdS × r

r3

22

例: 無限長の直線電流の作る磁場 (1)

Viot-Savartの法則より、

|dj × r| = dx · y · I= dx · Ir sin θ

より

dB =µ0

4πdx · r sin θ · I · 1

r3

よって

B =µ0

4πI

ˆ ∞

−∞

sin θ

r2dx

rdθ = dx sin θ, y = r sin θより、

B =µ0

4πI

ˆ π

0

rdθ

r2

=µ0I

ˆ π

0

sin θ

ydθ

=µ0I

2πy

すなわち、別の電流 I ′ を持ってくると受ける力 F は、

|F | = |I ′ ×B|= I ′B

=µ0II

2πy

静磁場のMaxwell方程式 微分形

divB = 0

c2rotB =j

ε0

積分形

ˆS

BndS = 0

c2˛c

B · ds =1

ε0

ˆS

j · ndS

それぞれ、二番目の式がアンペールの法則となる。

23

すなわち、任意の閉曲線 C とそれを張るる面 S について

c2˛c

B · ds =1

ε0

ˆS

j · ndS

ストークスの定理より ˛C

B · dS =

ˆS

rotB · ndS

だから、

c2rotB =j

ε0

Ampereの法則の応用

1. 直線電流の作る磁場 (2)

アンペールの法則より

c2˛C

B · dS = c2 · 2πy ·B

1

ε0

ˆj · ndS =

1

ε0I

だから、

B =I

2πε0c2y=

µ0I

2πy

2. 面電流 (J [A/m]の電流密度)

c2˛C

B · dS = c2 (Bl +Bl) = 2Bl · c2

1

ε0

ˆS

j · ndS =1

ε0Jl

より、

B =J

2ε0c2=

µ0J

2

3. 無限長のソレノイド

24

(a) 円電流が中心軸上につくる磁場

dlを流れる電流素片が z軸上に作る磁場は、Biot-Savartの法則より

dB =µ0

Idl

a2

かつdBz = dB cosα

ここでa =

√r2z2

cosα =r

a

dl = rdθ

より

dBz = dBr

a

=µ0Irdθ

4π√r2 + z2

2

r√r2 + z2

=µ0Ir

2dθ

4π (r2 + z2)32

Bz =

ˆ 2π

θ=0

dBz

=µ0Ir

2

4π (r2 + z2)32

ˆ 2π

0

=µ0Ir

2

2 (r2 + z2)32

(b) ソレノイド軸上の磁場

images/ele068.jpg

長さ dzの円柱を流れる電流が原点に作る磁場 dBz

25

円柱を流れる電流は I ·Ndzであるから、

dBz =µ0r

2 · I ·N · dz2 (r2 + z2)

32

よりソレノイド全体が作る磁場は

Bz =

ˆdBz =

µ0r2IN

2

ˆ ∞

−∞

dz

(r2 + z2)32

tan θ = zr とすると dθ = − sin θ

r dz, 1

(r2+z2)32= sin2 θ

r3 より、

B0 =µ0r

2IN

2

ˆ 0

π

sin θdθ

r2= µ0IN

(c) ソレノイド内の磁場C1 での線積分を考えて、 ˛

C1

B · ds = µ0

ˆS1

j · ndS

B · dl −B′ · dl = 0

B = B′

より、どこでも µ0IN

(d) ソレノイド外C2 で考えて、 ˛

C2

B · dS = µ0

ˆS2

j · n · dS

Bdl −B′′dl = µ0 ·NIdl

B′′ = B − µ0IN

= 0

9 ベクトルポテンシャル

静磁場のMaxwell方程式 {divB = 0 電場と違うc2rotB = j

ε0スカラーポテンシャルは定義不可

一般に div (rotA) = 0であるので、B ≡ rotAとして書くことができる。このAを「ベクトルポテンシャル」と呼ぶ。

例証 A =

0´ x0Bz (x

′, y, z) dx′ −´ z0Bx (0, y, z

′) dz′

−´ x0By (x

′, y, z) dx′

に対して rotA = B となる。

ゲージ変換 AはA′ = A+ gradf(f は任意のスカラー場)の変換について不変 (Gauge変換)

証明 rotA = B であるとき

rotA′ = rot (A+ gradf) = rotA+ rot (gradf) = rotA = B

gradf で与える制限をゲージと呼ぶ。

� divA = 0: クーロンゲージ

� divA = − 1c2

∂ϕ∂t : ローレンツゲージ

26

電流とベクトルポテンシャル アンペールの法則

j

ε0c2= rotB

= rot (rotA)

