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基礎 TDU 東京電機大学東京千住 東京電機大学東京千住 東京電機大学東京千住 東京電機大学東京千住 第12回環境設備賞 第12回環境設備賞 第12回環境設備賞 第12回環境設備賞 応募代表 応募代表 応募代表 応募代表 株式会社日建設計 株式会社日建設計 株式会社日建設計 株式会社日建設計 共同応募 共同応募 共同応募 共同応募 学校法人東京電機大学、株式会社槇総合計画事務所 学校法人東京電機大学、株式会社槇総合計画事務所 学校法人東京電機大学、株式会社槇総合計画事務所 学校法人東京電機大学、株式会社槇総合計画事務所 共同応募 共同応募 共同応募 共同応募 東洋熱工業株式会社、株式会社日建設計総合研究所 東洋熱工業株式会社、株式会社日建設計総合研究所 東洋熱工業株式会社、株式会社日建設計総合研究所 東洋熱工業株式会社、株式会社日建設計総合研究所 本キスは、訪れる 者使う者試す者識る 者学ぶ者地域にまう 者など、多くの者に「開か れた大学」を目指している。 また、理工系大学ク スの省CO2を実現させる ために様々な最新技術を導 入しており、意匠ザイ と設備技術の融合は必要 可欠であった。連結式縦型 蓄熱槽は最新技術の象徴と して、入念な検討の結果、 独創的なアイアにより実 現したものである。 ■コセ コセ コセ コセ 工場で製の縦型蓄熱槽 ■建築概要 ■建築概要 ■建築概要 ■建築概要 建物名称 東電機大学 東千キス 所在地 東都足立区千旭町5番 統括意匠設計 (株)槇総合計画務所 設備構造設計 (株)日建設計 施工 友商(株) 施工協力 (株)大林組、鹿島建設(株) 敷地面積 約26,200m 延床面積 約72,600m (全棟合計) 学生数 約5,000名(教職員含め5,500名) ■各棟の用途 各棟の用途 各棟の用途 各棟の用途 1号館 キスのイ棟:地域連携施設、実験室、研究室 教員室、法本部、大学本部、大など 2号館 教育棟:図書館、般教室、LAN教室など 3号館 学生厚生施設:食堂、部室、育館など 4号館 専門研究棟:特殊な排水処理や排気処理が必要な実験室 研究室および教員室など 蓄熱槽の多くが建物の地躯により製されるため、外観を見ることはできない。 また工期の長期化や、環境負荷およびコス増加といった課題もある。連結式縦型蓄 熱槽は、地部に設置されるため外観を見ることができるだけでなく、様々な が得られる。 連結式縦型蓄熱槽の 連結式縦型蓄熱槽の 連結式縦型蓄熱槽の 連結式縦型蓄熱槽の ①見えることによる高いア力 ②施工性の良さによる工期短縮 ③工期短縮による環境負荷減 ④工場製による安定した高い品質 ⑤災害時の水源()としての利用 ⑥高い蓄熱槽効率 ⑦節電および電力負荷平準化効果 ■界初の ■界初の ■界初の ■界初の連結式縦型蓄熱槽 連結式縦型蓄熱槽 連結式縦型蓄熱槽 連結式縦型蓄熱槽 撮影:アキォ北嶋俊治 撮影:アキォ北嶋俊治 撮影:アキォ北嶋俊治 撮影:アキォ北嶋俊治 東側 第5槽目 第5槽目 第5槽目 第5槽目 (( ( 39.1m 39.1m 39.1m 39.1m3 33 3 )) 第4槽目 第4槽目 第4槽目 第4槽目 (( ( 42.3m 42.3m 42.3m 42.3m3 33 3 )) 第3槽目 第3槽目 第3槽目 第3槽目 (( ( 42.3m 42.3m 42.3m 42.3m3 33 3 )) 第2槽目 第2槽目 第2槽目 第2槽目 (( ( 44.9m 44.9m 44.9m 44.9m3 33 3 )) 第1槽目 第1槽目 第1槽目 第1槽目 (( ( 49.5m 49.5m 49.5m 49.5m3 33 3 )) 平面図 RF 14F 13F 西側 排煙窓 氷水 氷水 氷水 氷水 槽槽 冷温 冷温 冷温 冷温 水槽 水槽 水槽 水槽 EV 調 ■連結式縦型蓄熱槽 屋外空間(吹抜け) 各階に空調用を分散 設置するにより使用電力 (搬送動力)を削減しています。 