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患者安全のために 私たちにできる事 笑顔のおうちクリニック松戸 院長・学習システム開発 まつもと たかひろ

患者安全のためにあなたの組織で出来ること

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Page 1: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

患者安全のために 私たちにできる事

笑顔のおうちクリニック松戸

院長・学習システム開発

まつもと たかひろ

Page 2: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

自己紹介

• 元・麻酔科医、現・在宅医療クリニック院長

• 笑顔のおうち 患者安全財団 設立準備中

• 以下、ご参照

– 「患者安全とノンテクニカルスキルの話」 • http://syg-webmagazine.com/patientsafety.html

– Slideshare • http://www.slideshare.net/matstaro

– Facebook • https://www.facebook.com/matsumoto.takahiro

2

Page 3: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

現状分析

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Page 4: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

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Page 5: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

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高速鉄道に乗って、まさか 事故にあうはずはない

Page 6: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

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Page 7: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

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登山・バンジージャンプだと 事故があるかも?

Page 8: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

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Page 9: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

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入院すると、あなたは 安全ですか?

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医療はどれほど危険か? (Leapeより改変)

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1 10 100 1000 10000 100000 1000000 10000000

危険

(>1/1000)

やや危険 超安全

(<1/100K)

バンジー

ジャンプ

登山

運転

化学工場

チャーター便

定期便

航空機

欧州鉄道

原子力発電

危険率(何人に1人遭遇するか)

年間死亡者総数

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Page 11: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

あなたが自動車を運転する方が あなたが入院するよりも死亡率が低い

1. ほとんどそう思わない(0)

2. あまりそう思わない(20/100)

3. ややそう思わない(40/100)

4. ややそう思う(60/100)

5. かなりそう思う(80/100)

6. とてもそう思う(100)

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Page 12: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

医療はどれほど危険か? (Leapeより改変)

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1 10 100 1000 10000 100000 1000000 10000000

1: 危険・

死者多数 3:まあ安全・

死者かなり

5:超安全・

死者少数

2: 危険・

死者少数 4: まあ安全・死者少数

危険率(何人に1人遭遇するか)

年間死亡者総数

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Page 13: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

医療は、どれほど安全ですか?

1. 危険・死者多数

2. 危険・死者少数

3. まあ安全・死者かなり

4. まあ安全・死者少数

5. 超安全・死者少数

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医療は危険 (Leapeより改変)

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1 10 100 1000 10000 100000 1000000 10000000

危険

(>1/1000)

まあまあ

超安全

(<1/100K)

医療

バンジー

ジャンプ

登山

運転

化学工場

チャーター便

定期便

航空機

欧州鉄道

原子力発電

危険率(何人に1人遭遇するか)

年間死亡者総数

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数字は、 米国科学アカデミー 医学研究所の推計値

Page 15: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

医療は危険 (Leapeより改変)

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1 10 100 1000 10000 100000 1000000 10000000

危険

(>1/1000)

まあまあ

超安全

(<1/100K)

医療

バンジー

ジャンプ

登山

運転

化学工場

チャーター便

定期便

航空機

欧州鉄道

原子力発電

危険率(何人に1人遭遇するか)

年間死亡者総数

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日本では 医療事故調査会(森功ら)が 年間死亡数が3万人から4万人と推定

推定:日本の医療

Page 16: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

あなたの病院では、 患者安全な実践ができている

1. ほとんどそう思わない(0)

2. あまりそう思わない(20/100)

3. ややそう思わない(40/100)

4. ややそう思う(60/100)

5. かなりそう思う(80/100)

6. とてもそう思う(100)

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Page 17: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

英国議会の患者安全報告

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全部は 無理でも、 最初の要約 部分(約30頁)だけでも

お読み ください。

Page 18: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

英国医療では、 安全第一の業界

(航空業など)に比べ、

安全技能が、 容認出来ないほど 遅れている(56頁など)

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Page 19: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

SGD:少人数グループ議論

• 2人組をつくります

– 最後の1組が3人組でもOK

• 話合い内容のメモを残してください。

– 発表

– 後日の利用

• 議論時間は通常、5分程度です。

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Page 20: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

SGD:あなたの所属・部門では 患者安全な実践ができているか?

