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May, 2008 287 技術資料(資料編) PMMA シート- 住友化学株式会社 メタアクリル事業部 住化アクリル販売株式会社

Pmma 技術資料(資料編)mt04

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技術資料(資料編) -PMMAシート-

住友化学株式会社 メタアクリル事業部

住化アクリル販売株式会社

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資料編 目 次

5 環境適合設計................................................................................................................................ 289

5.1 PMMAの LCI............................................................................................................................. 290

6 取得認定書..................................................................................................................................... 292

6.1ポリオレフィン等合成樹脂食品容器包装等に関する自主規制基準の確認登録.............................. 292

6.2 米国 UL規格の登録(住友化学ファイル No.E54705) .............................................................. 292

6.3 ISO9002(品質システム審査登録証) ............................................................................................. 294

6.4 環境マネジメントシステム審査登録制度(ISO14001) 登録証 ............................................... 296

7 スミペックスの使用上の注意......................................................................................................... 299

7.1 溶剤に対する注意 ....................................................................................................................... 299

7.2 傷、破損に対する注意 ................................................................................................................ 299

7.3 熱に対する注意........................................................................................................................... 300

7.4 アクリルシートの掃除 ................................................................................................................ 300

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5 環境適合設計 環境問題に対応する材料が重要な時代となった。スミペックスは、この時代に適応してユーザー

にとって環境上の配慮のある設計が必要である。 環境上の設計上の配慮は、それぞれの用途、使用方法や要求性能また経済性などに応じて多様で

あり、個別材料への実際上の適用はこれからの課題として、現在さまざまな試みがなされており、

一般的な設計のガイドは、すでに検討されている。 米国 APC(American Plastics Council)では Designing for the Environmentとして環境上の配

慮を行うための設計上のガイドラインを出している(1997)。 また環境に関する標準化の分野で積極的に検討され、国際的な分野では ISO ガイド 64 ” Guide

for the inclusion of environmental aspects in products standards”(1997)-JIS Q 0064: 1998「製品規格への環境側面の導入するための指針」が一致規格)が発行されている。この規格はあらゆる

製品の原料から生産、使用、廃棄までの過程における一般的な環境上の配慮のためのガイドである。 特定分野のものとしては IEC* ガイド 109「環境側面-電気・電子製品規格への導入」(1995)

が発行されており、この中の環境適合設計(DFE、Design for Environment)には特にプラスチック材料による環境上の設計のガイドが詳述されている。

* IEC:International Electrotechnical Commission、国際電気標準会議 またプラスチックのユーザーの環境上への配慮は近年急速になされており、特に電気・電子分野

や車両分野で著しい。スミペックス材料の使用にあたっては次のガイドが環境上の配慮の一環とし

て参考になる。

IEC ガイド 109:「環境側面-電気・電子製品規格への導入」(1995)」 (英和対訳版あり:日本規格協会)

一般的な製品の環境影響を判断するための包括的な手段は LCA(ライフサイクルアセスメント)や LCI(ライフサイクルインベストメント)である。これはまだ発展中の手法であるがメーカーは考慮する必要があるとしている。PMMAの LCIのデータは欧州で出されている。 これからは LCIのデータがある材料が重視されると考えられる。 さらに DFEについては:

付属書 C「電子・電子機器産業のための環境適合設計(DFE)の原則の手引き」の中のプラスチック設計に関する重要なガイドがある(この付属書は上記 JIS Q 0064の付属書 B(参考)にも収録されている)。

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プラスチック(スミペックス)の環境のための設計に有用な事項 (主に射出成形品に適用されるが、板にも用途に応じて適用される加工部品がある。)

C.1 分解及びリサイクル性のための設計 i. スナップ嵌めが分解・組み立てによい。

ii. 溶剤接着が熱可塑性樹脂のリサイクルに理想的である。 iii. 接着剤接合は材料の品質と再利用に影響があり、再考の必要がある。 iv. 同種の材料による組み立て部品の熱/超音波接合が環境的に許容可能な方法である。 v. ボルトナットの使用は悪影響の場合があり、スプリングクリップがよい。