= grad (divA)−∇2A

クーロンゲージを選ぶと、divA = 0より、

j

ε0c2= −∇2A = −

(∂2

∂x2+

∂2

∂y2+

∂2

∂z2

)A

cf. 電場ではどうなるか {divE = ρ

ε0

E = −gradϕ

より −div (gradϕ) = ρε0

−(

∂x,∂

∂y,∂

∂z

)·(∂ρ

∂x,∂ϕ

∂y,∂ϕ

∂z

)= −∇2ϕ =

ρ

ε0

これを Poisson方程式と呼ぶ。電場の場合: クーロンの法則より

E =1

4πε0

ˆV

ρ (r′) (r − r′)

|r − r′|3dV ′

であるが、1

|r − r′|= − r − r′

|r − r′|となる (r′ = const)から、

E =1

4πε0

ˆρgrad

1

|r − r′|dV ′

= grad

(1

4πε0

ˆρ

dV

|r − r′|

)と書けるので、

ϕ =1

4πε0

ˆV

ρ (r′)

|r − r′|dV ′

と書ける。(ϕの一般解)

電流ベクトルとポテンシャル 電流分布とベクトルポテンシャルの関係は

Ax =µ0

ˆV

jx (r′)

|r − r′|dV

⇒ A =µ0

ˆV

j (r′)

|r − r′|dV ′

(Aの一般解)

ベクトルポテンシャルの応用

1. 無限長の電流の作る磁場 3

images/ele069.jpg

27

A =µ0

ˆj

|r − r′|dV ′

jx = 0, jy = 0なので、Ax = const, Ay = const

またベクトルポテンシャルの Poisson方程式は−∇2A = µ0j

の z成分∇2Az = −µ0jz

これの解を求める。この式は電場の Poisson方程式の解のアナロジーで考えることができる。すなわち、直線電荷の作る電場ポテンシャルと考える。

images/ele070.jpg

−∇2φ = ρε0のポテンシャルは?

E (r) =σ

2πε0r

(r =

√x2 + y2

)であるから、

φ = −ˆ

E(r2)dr = −

ˆσ

2πε0r′dr′ = − σ

2πε0ln (r) + const

上記を踏まえると、

Az = −µ0I

2πln (r)

(r =

√x2 + y2

)より、

A =

00

− µ0I2πln(r)

+ const

B = rotA =µ0I

2πr2

−yx0

2. 無限長ソレノイドの作るベクトルポテンシャル

images/ele071.jpg

rotA = B より、ストークスの定理から˛C

A · dS =

ˆS

rotA · ndS =

ˆS

B · ndS

28

images/ele072.jpg

� r < aのとき

˛C1

A · ds =

ˆS

B · ndS = πr2 µ0IN︸ ︷︷ ︸B

C1 にそっての A (= Aθ)は一定なので、Aθ · 2πr = πr2µ0IN

Aθ =µ0IN

2r

� r > aのとき

˛C2

A · ds =

ˆS

B · ndS = πa2µ0IN

Aθ =µ0NIa2

2

1

r

このように、ベクトルポテンシャルは磁場が存在しない場所でも座標に依存しうる。ベクトルポテンシャルは数学上の概念で実際に存在するものではないと近年まで考えられてきたが、1986年に行われた電子スリットの応用実験により、ベクトルポテンシャルが実際に存在する場の概念であることが実証された。これは AB効果、ボーム効果と呼ばれている。

10 時間変動する電磁場

電場の誘導: Maxwellの電磁誘導

images/ele073.jpg

Maxwell方程式より

rotE = −∂B

∂t

˛C

E · ds︸ ︷︷ ︸発生する電位 (起電力)∇

= −ˆS

∂B

∂t· ndS

= − ∂

∂t

ˆS

B · ndS

= −∂Φ

∂t

29

例 静磁場中を移動する回路

images/ele074.jpg

1. C に生じる起電力 ε

ε =

˛C

E · ds

= −ˆ

∂B

∂t· ndS

= −∂Φ

∂t

= − ∂

∂t(B · S)