• あなたの所属・部門の患者安全な実践の例を挙げてみましょう。

• あなたの所属・部門の患者安全が危険な実践の例をあげてみましょう。

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Page 21: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

議論結果:あなたの所属・部門では 患者安全な実践ができているか?

• あなたの所属・部門の患者安全な実践の例を挙げてみましょう。

• あなたの所属・部門の患者安全が危険な実践の例をあげてみましょう。

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Page 22: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

あなたの所属・部門では、 患者安全な実践ができている

1. ほとんどそう思わない(0)

2. あまりそう思わない(20/100)

3. ややそう思わない(40/100)

4. ややそう思う(60/100)

5. かなりそう思う(80/100)

6. とてもそう思う(100)

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Page 23: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

あなたの所属・部門では患者安全な実践ができているか、分析したい

1. ほとんどそう思わない(0)

2. あまりそう思わない(20/100)

3. ややそう思わない(40/100)

4. ややそう思う(60/100)

5. かなりそう思う(80/100)

6. とてもそう思う(100)

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Page 24: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

提案

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Page 25: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

3つの提案:あなたの医療機関での 患者安全な組織創りのために

1.責めない文化をはぐくもう

2.KAIZENの実践

3.振り返り会話の支援者養成

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Page 26: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

責めない文化をはぐくもう

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Page 27: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

職場で患者安全のモンダイ生じたら その事例の原因分析している

1. ほとんどそう思わない(0)

2. あまりそう思わない(20/100)

3. ややそう思わない(40/100)

4. ややそう思う(60/100)

5. かなりそう思う(80/100)

6. とてもそう思う(100)

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Page 28: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

新人の日々

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Page 29: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

症例検討会は 自分の失敗責められて

辛かった

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Page 30: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

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ついに、世界保健機関 (WHO) が 患者安全教育を推進しはじめた

Page 31: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

「非難の文化(Blame Culture)」は、 医療における失敗と間違い

• パーソン・アプローチ

– インシデントが発生すると問題の患者の診療に直接関与した人物を特定して責任を負わせ、非難する問題解決方法

• 医療分野では「非難する」ことが問題解決のための一般的な方法であった。

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非難の文化は、医療を改善する上で 大きな制約のひとつ

(WHO患者安全カリキュラムガイド多職種版 99頁)

Page 32: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

以下の資料を読んで下さい (約10分間)

• WHO患者安全カリキュラムガイド 多職種版 85-86頁 表B-1

• WHO患者安全カリキュラムガイド 多職種版 99-100頁

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Page 33: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

SGD:あなたの所属・部門の事例分析は、 「当事者を責めない」か?

• あなたの所属・部門での患者安全事例分析

– 「当事者を責めない」実践例

• 「当事者を責めない」事例分析の効果は?

– 事例分析を嫌がるスタッフが減った

– スタッフが自発的に事例を提示するようになった

33

Page 34: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

議論結果:あなたの所属・部門の 事例分析は、「当事者を責めない」か? • あなたの所属・部門での患者安全事例分析

– 「当事者を責めない」実践例

• 「当事者を責めない」事例分析の効果は?

– 事例分析を嫌がるスタッフが減った

– スタッフが自発的に事例を提示するようになった

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Page 35: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

患者安全事例分析の場では、 「責めない文化」に基づいている

1. ほとんどそう思わない(0)

2. あまりそう思わない(20/100)

3. ややそう思わない(40/100)

4. ややそう思う(60/100)

5. かなりそう思う(80/100)

6. とてもそう思う(100)

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Page 36: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

提案:責めない文化ができているか?