vi. 塗装は避ける。 vii. 埋め込みねじの挿入は避ける。

viii. 設計の優先順位 1) ライフサイクルの延長 2) 材料量低減 3) 材料のリサイクル 4) 廃棄処分

C.2 プラスチック部品のための設計基準・概念

i. 最適で滑らかな壁厚の変化、大まかな丸味と抜き勾配の設計する。 ii. 重いリブより幅の狭いリブを多数使用し、材料を節約する。

iii. ボスを使用する。 iv. ガゼットを利用する。 v. 金属インサートは避ける。

vi. マーキング・ラベリングをつけて識別を容易にする。

5.1 PMMAの LCI

プラスチック製品の環境への負荷を評価する環境影響評価(LCA)のための環境影響の基礎データである LCI(Life Cycle Investment)のデータは、ヨーロッパの AMPE(欧州プラスチック製造者協会)及び日本(プラスチック処理促進協会)において調査されている。PMMA についてはAMPEの報告しかない。

LCIのデータは、原料(石油、天然ガス、電力、水など)から製品及び廃棄にいたるまでの環境への負荷のデータを示すもので、製品の投入物量、投入エネルギー消費量、大気・排水・固形廃棄

物としての環境への負荷/放出などである。 石油化学製品の LCIでは代表的なプラスチックであるHDPE, LDPE, PP, PS, PVC, PET/bottle,

EPSP, PMMAの LCIデータが調査公表されている。このうち PMMAについては、日本の調査は行われておらず AMPEのものしかない。

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これらのデータにより樹脂ごとの環境への負荷や他の材料との比較ができる。製品の環境への負

荷はできるだけ少ないほうが望ましいが、LCIのデータは製造される地理的条件、調査時期、製造者などにより異なるので、環境への影響評価にあたってはこれらの要素を充分認識した上で行わな

ければならない。 従って報告書のデータのみで意味のある評価を行うことは難しい。 すなわち例えば、PMMA の透過率は高く照明看板の場合、看板に必要な光、エネルギーは小さ

くなり、長期の使用ではエネルギーがかなり小さくなるなど、比較には関係する全システムを考え

る必要がある。 これらの諸データの内、PMMA のプラスチック製造までの累積消費エネルギー原単位の他樹脂

との比較データは表 94の通りである。PMMAは汎用樹脂に比して大きい。なお汎用樹脂などの日欧の比較では日本の方が 15%から 30%エネルギーが小さい。

表94 プラスチック製造 1kg当りの所要エネルギー

MJ/樹脂 kg PMMA

ビーズ PMMA 板

LDPE HDPE PP PS EPS PVC PETボトル

全エネルギー AMPE

111.71

133.38

* 82.98~

**88.55

80.98

80.03

86.28

82.08

***50.23 ~

61.15

83.81

全エネルギー 処理協

69.2

65.72

68.03

68.57

72.23

**** 45.42

60.08

* :LL ** :LD *** :エネルギー源製法で異なる ****:サスペンション法

注1:PMMAのデータは、青酸とメタンとアンモニアから生産され、これから作られるアセトンシアンヒドリン

とメタノールからMMAモノマーが作られるものと仮定されている。 注2:環境への放出物としては、副生硫酸は回収されて系外にはでない。 注3:PMMAは、元のモノマーに容易にリサイクルされるのが他のプラスチックと異なる特徴である。 注4:欧州と日本の平均データの比較では、日本が 15%から 30%程度小さい。

環境への影響へはエネルギーに加えて製造までの CO2、SO2、NOXなどの放出物及び最終廃棄物

の処理などを総合的に評価する LCAが必要である。

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6 取得認定書

スミペックスの取得している法的または民間機関の認証は次の通りである。

6.1 ポリオレフィン等合成樹脂食品容器包装等に関する自主規制基準の確認登録

①登録番号

[A] MZa-5005-L スミペックス 000, 006, 007 次ページに確認証明書のコピーを示す。 6.2 米国 UL規格の登録(住友化学ファイル No.E54705)

品種 色 最小厚さ(mm) ULのクラス

スミペックス ALL 1.5 HB スミペックス AS ALL 1.5 HB スミペックス CX、CE ALL 1.5 HB スミペックスWT、MT ALL 1.5 HB スミペックス E ALL 1.5 HB スミペックス GT ALL 1.5 HB スミエレック II 000、915 NC 1.5 HB スミエレック FT200 NC 1.0-2.0 HB スミペックス EMR 100 NC 1.0 HB スミペックス EMR 200 NC 1.0 HB