= −Bdv

2. ローレンツ力で考える

電荷 qの受ける力はF = q · v ×B

F = qvB

→動く線の端から端まで qが動いたときにうけた仕事W

W = F · d = qvBd

⇒ ε =W

q= vBd

磁場の誘導 Maxwell方程式より

C2rotB =j

ε0+

∂E

∂t

c2˛C

B · dS =1

ε0

ˆS

j · ndS +

ˆS

∂E

∂t· n · dS

images/ele075.jpg

1. C,S1 で考える

c2˛C

B · ds =1

ε0

ˆS

j · ndS

アンペールの法則

2. C,S2 を考える

増加する電場が電流の代わりとなる。これに基づきアンペールの法則を拡張したのが上記のアンペール・マクスウェルの法則である。

30

11 Maxwell方程式と電磁波

時間変動入りMaxwell方程式 divE = ρ

ε0

divB = 0

rotE = −∂B∂t

c2rotB = jε0

+ ∂E∂t

3式、4式は 3パラメータなので、8方程式に対し 6パラメータであるが、これが過不足なく解けることを示す。

1. 3式の両辺の divをとる

div (rotE) = − ∂

∂tdivB

∂tdivB = 0

となり、2式を満たす。

2. 4式の両辺の divをとる

∼=1

ε0divj +

∂tdivE

電磁波の保存則より divj = −∂ρ∂t であった。

∂t

(divE − ρ

ε0

)= 0

より、1式を満たす。

真空中、電流なしのMaxwell方程式を解く Maxwell方程式は、divE = 0

divB = 0

rotE = −∂B∂t

c2rotB = ∂E∂t

となる。

4式の両辺を時間微分して

∂2E

∂t2= c2rot

(∂B

∂t

)= c2rot (−rotE)

= −c2rot (rotE)

rot (rotE) = grad (divE)−∇2E

であるので、∂2E

∂t2= c2∇2E → ∇2E =

1

c2∂2E

∂t2

( ∂2

∂x2Ex + ∂2

∂y2Ex + ∂2

∂z2Ex = 1c2

∂2Ex

∂t2 , y, zについても同じ)

同様に

∇2B =1

c2∂2B

∂t2

このような式のことを一般に波動方程式と呼ぶ。

31

波動方程式を電場について解く 一次元の平面解を考える。すなわち、

E = (0, 0, E (x, t))

で y, zには依存しないような状況を考える。これを波動方程式に代入すると、z成分は、

∇2E (x, t) =1

c2∂E (x, t)

∂t

→ ∂2

∂x2E +

∂2

∂y2E +

∂2

∂z2E =

1

c2∂2

∂t2E

結局、∂2E (x, t)

∂x2=

1

c2∂2E (x, t)

∂t2

となる。この一般解は E = f (x+ αt)の形になる。

(証明) 代入すると∂2f

∂x2=

1

c2∂2f

∂t2

であるが、X = x+ αtとすると、 ∂∂x = ∂

∂X , ∂∂X = ∂

∂t∂t∂X = 1

α∂∂t より、

∂2f

∂X2=

α2

c2∂2f

∂X2⇒ α2 = c2 ⇒ α = ±c

であるから、E (x, t) = f+ (x− ct) + f− (x+ ct)

と書ける。

images/ele076.jpg

磁場の解は? E (x, t) = f+ (x− ct)のときを考えます。

Maxwell方程式の 3より、

∂B

∂t= −rotE

= −rot (0, 0, f+ (x− ct))

=

(0,

∂f+∂x

, 0

)

∂Bx

∂t=

∂Bz

∂t= 0

より、Bx = Bz = 0とできる。

∂By

∂t=

∂f+ (x− ct)

∂x

より、X = x− ctの変数変換を考えると、 {∂By

∂t

(=

∂By

∂X∂X∂t = −c

∂By

∂X

)∂f+∂x = ∂f+

∂X = ∂t∂X

∂f+∂t = −1

c∂f+∂t

∂By

∂t= −1

c

∂f+∂t

32

時間一定の項を無視する。

By = −1

cf+(x− ct)

まとめると、 {E = (0, 0, f+(x− ct))

B =(0,−1

cf+(x− ct) , 0)

より、E⊥B で、E,B は同じ形。c = 1√ε0µ0

電磁場の持つエネルギー 電場→ 12ε0E

2 と書ける。

images/ele077.jpg

� B,E がある体積 V

� n(個/m3

)のでんッシが vで動いている→系の収支?