• 中堅者の役割

– 自分の患者安全事例を提示

– 若手が学べる場を創る

• 責めない文化ができている指標

– 若手が自ら事例を提示する場ができている

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Page 37: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

あなたの部署では、若手が自発的に 検討したい事例を提示する

1. ほとんどそう思わない(0)

2. あまりそう思わない(20/100)

3. ややそう思わない(40/100)

4. ややそう思う(60/100)

5. かなりそう思う(80/100)

6. とてもそう思う(100)

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Page 38: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

小まとめ1:責めない文化

• 事例検討にもお作法が必要

– 事例検討を責める場にしない

– 事例検討を避ける雰囲気を変える

• 「患者安全への大きな壁」:責める文化

– パーソンアプローチを止めよう

38

Page 39: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

患者安全をめざして、「責めない文化」を あなたの部署で創りたい

1. ほとんどそう思わない(0)

2. あまりそう思わない(20/100)

3. ややそう思わない(40/100)

4. ややそう思う(60/100)

5. かなりそう思う(80/100)

6. とてもそう思う(100)

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Page 40: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

KAIZENの実践

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Page 41: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

SGD:あなたの部門での患者安全会議は どんな結論で終わっていますか?

• あなたの部門での患者安全会議の結論の例

• その「患者安全会議」の後、患者安全は促進したか?

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Page 42: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

議論結果:あなたの部門での 患者安全会議はどんな結論?

• あなたの部門での患者安全会議の結論の例

• その「患者安全会議」の後、患者安全は促進したか?

42

Page 43: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

あなたの部署での「患者安全会議」後は、 患者安全が明らかに改善する

1. ほとんどそう思わない(0)

2. あまりそう思わない(20/100)

3. ややそう思わない(40/100)

4. ややそう思う(60/100)

5. かなりそう思う(80/100)

6. とてもそう思う(100)

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Page 44: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

以下の資料を読んで下さい

• WHO患者安全カリキュラムガイド 多職種版 177-8頁

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Page 45: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

SGD:あなたの部門での患者安全会議は 「品質改善手法」使ってますか?

• 達成しようとしていることは何か明らかですか?

• 変更が改善につながったか、どうやって判断するか明かにしていますか?

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Page 46: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

議論結果:あなたの部門での 患者安全会議は「品質改善手法」利用?

• 達成しようとしていることは何か明らかですか?

• 変更が改善につながったか、どうやって判断するか明かにしていますか?

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Page 47: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

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Page 48: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

WHO患者安全カリキュラムガイド ここが凄い!!

• 改善科学を応用

– 従来のカリキュラム書ではない

• 改善科学

– 医療以外の業界での「Kaizen」で実証された科学

– デミングの理論を応用

• 是非、皆さんの施設でも「改善科学」を

– 患者安全改善策の必要性分析

– 実施、評価、再計画のサイクル

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学校だけでなく医療施設でも WHOカリキュラムガイドを使って患者安全を

(東京医科大学 医学教育のサイトでダウンロードできます。)

Page 49: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

これまでの医療の「科学性探求」

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新人

中堅 熟達者

医療科学的な発展追究

時間

科学的レベル

Page 50: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

患者安全のために、新たな「科学」を

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新人

中堅 熟達者

医療科学

時間

科学的レベル

中堅 熟達者

改善科学の 追究

Page 51: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

小まとめ2:KAIZENの実践

• 「気をつけましょう会議」で終わらない活動 – 変えられることを変える

– 変わったと判ることに向き合う

• 品質改善アプローチを応用しよう – PDSAサイクル

– 1回の会議で終わらない活動

– 結果として、何かが変わる活動へ

• WHO患者安全カリキュラムガイドを使おう – 改善科学の応用

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Page 52: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

「振り返り会話」の支援者養成

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Page 53: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

社会人になって、あなたの学び方。 主に「教科書」を読破している

1. ほとんどそう思わない(0)

