開発現場以外でも 「スクラム」 - Agile Japan · 2017-04-19 · 自己紹介...

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開発現場以外でも 「スクラム」

GMOペパボ株式会社

和島 史典

自己紹介

和島 史典(わじま ふみのり) @wajimaf

埼玉県狭山市

昭和50年生まれ 39歳 2児の父

もともとはDTPデザイナー 1996年からWEBデザイナー

いろいろ経験して 広告代理店・企画会社ディレクター・取材

GMOペパボで WEBデザイナー・プロデューサー・マネージャー

スクラム導入の動きに合わせてスクラムマスター業

自己紹介

スクラムマスターとしての取り組みの紹介

2013年2月からJUGEMブログでスクラムマスター

他サービスでのスクラム勉強会 東京・福岡

社内カンファレンス

WEB+DB PRESS Vol.78事例寄稿

GMOペパボの紹介

2003年創業 「ロリポップ!!レンタルサーバー」

2014年4月 paperboy&co.から社名変更

ドメインサービス「ムームードメイン」

ショッピングカート「カラーミーショップ」

ブログサービス「JUGEM」

ヘテムル ブクログ 30daysAlbum カラメル

minne SUZURI ロリポタッチ kiteco

アジェンダ

導入事例

GMOペパボ(主にJUGEM)でのスクラム導入話

開発現場以外でのスクラムの取り組み

法務とCS(カスタマーサービス)でのやりとり

新卒向け研修としてのワークショップ

GMOペパボでのスクラム導入

2013年2月 JUGEMから導入開始

きっかけは「障害」

属人化されていた

リリースまでのプロセスが曖昧

テストの環境が不十分

コード管理が十分になされてなかった

焦っていた

「仕事のしかた」から変えていかねばならぬのでは

導入前のJUGEM

運用しながらの新規開発

→ ユーザ対応

不具合対応 調査などなど

→ 老朽化の進むハードウェア

死にゆくサーバ コスト的なメリットでの乗せ替え

→ 日々バージョンアップするいろいろ

ミドルウェア プログラム 脆弱性・・

ブラウザ PC ガラケー スマホ タブレット・・

導入前のJUGEM

予測不能な割り込みタスクが盛りだくさん

→ 都度都度対応できる人が対応している状況

→ 優先順位も結構「気づいた順」

→ その場限りの対応 「なんか新規開発すすまないね」

導入前のJUGEM

属人化していく

→ 歴史あるサービスが故の負債

・ドキュメントが古い もしくはない

・バージョン管理されてない

・ローカルにしか存在しないコード

・その人にしかわからない nogami_special.php

→ 休んだらどうなるの? もしやめたらどうするの?

導入前のJUGEM

七夕の短冊のような叶わぬ開発計画

→ やりたいことは決まれど、手がつけられない

・スケジューリングが無意味

・あれ?全然すすんでないの?

→ そこへ来ての障害

「仕事のしかた」から変えていかねばならぬのでは

書籍を読んだり勉強会したり、外部講師を招いたり

1周間スプリントで回し始めました

スクラムマスターとしてやったこと

「見える化」 で抱えてるタスクの洗い出し

→ 個人で抱えるのはやめよう

スクラムマスターとしてやったこと

「優先順位」 でタスクの管理

→ タスクボード作成

→ デイリースクラムで共有

→ 割り込みが発生したらすぐPOへ

スクラムマスターとしてやったこと

「ふりかえり」 でKPTを出す

→ 主にプロセスについて

→ 良かったこと・悪かったこと

それぞれで原因をさがす

→ それを次のスプリントで試す

スクラムマスターとして気づいたこと

理解は容易・習得は困難

→ 気兼ねなく突っ込む 本質を聞く

「あれ?それって今やるんだっけ?」

「計画時と違わない?POに確認した?」

「遅れてるなら助け求めないとじゃないの?」

→ 時には天使のように、時には鬼のように

→ スクラムマスターは大変である。。。

スクラムマスターとして気づいたこと

スクラムで気づいたこと

→ みんながわかるようになる

タスクボード・バックログで可視化

→ 決定権ある人が理解しやすい

やること(TODO)・やってること(DOING)

終わること(DONE)・やれる量(ベロシティ)

→ 何が終われば完成なのか

しっかりと計画することでゴールが明確に

透明性

スクラムマスターとして気づいたこと

スクラムで気づいたこと

→ 進捗にあわせた協力

割り込みの可視化 タスクボード デイリースクラム

→ やばい状況もわかる

短いスプリント期間で調整が可能・変化に対応

定期的な検査・改修

スクラムマスターとして気づいたこと

スクラムで気づいたこと

→ 雰囲気が良くなることが多い

デイリースクラム・自分が何のために存在しているか

→ みんなで考える

優先順位の共有・合意

脱属人化にむけてのチームワーク・困ったときは助け合う

良かったことも悪かったことも自分!

