時流を描く、 前橋に根ざした表現者 画家 坂本 敏さん...16...

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■﹁坂本敏作品展﹂

 

開催のお知らせ

 

これまでの坂本さんの作品を展

示する展覧会を次の通り開催しま

す。

●会期

 

2017年6月24日(土)

     

~7月2日(日)

     

※火曜日は、休廊

●開館時間

 

午前10時~午後6時

●会場

 

ギャラリーあーとかん

 (前橋市上新田町680ー

12)

◎お問合せ

 

☎027ー

896ー

1317

◎URL

 

https://art-kan.jimdo.com

/

■坂本さんの作品が、

 

山﨑種二記念特別賞を

 

受賞しました

 

第67回群馬県美術展覧会におい

て、坂本敏さんの作品「創造回帰ー

いつか見た風景ー

」、が最高の栄誉

である山﨑種二記念特別賞を受賞

しました。

movement

 「絵を描くときは一応下書きをしますが、絵の具を撒いた後に、手でペタペタしたり、ふき取ったり、削ったりしているうちに見えてくるものがある。そういうものを形として拾っていったりします――」。 変化することを良しとする坂本さんの画風は一般的には“抽象画”と言われるジャンルだが、じっと見ているとどこか安心感を覚える。さりげなく取り込まれた『丸』や『四角』といった形が、作品を引き締めているためだろうか。坂本さんの描く『丸』は、完全型とも言えるほど美しく整っている。「時のらせん階段を輪切りにしてみたら、どんな風景だろう。そんなことも考えながら描いています」と話す。 坂本さんは1960年、横山町(現在の千代田町)に生まれ、実家は『鳥留』という精肉店を営んでいた。県立前橋高校在学中には井田淳一氏(故人)に師事し、群馬大学教育学部美術専攻に進学する。卒業後、市内の中学校で美術の非常勤講師を1年間務めた後、実家の精肉店を継ぎ画家としても活動し始めた。原点となるのは前橋の風景や、人との関わり、まちの時間軸、等だ。現在も群馬県美術会理事や前橋市民展の運営委員として前橋・群馬の美術界を牽引している他、県内の中学・高校で非常勤講師を務めながら若い芽を育てている。2月にアーツ前橋で開催された展覧会、「前橋の美術2017」でも実行委員を務めた。 坂本さんにとって絵とは?の問いに、「毎日の歯磨きや洗顔と同じように、生活になくてはならないもの。ライフワークといいますか、離れられないものですね」「無意識に描いた絵の中に、観る人が意外なものを発見してくれたりする。無意識の中の意識に出会うことが、自分でも面白くて活動を続けています」と話す。 祭り大好き人間。「かつて商店街には濃密なコミュニティがあった。美術も、祭りも、その日、その場所だけで盛り上がるのではなく、非日常から日常へ波及させていきたい。それこそがまちの本当の活性化になるから」。美術家のフィルターを通した目からまちづくりを見つめる。生まれ育った前橋に対する、温かいまなざしがそこにはあった。

時流を描く、前橋に根ざした表現者

画家 坂本 敏さん

「創造回帰 - 時に刻まれた記憶 -」(2014 年)

「対岸から見た親水公園」(2011 年)

「時の空」(1999 年)

湖畔の記憶(2016 年)

〈Profile〉1960 年、前橋市横山町(現在の千代田町)に生まれる。群馬大学教育学部美術専攻卒業後、画家として活動を始め 82 年から群馬青年美術展、モダンアート協会展、県展等に出品。86 年群馬青年美術展奨励賞、93 年モダンアート協会展優秀賞・安田火災美術財団奨励賞受賞。91 年、第 25 回現代美術選抜展(文化庁)に出品。主な展覧会に、アヴァンギャルディア東京展(93 年、銀座井上画廊)、クロスセッション「断面」展(95 年、高崎市民ギャラリー)、がんばろう神戸展(96 年、高崎市)、CAF 展(97 年、2002 年埼玉県立美術館)、こころみの(2016 年、ノイエス朝日)、前橋の美術 2017(アーツ前橋)など。昨年、第 67 回群馬県展において最高位の山﨑種二記念特別賞を受賞した(作品名『創造回帰ーいつか見た風景ー』)。群馬県美術会理事、前橋美術会理事、前橋市民展運営委員。

「創造回帰ーいつか見た風景ー」(2016 年)

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