2. あまりそう思わない(20/100)

3. ややそう思わない(40/100)

4. ややそう思う(60/100)

5. かなりそう思う(80/100)

6. とてもそう思う(100)

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Page 54: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

社会人になって、あなたの学び方。 主に「講習会」で聞いている

1. ほとんどそう思わない(0)

2. あまりそう思わない(20/100)

3. ややそう思わない(40/100)

4. ややそう思う(60/100)

5. かなりそう思う(80/100)

6. とてもそう思う(100)

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Page 55: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

どうして、私たちは学ぶのか

55

学びは失敗と結びついている。 失敗しても学ばない人は

その子孫を生き残らせることはできない。 (p16, Teaching Minds)

Page 56: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

56

「上手くいかない自分」 「失敗する他人を見た」 「上手くいく他人の真似」

Page 57: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

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「上手くいかない自分」 「失敗する他人を見た」 「上手くいく他人の真似」

「学習しなきゃ」 「面白そう」

Page 58: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

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「上手くいかない自分」 「失敗する他人を見た」 「上手くいく他人の真似」

「学習しなきゃ」 「面白そう」

失敗しなくなる。成功する

変化・開発

Page 59: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

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「上手くいかない自分」 「失敗する他人を見た」 「上手くいく他人の真似」

「学習しなきゃ」 「面白そう」

失敗しなくなる。成功する

変化・開発

Page 60: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

「失敗をなくす/成功するために学ぶ」という考え方、納得ですか?

1. ほとんどそう思わない(0)

2. あまりそう思わない(20/100)

3. ややそう思わない(40/100)

4. ややそう思う(60/100)

5. かなりそう思う(80/100)

6. とてもそう思う(100)

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Page 61: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

ある指導者が講義をすると

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この教育・訓練の成果は?

講義では、エビデンスに基づく内容でもその聴衆の約6%しか、信念の変化を起こさない (Vaughan, 1977, Teaching of Psychology, 4 , 138-141. )

Page 62: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

講習会の参加者ビフォー・アフター

62

講習会前

講習会後

Page 63: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

カークパトリックの 研修効果の4段階

1.反応

研修参加者の満足度 (アンケート調査など)

2.学習 受講者の知識理解度や学習到達度 (筆記試験や実技試験)

3.行動変容 現場での行動変化 (インタビューや他者評価)

4.結果 組織の業績向上 (医療過誤減少,病院内死亡減少)

63

Page 64: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

64

こんな講義の効果は、 カークパトリックの4レベルの

どの程度でしょうか?

Page 65: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

こんな講義の効果は、 カークパトリックの4レベルの

どの程度でしょうか?

1. レベル不明

2. レベル1:満足度あり

3. レベル2:試験合格

4. レベル3:現場で行動変化

5. レベル4:患者安全促進

1

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Page 66: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

講習会の参加者ビフォー・アフター

66

講習会前

講習会後

こんな講習会の効果は、 カークパトリックの4レベルの

どの程度でしょうか?

Page 67: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

こんな講習会の効果は、 カークパトリックの4レベルの

どの程度でしょうか?

1. レベル不明

2. レベル1:満足度あり

3. レベル2:試験合格

4. レベル3:現場で行動変化

5. レベル4:患者安全促進

1

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Page 68: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

68

「学習しなきゃ」 「面白そう」

失敗しなくなる。成功する

変化・開発

これは、理論上の「学習」

Page 69: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

69

「学習しなきゃ」 「面白そう」

失敗しなくなる。成功する

変化・開発

これは、理論上の「学習」

患者安全な医療実践には、 どのような「学習」が 求められますか?

Page 70: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

70

「学習しなきゃ」 「面白そう」

Page 71: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

71

「学習しなきゃ」 「面白そう」

興味あるけど、 飛びつかないと、

ゲットできないにゃぁ~

Page 72: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

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「学習しなきゃ」 「面白そう」

この程度の「学習」の医療者は、 患者さんに何かいいことできますか?