コミュニケーションのツールとして

スクラムマスターとして気づいたこと

私、気づきました

スクラムマスターとして気づいたこと

透明性

決定権ある人が見ても、誰が見てもわかるように

ゴールが明確で共有される

定期的な検査・改修

急激な変化に対応できる

コミュニケーションのツールとして

やっぱり仲良く仕事がしたい

スクラムマスターとして気づいたこと

開発現場以外でも活かせるのでは

(スクラムの本質から外れるかもしれないですが)

開発現場以外で試したこと・1

開発現場以外で試したこと・1

きっかけは「法務グループマネージャーの悩み」

→ 法務グループの業務範囲が広い

→ 日々生まれるルーチンワーク的な業務が多い

→ サービス側でも判断できる物がある

開発現場以外で試したこと・1

まずは現状把握

→ 現状の洗い出し

何に困っていて、どこまで手助けができるか

→ ゴールの設定

法務担当のF君の業務に関わる時間を減らす

開発現場以外で試したこと・1

やらないと決めたこと

→ タスクボード・デイリースクラム・計画

やることは決まってるし、距離が離れている

→ githubやIRCで代用

→ 振り返らない

なんとなく決めるとか一度決めてハイ実行!では確実に

継続しないし、リスキーすぎる

→ お互いが協力関係であることの認識

仲良くお互い幸せになろう

開発現場以外で試したこと・1

書面到着

内容審査

依頼書作成

送信・報告

回答・検討

対応

完了報告

JUGEM

法務 このフローを共有し メンバーで以下を 決定・試してみる

まずは復習 徹底的に共有

F君じゃなくてもできる部分を洗い出し

法務の専門知識が必要な部分はそのままで残す

他部署やシステムに関わる部分は今回はいじらない

まずはコンパクトに目的を果たす

開発現場以外で試したこと・1

書面到着

内容審査

依頼書作成

送信・報告

回答・検討

対応

完了報告

JUGEM

書面到着

内容審査

依頼書作成

送信・報告

回答・検討

対応

完了報告

法務

JUGEM

法務

開発現場以外で試したこと・1

H君の作業時間が4割削減できた!

JUGEM側では作業が増えたが、

JUGEMのデイリースクラムで共有し合いカバー

開発現場以外で試したこと・1

重要な時間「ふりかえり」 週に1回、30分程度だが、必ず顔を合わせる

どんな些細な事でもKPTを出す

→ 問題点を洗い出し、次に活かす

→ 良い気付き、働きによるモチベーションアップ

→ 何よりも、お互いでやってる感がでる!

やらされてる感じゃなくてやってる感

開発現場以外で試したこと・1

KPT例

このようなやりとりを毎週行っています

スプリント2 Keep ・ルーチンとしてできている ・フロー通りに動いている Problem 1.書類のやりとりがめんどくさい 2.保管する範囲が確定してない 3.JUGEMでトラブって手が回らない Try 1.PDFでやってみる 2.保管する範囲を決める 3.やばいと思ったらすぐ相談!

スプリント3 Keep ・PDF最高だ! ・IRCでコミュニケーション問題なし Problem 1.PDFが多くて探すのが大変 2.まだまだ法務がボトルネックになる Try 1.PDFのファイルの命名規則を決める 2.巻き取り箇所を増やしてみよう

開発現場以外で試したこと・1

SM、一人振り返る

今回なぜこのような事をやるか、を明確にできた

「何とかしたい」とみんな協力しあえる環境を作れた

指示ではなく自主的に解決する機会を作った

法務グループとJUGEMチームの責任者同士で この働きの合意がとれていた

開発現場以外で試したこと・1

透明性

定期的な検査・改修

コミュニケーションのツールとして

この3つは実践できた (これがスクラムなのかと問われると・・・)

開発現場以外で試したこと・2

開発現場以外で試したこと・2

きっかけは「人事部マネージャーからのお願い」

→ 全社的にスクラムを推進している

→ 新卒社員がいきなりホワイトボードとか付箋見て わけわからんようにならないか不安

→ 配属になる前にスクラムとは何かを伝えてほしい

→ 新卒は全部で10人!