電子に掛かる力F = − (E + v ×B) e

→定速 vで動かすのになされる仕事dw

dt= |F · v| = E · ve

系全体 (V 内)でのエネルギー収支 (電流づくりに使われているエネルギー)

dw

dt= −

ˆV

EvendV

= −ˆV

EjdV

= −ˆV

E

(ε0c

2rot− ε0∂E

∂t

)dV

= −ε0c2

ˆV

ErotBdV + ε0

ˆV

E∂E

∂tdV

dW

dW=

1

µ0

ˆV

div (E ×B) dV +

ˆV

(ε0c

2B∂B

∂t+ ε0E

∂E

∂t

)dV

=1

µ0

ˆS

(E ×B) · ndS +

ˆ∂

∂t

(B2

2µ0+

ε02E2

)dV

images/ele078.jpg

� S = E×Bµ0

Poyntingベクトル→系から流出する項

�B2

2µ0+ ε0E

2

2 →系の電磁場のエネルギー

dW

dW=

1

µ0

ˆV

div (E ×B) dV +

ˆV

(ε0c

2B∂B

∂t+ ε0E

∂E

∂t

)dV

33

12 物質中の電場の取り扱い

images/ele079.jpg

電子双極子 微小距離 d離れた電荷 +q,−qの対えお考える。(x, y, z)でのポテンシャルは

∇ =q

4πε0

1√x2 + y2 +

(z − d

2

)2 − 1√x2 + y2 +

(z + d

2

)2

ここで {r2 = x2 + y2 + z2

z ≫ d (r ≫ d)

とすると、 (x2 + y2 +

(z − d

2

)2)− 1

2

=

(x2 + y2 + z2

(1− d

2z

)2)− 1

2

などから

∇ ∼ qzd

4πε0r3=

qd

4πε0

cos θ

r2(z = r cos θ)

すなわち点電荷 qのとき∇ = q4πε0

1r

よって

E = −grad∇ =qd

4πε0

3xzr53yzr5

(3 cos2 θ−1)r3

電子双極子モーメント ベクトル p

� |p| = qd

� 方向は −q → +q

と定義する。

images/ele080.jpg

∇ =1

4πε0r2p · rr

と書ける。(p · r = qd cos θrより)

34

誘電体 絶縁体は電圧をかけると?

images/ele081.jpg

images/ele082.jpg

このような状態を分 kに良くという。

物質の両端に電荷 Qp,−Qp が現れる。分極し電荷で作られる単位面積当たりの双極子ベクトル

分極ベクトル p = qpδ = Nqδ

すると図の S, V について

−Qp =

ˆs

p · ndS

もしくはρp = −divp

ここで ρp は分極電荷密度である。

divE =ρ

ε0

誘電体中の電場と電束密度 誘電体厨では Gaussの法則は

divE =1

ε0(ρ+ ρp)

分極 pを用いてdiv (ε0E + p) = ρ

と書ける。「電束密度」D ≡ ε0E + pとすると、divD = ρ

一般には分極はE に比例してp = χε0E

と書ける。(χ=分極律)

D = ε0 (1 + χ)E ≡ εE

(ε=誘電率)

(1 + χ) ≡ κ: 比誘電率 (空気で 1.0006)

物質中の電磁波 真空中では divE = 0, divB = 0, rotB = −∂E∂t , c

2rotE = −∂B∂t 出会ったが、これは物質中では成り立たない。

Dを用いると物質中では

1. divD = 0

2. divB = 0

3. rotE = 1ε rotD = −∂B

∂t

35

4. 時間変化する分極はでん yるになる∂ρp∂t

= −divjp

divD = −ρp なので、

div∂p

∂t= divjp

∂p

∂t= jp

が成立分極入りMaxwell方程式は c2rotB

jp

ε0+ ∂E

∂t だが、

c2rotBjpε0

+∂E

∂t=

1

ε0

∂p

∂t+

∂E

∂t=

∂t

(p

ε0+E

)=

1

ε0

∂D

∂t

より1

µ0rotB =

∂D

∂t

上の 4式を解いて∂2D

∂t2=

1

µ0rot

∂B

∂t= · · · = 1

εµ0∇2D

速さ 1√εµ0の電磁波となる。

磁気双極子

images/ele083.jpg

極小のループ電流を考える。ベクトル@お転写ル

A =µ0iS

1

r2

− sin θcos θ0

磁気双極子モーメントを

m ≡ is

001

と取ると、

A =µ0

m× r

r3

となって、

B = rotA =µ0 |m|4π

3xzr53yzr5

3z2

r5 − 1r3

磁性体と磁化

images/ele084.jpg

磁場で磁気双極子が揃うことを磁化と呼びM で表す。

36

磁化電流

images/ele085.jpg

M : B によって誘導される単位体積あたりの磁気モーメント→ここの双極子絵 dん竜 jm 都の関係が jm = rotM となる

Ampereの法則rotB = µ0 (j + jm)

rot (B − µ0M) = µ0j

1

µ0(B −M) ≡ H

rotH = j

37

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