興味あるけど、 飛びつかないと、

ゲットできないにゃぁ~

Page 73: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

73

「学習しなきゃ」 「面白そう」

この程度の「学習」の医療者は、 患者さんに何かいいことできますか?

興味あるけど、 飛びつかないと、

ゲットできないにゃぁ~

「勉強になりましたぁ~」と、 心が動いただけで、

現場で、もっと患者安全に実践出来なきゃ、 患者さんは困る

Page 74: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

SGD:現場で活かす学び

• 教育・訓練したことが、少なくとも現場で応用されるようにする工夫はありますか?

• 教育・訓練の成果として、組織の患者安全実践が改善したと認確する工夫はありますか?

74

Page 75: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

議論結果:現場で活かす学び

• 教育・訓練したことが、少なくとも現場で応用されるようにする工夫はありますか?

• 教育・訓練の成果として、組織の患者安全実践が改善したと認確する工夫はありますか?

75

Page 76: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

カークパトリック・レベル3以上の 教育・訓練成果を求める工夫が必要

1. ほとんどそう思わない(0)

2. あまりそう思わない(20/100)

3. ややそう思わない(40/100)

4. ややそう思う(60/100)

5. かなりそう思う(80/100)

6. とてもそう思う(100)

0

0

0

0

0

0

1

2

3

4

5

6

1 2 3 4 5 6

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Page 77: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

二次救命処置コース後の成果は?

77

1.反応

研修参加者の満足度 (アンケート調査など)

2.学習 受講者の知識理解度や学習到達度 (筆記試験や実技試験)

3.行動変容 現場での行動変化 (インタビューや他者評価)

4.結果 組織の業績向上 (医療過誤減少,病院内死亡減少)

二次救命処置コースの現場成果を追求しましょう

楽しいICLS

AHA ACLS

CPRの質は低い

CPR後退院率不変

Page 78: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

学習成果達成に責任をもつ 学習支援を

78

Page 79: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

79

学習者に言葉を返すだけで、

学習者は目標達成できますか

※△◎~ (フィードバックのつもり)

Page 80: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

実践

振り返り

より良い実践

振り返り (フィードバック・デブリーフィング)は、

重要な学習方法

80

学習科学を用いて 学習成果達成に責任をもつ学習支援者になろう

Page 81: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

「振り返り」は学習方法

プロフェッショナルは実践を 振り返って学ぶ(D ショーン)

振り返りがなければ、実践は修正されない(第47章)

81

Page 82: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

学習達成効果のある「振り返り」

82

• インストラクター・コンピテンシー – インストラクターコンピテ

ンシーの医療者教育への応用、医療職の能力開発;1:41-52,2011、篠原出版新社

• フィードバック・デブリーフィング – 医療者が学習や教育に

フィードバック・デブリーフィングを役立てるために、医療職の能力開発;2:25-34,2013、篠原出版新社

Page 83: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

シミュレーションだけでは不足

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Page 84: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

暗黙知と形式知

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Page 85: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

暗黙知と形式知

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暗黙知

形式知

Page 86: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

86

Page 87: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

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シミュレーション

デブリーフィング

Page 88: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

シナリオを実施させればいいのか?

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暗黙知

形式知

シナリオ5

シナリオ4

シナリオ3

シナリオ2

シナリオ1

たくさんシナリオ体験したけど

言葉にならない 「暗黙知」を得た

だけだなぁ

Page 89: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

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シミュレーションだけでは暗黙知のまま

暗黙知を形式知へ変化させる デブリーフィングが必要

Page 90: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

【私見】 シミュレーションは

デブリーフィングなしでは暗黙知を与えるだけ

90

Page 91: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

振り返り技能としてのデブリーフィング

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Page 92: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

デブリーフィング応用例:軍隊

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Page 93: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

93

Page 94: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

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水はH2O分子で構成される →水の構造化(見える化)