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6.3 ISO9002(品質システム審査登録証)

ISO9002

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6.4 環境マネジメントシステム審査登録制度(ISO14001) 登録証

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7 スミペックスの使用上の注意

スミペックスを安全にお使いいただくために、取り扱い使用に際しては、製品安全性データシート

(MSDS)を事前に必ずお読みください。 スミペックスはメタアクリル樹脂です。メタアクリル樹脂は熱可塑性、可燃性、有機溶剤可溶性樹脂

です。取り扱いには、下記の注意事項をお守りください。 -成形品のメンテナンス- スミペックスは、ガラスに比べ光線透過率が高く、特に衝撃強度が高いので安全性に優れ、また

熱成形、接着、機械加工が容易であるなどの特徴を持ったアクリル樹脂である。しかしその反面、

表面がガラスに比べ柔らかいため、キズがつきやすく、また有機溶剤におかされやすい欠点を持っ

ている。従って、スミペックスの取り扱いについては、次の点に注意が必要である。特に塗装など

に際しては、スプレー法は避けて刷毛塗りにするなど留意する。

7.1 溶剤に対する注意

すべての溶剤を近づけないことが好ましく、特にトリオール、各種速乾性シンナーに多く含まれ

る芳香族系の溶剤、酢酸エチルなどのエステル類、アセトンなどのケトン系の溶剤によりクレージ

ングが発生しやすく、著しいときには大きなクラックに成長することもある。これらの溶剤は塗料、

各種プライマー、接着剤、コーティング剤には大抵含まれており、これらの溶剤が直接はもちろん、

蒸気もアクリルに接触しないように注意する必要がある。 これに対する養生の方法としては、例えば厚手のポリエチレンシートを少なくとも二重にして密

封し、更にアクリルパネルの応力の集中する部分や弱い部分である接着部(主として長いパネルの

中心部やコーナー部)をマスキングテープなどで養生しておくなどの方法がある。

7.2 傷、破損に対する注意

アクリルはガラスに比べ、破壊しにくい反面、柔らかくキズがつきやすいので充分な注意が必要ある。

アクリル面は鉄材はもちろん、木材、アルミ材などでもキズがつく。 これに対する養生の方法としては、例えばアクリル全面に発泡シートを貼り、この上にクラフト

紙などのマスキングを貼る。なお水槽用途などでは、更に外側をコンパネで保護する方法がある。

軽いキズはプラスチック用研磨剤(奥野製薬品など)をネルにつけて丹念にこすればとれる。

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7.3 熱に対する注意

アクリル板は熱可塑性樹脂の一種で加熱すると軟化し、変形を起こす。使用温度は常用で 80℃以下である。また加熱されると、その後の冷却収縮によりアクリル板内部に内部応力が発生し、クレー

ジングの原因になることもある。このため、溶接の火玉、煙草の火、照明のライト、特にスポット

ライト、研磨バフによる摩擦熱、その他の熱源には充分な注意が必要である。特に局部加熱による

残留応力に注意がいる。 これらの現場における対策としては、例えばコンパネなどで完全にアクリル面を覆うなどの方法

がある。

7.4 アクリルシートの掃除

アクリルシートの表面にホコリ、ゴミ、油脂などが付着した場合の除去方法としては、柔らかい

スポンジを使い、きれいな水を流しながら洗い流す。油脂などが取れにくいときは、液体の中性洗

剤(例えばマイペット)を水でうすめ、柔らかいスポンジで拭くなどの方法がある。 またテープを貼ったあとの粘着剤をとるためにシンナーなどを用いると激しいひび割れが起こ

ることがあるので、絶対にシンナーなどの溶剤を用いないようにする。水溶性の糊のついた紙テー

プが貼りついた場合にはぬるま湯をガーゼなどの柔らかい布につけてこするとはがれるが、ガム

テープの糊(粘着剤)などのように剥離しにくいときは、ノルマルヘキサンで拭く。 また、プラスチック研磨剤(奥野製薬品など)を布につけてこすりとるのも安全な方法である。 “マイペット”に代わるものとしては、(株)リンレイ製“リンレイクリーナー”及び花王石鹸

製“ファミリーフレッシュ”などの溶剤を含まない洗剤を希釈して使用し、洗浄後の水洗を充分行う(水

洗が不充分で残留洗剤が蓄積すると、クレージングが発生することがある)。