開発現場以外で試したこと・2

やったこと

ただ単にスクラムの仕組みだけ説明してもわからんだろう

ウォーターフォールとか言われても・・・

まずは我々がいる業界(IT)の流れを理解してもらって

なぜスクラム(的な意識)が 大事なのか を認識してもらう

開発現場以外で試したこと・2

開発現場以外で試したこと・2

開発現場以外で試したこと・2

開発現場以外で試したこと・2

じっくり練って出して終わりではない

みんなで探索して把握して対応してを スピーディに「繰り返す」

そのためには

自分たちで考えて行動する(自律)

自分たちに制限を付けない(成長)

みんなで一緒に大部屋で働く(交流)

開発現場以外で試したこと・2

自己組織化することが重要

でも自己組織化って言われても・・・

理解は容易・習得は困難を僕らは知っている

単なる座学では習得には至らない

いくつかワークショップを行い身を持って学んでもらう

ワークショップの内容は、角征典さん・角谷信太郎さんの研修で 学んだことをアレンジ

開発現場以外で試したこと・2

開発現場以外で試したこと・2

かかった時間は2分4秒

開発現場以外で試したこと・2

開発現場以外で試したこと・2

かかった時間は43秒

開発現場以外で試したこと・2

自分たちで考えて行動する(自律)

自分たちに制限を付けない(成長)

みんなで一緒に大部屋で働く(交流)

自己組織化とは何かを実際に経験して身につける

開発現場以外で試したこと・2

開発現場以外で試したこと・2

出てきた答え

最高の材料を集める

社長出身地ゆかりの物を使う

社長家族にサプライズで参加してもらう

究極に空腹になってもらう

などなど

開発現場以外で試したこと・2

気づいて欲しかったこと

「味見してもらう」

じっくり練って出して終わりではない

みんなで探索して把握して対応してをスピーディに 「繰り返す」

これに気づいてほしい (ちょっと前に言ったのに。。。)

開発現場以外で試したこと・2

開発現場以外で試したこと・2

ブロックを使って街づくり

1.3チームにわかれます

2.チーム内で役割を決めます(父・母・息子・娘など)

3.街にほしい施設をそれぞれ3つ書きます

4.「隣のチームの街」を作ります

街を「考える側」と、「作る側」、両方を体験する

開発現場以外で試したこと・2

気づいて欲しいこと

1.作り手に目的を明確に伝える大事さ

2.決められた制限内(時間・人)で、どうすれば

目的が叶えられるか、計画づくり

3.その中で出てきた良い点・悪い点を振り返って 次に活かしていく検査・改修

4.変化に対応できるチームワーク

開発現場以外で試したこと・2

開発現場以外で試したこと・2

開発現場以外で試したこと・2

開発現場以外で試したこと・2

開発現場以外で試したこと・2

開発現場以外で試したこと・2

とあるチーム

1.シングルファザーの家庭だった(妻は死別)

2.突然父親が再婚すると言い出した

3.死別した妻のために作っていた施設よりも再婚相手の求めている施設の方が優先になった

さあどうする!!!

突然の変化にチームでどうやって対応するか

開発現場以外で試したこと・2

残されている時間もブロックも少ない

1.再婚相手が「本当にほしいもの」を見極める

2.少ない時間で目的を叶えるために試行錯誤する

3.チームとしてどういった動きが最適なのかを検討する

突然の変化は日々やってきます

指示を待つより自主的に考え動く組織づくり

開発現場以外で試したこと・2

まとめ

理解は容易・習得は困難を僕らは知っている

必要な知識と協力し合える環境が大事

本来スクラムは開発手法だが

その中には「仕事のしかた」としてどの環境・職種でも 活かせる良いアイディアがたくさんある

まとめ

ご清聴ありがとうございました

GMOペパボでは

一緒に働けるエンジニア仲間を

待ってます!