デブリーフィングを見える化したもの →構造化デブリーフィング

Page 96: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

GAS method

• Gather information

– まず「どう感じましたか?」:気持ちを抜く(vent)

– 客観的データを集める

• Analysis of information

– 長所、得意なこと→何故出来るのか

– 改善の余地→改善策を探る

• Summary for the next practice

– 強み:次回どう活かすか

– 改善点:次回もっとよくするには

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Page 97: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

デブリーフィングの練習方法

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Page 98: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

デブリーフィング訓練:自分の体験

従来のデブリーフィング訓練 訓練の実際

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情報収集

情報分析

まとめ

• 多くの方々が、情報収集と分析にほとんどの時間を費やす

• まとめに到達するのは希

Page 99: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

【私見】見える振り返り

(構造化デブリーフィング)の特徴 • 手順に従って(効率的)

– GAS method、GREAT method

• 強みを活かす(魅力的)

– 長所・得意なことを抽出し、さらなる発展へ

– 短所・改善の余地を分析し、改善策模索

• 長所>>短所

• 次に活かすまとめで終わる(効果的)

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Page 100: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

デブリーフィング訓練:新提案 Goal Oriented Debriefing

training method (GOD-tm) 従来のデブリーフィング訓練 新提案の逆順序訓練

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まとめ •Summary

情報

解析 •analysis

情報

収集 •Gather information

情報収集

情報分析

まとめ

Page 101: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

デブリーフィング(DeB)訓練:1段階目

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デブリーフィング実施

はい

DeBゴールに到達 しましたか?

DeBゴール到達の練習 例1)ゴール到達を例示 例2)チェックリスト使用

いいえ

次の似た状況で、よりよい実践が出来るには、何をすれば良いか言う。

第2段階

Page 102: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

デブリーフィング(DeB)訓練:2段階目

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デブリーフィング実施

はい

DeBは「強み」に 焦点を置いたか?

「強み」を分析する練習 例1)上手く出来たことを

抽出させる 例2)チェックリスト使用

いいえ

「何故上手くできたか」を失敗よりも多い項目で、分析している

第1段階

第3段階

Page 103: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

デブリーフィング(DeB)訓練:3段階目

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デブリーフィング実施

はい

客観的データを 集めたか

「客観的データ」収集練習 例1)ビデオ記録

例2)思い出話を使わない いいえ

「何が起こったか?」 ビデオやモニター数値を情報収集している。

第1段階

第2段階

DeB3段階練習

Page 104: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

Goal Oriented Debriefing training method (GOD-tm)

GOD-tm 試行開始 新提案の逆順序訓練

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まとめ

情報

解析

情報

収集

• デブリーフィングのゴールに達成が容易になりました。

• まとめにつながる情報の収集・分析が容易になりました

効果的・効率的・魅力的な 「振り返り会話」(デブリーフィング)は練習で実践可能です

Page 105: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

振り返り会話(デブリーフィング) 支援者の在り方

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(出典:医療職の能力開発 vol.2, 25-34, 2013)

デブリーフィング支援者 デブリーフィング実践者

Page 106: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

振り返り会話支援者の練習したい

1. ほとんどそう思わない(0)

2. あまりそう思わない(20/100)

3. ややそう思わない(40/100)

4. ややそう思う(60/100)

5. かなりそう思う(80/100)

6. とてもそう思う(100)

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3

4

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Page 107: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

自ら振り返って学ぶ学習者へ育つ

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Page 108: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

108

ある環境に置かれると、人は環境から学ぶ

Page 109: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

109

ある環境に置かれると、人は環境から学ぶ

Page 110: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

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ある環境に置かれると、人は環境から学ぶ

知識 技術

教育:環境から抜き出した事柄を与える

Page 111: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

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ある環境に置かれると、人は環境から学ぶ

知識 技術

教育:環境から抜き出した事柄を与える

与える教育では、自ら学べるか不明

Page 112: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

112

ある環境に置かれると、人は環境から学ぶ

教えてもらわないと、環境から学べない人に なってませんか?

