水産学科食品科学専攻 海洋実習 3...

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水産学科食品科学専攻 海洋実習 3 レポート

文責 山本茂貴

2015年 6月 7日(日)~6月 13日(土)にかけて参加者:実習生 49名、補助

学生 8 名、教員 3 名で海洋実習 3 を行いました。今年は、和歌山県和歌山市の

魚のフィレの製造販売会社(株)ダイニチの海南シーフードセンターと湯浅醤

油(有)を見学しました。

6月 7日(日)曇り

午前 10時に出航しました。 出航時、港に礼をつくすため、

上甲板に整列し、登舷礼を行いました。

避難訓練

出航してすぐ避難訓練を行いました。

手釣りでの魚種調査

初日の午後は金州の瀬で手釣りでの魚種調査を行いました。

アヤメカサゴ 3尾、アカイサキ 1尾を捕獲しました。

船内講義(一日目)

夕食後は、今回の見学先である、海南シーフードセンターと湯浅醤油の説明と

HACCPの基礎的事項に関する講義がありました。海南シーフードセンターは米

国向けに魚を輸出していることから、大日本水産会の HACCP 認証を受けてい

ます。また、今年、水産庁から対 EUの HACCP認証を受けました。

一日目無事終了

6月 8日(月)曇り

早朝の体操

朝起きて、雨が降っていなければ、後部甲板に集合し点呼をし、ラジオ体操を

します。

午前中はプランクトン採取、表面観測を行いました。

表層のプランクトンを採取するための丸稚(マルチ)ネットです

丸稚ネットを海に投入し、海水表面を約 2 ノットで曳航し、表層のプランクト

ンを採取しました。右は表層のプランクトンたちです。

北原式定量ネット(丸北(マルキタ)ネット)と丸特(マルトク)ネット

次に 50mもしくは 100mから表層までのプランクトンを採取します。

6月 8日(月)午後、船内講義二日目

黒潮についての講義をうけました。水温、塩分濃度、透明度の違いや流速が 4

ノットにもなることを学びました。

6月 9日(火)雨のち曇り 海南シーフードセンターと湯浅醤油の見学

和歌山港に入港し、陸上施設の見学に行きました。

養殖された魚を活魚船で移送し一時保管しておくいけす。

海南シーフードセンターは(株)ダイニチが経営している鮮魚及び刺身用のフィ

レを製造販売している会社です。四国や九州で養殖した鯛や鰤、ヒラメなどを

中心に加工販売し、日本や米国、今年からは EUへ輸出をする予定です。

対米輸出のために大日本水産会の HACCP認証を取得し、今年(2015年)に対

EU輸出のために水産庁の EU HACCP認証を取得しています。

海水からスラリー氷を作るための冷却装置と魚の自動鱗取り機(右写真)

魚の鮮度を保つためには温度管理(冷却)が欠かせません。そのための氷は一

部自社で製造したスラリー氷を使用しています。

タイはいけすから水槽へ移し、数日餌を抜いた後活け締めされます。

その後自動鱗取り機で鱗を取り、刺身用のフィレに加工され出荷されます。

これらは関西方面が中心で、東京には生きたまま運ばれ、加工販売されます。

湯浅醤油(有)見学

午後は醤油発祥の地、湯浅町の湯浅醤油を見学しました。

湯浅醤油(有) ↑湯浅醤油(有)HPより引用

「和歌山県有田(ありだ)郡湯浅町、広川(ひろがわ)町で生産されるしょうゆ。

その起源については、1258 年(正嘉 2)に紀伊国由良(ゆら)(和歌山県由良

町)の興国寺(こうこくじ)開山となった法燈(ほっとう)国師(心地覚心(しんちか

くしん))が、中国から径山寺(きんざんじ)みその醸造法を習って帰国し、湯浅

で布教した際、この地の水がみそをつくるのに適しているのを認め、みそがつ

くられ、その槽底(ふなぞこ)に沈殿した液からしょうゆをつくるようになったと

いう。

これが日本しょうゆの起源と伝えられている。これは史実というよりも伝説

であるが、この地方は日本でももっとも古いしょうゆ生産地の一つである。

近世中期には有田郡広村(現広川町)の浜口儀兵衛(ぎへえ)が千葉県の銚子(ち

ょうし)でしょうゆの醸造を始めている。」(湯浅醤油(有)の HPより引用)

湯浅醤油は無農薬大豆と小麦、黒豆を原材料として 2年半かけて製造されます。

そのため、開封後、室温で保存しても色や味の変質はありません。

なんと醤油味のソフトクリームです。

湯浅醤油を 1,2滴垂らして食べるとまた深い味わいがあります。

湯浅町の醤油屋さんは江戸時代から創業、今も作り続けています。

金山寺味噌も作っています。

今も湯浅町には古い町並みが残っています。

6月 10日(水) 晴れのち曇り

今日は班ごとに自由研究です。和歌山で食品に関連した事項を調査しました。

スーパーマーケットに立ち寄り,地元の食材を調査しました。魚が新鮮で値段

も安かったです。

調査の途中で和歌山城と紀三井寺に立ち寄りました。

和歌山城 紀三井寺

6月 11日(木) 雨

今日は黒潮の観察です。あいにくの雨で黒潮を実感するのは難しかったです。

水温、塩分濃度を前方の大型モニターに映して見ていました。

画面の最下段の左が水温、右が塩分濃度です。

左は黒潮に入る前、水温は 21.5℃、塩分濃度は 33.5、右は水温 24.5℃、塩分濃

度 34.2 でした。水温が明らかに上昇、塩分濃度も高くなりました。

少し青黒くなっている?

水色は1で

最も濃い色でした。

透明度板を用いて透明度を測ります。見えなくなった水深が透明度となります。

黒潮の透明度は 20mとも言われていますが、この日はあいにくの雨で見えにく

かったことと潮の流れで透明板が流され、黒潮の外とほぼ同じ 12m程度で観測

できなくなりました。残念!・・・

6月 12日(金)雨のち曇り

グループ別発表会で研修のまとめを報告しました。

6月 13日(土) 曇りのち晴れ

海洋実習 3の全日程が終了し、清水港に帰ってきました。

お疲れ様でした。

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