知識 技術

教育:環境から抜き出した事柄を与える

与える教育では、自ら学べるか不明

Page 113: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

患者安全な自律学習を促す

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Page 114: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

学習者自立のための学習方法 デブリーフィング

114

知識技術だけの講習会

シミュレーション教育

+デブリーフィング→

Page 115: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

学習者自立のための学習方法 デブリーフィング

臨床現場で患者安全を目指す

115

知識技術だけの講習会

シミュレーション教育

+デブリーフィング→

Page 116: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

学習者自立のための学習方法 デブリーフィング

臨床現場で患者安全を目指す

116

患者安全な医療学習者の自立を デブリーフィングで支援しましょう

知識技術だけの講習会

シミュレーション教育

+デブリーフィング→

Page 117: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

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老子

授人以魚 不如授人以漁 (魚を与えるのでなく、魚の釣り方を教えろ)

Page 118: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

患者安全な実践者を養成するために、 学び方「デブリーフィング」習得の場を

欲しい魚を与えても、食べて終わり

魚の釣り方を学ぶと一生食べられる

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Teach him how to fish and you feed him for a lifetime.

Give a man a fish and you feed him for a day,

Page 119: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

教えられるのを待つ医療者から 自ら学ぶ医療者への発展が重要

1. ほとんどそう思わない(0)

2. あまりそう思わない(20/100)

3. ややそう思わない(40/100)

4. ややそう思う(60/100)

5. かなりそう思う(80/100)

6. とてもそう思う(100)

1

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4

5

6

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Page 120: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

小まとめ3: 振り返り会話の支援者養成

• カークパトリック・レベル3以上の教育効果を

– 講習会の満足度だけでは患者安全効果不明

• 「振り返り」は重要な学習方法

– 実践でも振り返りが鍵

– シミュレーション教育の効果を高める

• 「振り返り会話」訓練方法がある

– 振り返り会話の支援者養成を

– 将来、自律的学習者が育つように

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Page 121: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

実践計画を立てよう

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Page 122: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

SGD:実践計画

• 今日の話題から、あなたの部署での実践計画を立てましょう。 – 責めない文化を創る計画

– Kaizenの実践計画

– 振り返り会話支援者養成の計画

• 実践計画の鍵 – ワーキング・グループの結成

– 練習会の実施

– 事例検討会の開催

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Page 123: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

議論結果:実践計画

• 今日の話題から、あなたの部署での実践計画を立てましょう。 – 責めない文化を創る計画

– Kaizenの実践計画

– 振り返り会話支援者養成の計画

• 実践計画の鍵 – ワーキング・グループの結成

– 練習会の実施

– 事例検討会の開催

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Page 124: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

参考資料

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Page 125: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

配布・参考資料1

• 配布資料

– WHO患者安全カリキュラムガイド 多職種版 85-86頁 表B-1、99-100頁

– WHO患者安全カリキュラムガイド 多職種版 177-178頁

• 参考資料

– 英国の国会「患者安全」レポート

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Page 126: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

配布・参考資料2

• 患者安全とは?(What Is Patient Safety?) – http://youtu.be/BJP2rvBchnE

• 病院の患者安全スコア(Your Hospital's Safety Score) – http://youtu.be/4Xn5Gxj7PgI

• 病院で安全に過ごすには (What You Can Do to Stay Safe in the Hospital) – http://youtu.be/qY6OtJUtcHQ

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Page 127: 患者安全のためにあなたの組織で出来ること

配布・参考資料3

• インストラクターコンピテンシーの医療者教育への応用、医療職の能力開発;1:41-52,2011、篠原出版新社

• 医療者が学習や教育にフィードバック・デブリーフィングを役立てるために、医療職の能力開発;2:25-34,2013、篠原出版新社

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