現在置 現在置 現在置 現在置 現在置 現在置 現在置 現在置 ( (( (高さ 高さ 高さ 高さ 47.6 47.6 47.6 47.6 m) m) m) m) 1F ( (( (高さ 高さ 高さ 高さ 59.6 59.6 59.6 59.6 m) m) m) m) 2F 3F 4F 5F 6F ( (( (高さ 高さ 高さ 高さ 19.6 19.6 19.6 19.6 m) m) m) m) 7F 8F 9F 10F ( (( (高さ 高さ 高さ 高さ 39.6 39.6 39.6 39.6 m) m) m) m) 11F 合計容量 合計容量 合計容量 合計容量 218.1m 218.1m 218.1m 218.1m3 33 3 昼間の電力負荷軽減のため、翌日使用する空調用の冷水や温水を前日の夜間に め蓄えておくためのタクです。(これを蓄熱式空調シスと言います) 5基のタクを縦に連結した形をしており、氷水槽と冷温水槽の2系統があります。 氷水槽は、夏期は0℃の氷水、冬期は7℃の冷水を貯めています。 冷温水槽は、夏期は2℃の冷水、冬期は35℃の温水を貯めています。 タク内の水は、災害時にイの洗浄水としても活用できます。 ■見える蓄熱槽で、環境性、ザイ性をア ■見える蓄熱槽で、環境性、ザイ性をア ■見える蓄熱槽で、環境性、ザイ性をア ■見える蓄熱槽で、環境性、ザイ性をア 4号館の吹抜け空間に設置された縦型蓄熱槽(連結部) 鉄骨梁に懸垂された縦型蓄熱槽を見げる。固定箇所が少ない ため、空に浮いているかのような印象をえる。 1号館の廊よりガス越しに見える縦型蓄熱槽。 ■災害時の水源として活用 ■災害時の水源として活用 ■災害時の水源として活用 ■災害時の水源として活用 ●イ洗浄用水源としての利用 イ洗浄用水源としての利用 イ洗浄用水源としての利用 イ洗浄用水源としての利用 ●消防用水としての利用 消防用水としての利用 消防用水としての利用 消防用水としての利用 高差による 水頭圧のみで 給水可能 ■電力負荷平準化効果および節電効果 ■電力負荷平準化効果および節電効果 ■電力負荷平準化効果および節電効果 ■電力負荷平準化効果および節電効果 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000 90,000 100,000 110,000 120,000 130,000 140,000 150,000 160,000 170,000 180,000 190,000 200,000 延床面積[㎡] CO2排出量[t-CO2/㎡] 医療系大学 理工系大学 文系大学 東京千住キ 医療系 を持つ 大学 医療系 医療系 を持つ を持つ 大学 大学 理工系 大学 理工系 理工系 大学 大学 文系 大学 文系 文系 大学 大学 東京千住キャンパス 47.2 kg-CO2/㎡ 東京千住キャンパス 東京千住キャンパス 47.2 47.2 kg kg-CO CO2/㎡ CO2排出量原単位 [kg-CO2/m 2 ] 目標値 35.0 kg-CO2/㎡ 目標値 目標値 35 35.0 kg kg-CO CO2/㎡ ●電力負荷平準化効果 ●電力負荷平準化効果 ●電力負荷平準化効果 ●電力負荷平準化効果 熱源電力夜間移行率 熱源消費電力の6割を夜間に移行 電力需要の大きい、6月~9月の13~16時の間は熱源を完全停止 熱源を完全停止 熱源を完全停止 熱源を完全停止 ●分散方式の採用で省電力 分散方式の採用で省電力 分散方式の採用で省電力 分散方式の採用で省電力 都内大学とのCO2原単比較 CO2排出量 原単 47.2kg 47.2kg 47.2kg 47.2kg-CO CO CO CO2/年 次エギ消費量 原単 1,204MJ/ 1,204MJ/ 1,204MJ/ 1,204MJ/年 ■環境設備ザイ評価表 ■環境設備ザイ評価表 ■環境設備ザイ評価表 ■環境設備ザイ評価表 ■高い蓄熱槽効率 ■高い蓄熱槽効率 ■高い蓄熱槽効率 ■高い蓄熱槽効率 設計時に行ったCFD解析 ●死水による効率の心配なし 死水による効率の心配なし 死水による効率の心配なし 死水による効率の心配なし 縦長形状により温度成層を形成しやすい 式蓄熱槽と比べ高い蓄熱槽効率 陣笠形整流板 キスの心に置する広場は流の場を、 2階で全棟が繋がるジは立的な 回遊性をもたらす 北側外観 北側外観 北側外観 北側外観 央のケキ木沿に街みを展開するキス 撮影:アキォ北嶋俊治 撮影:アキォ北嶋俊治 撮影:アキォ北嶋俊治 撮影:アキォ北嶋俊治 撮影:アキォ北嶋俊治 撮影:アキォ北嶋俊治 撮影:アキォ北嶋俊治 撮影:アキォ北嶋俊治 ■施工性の良さ ■施工性の良さ ■施工性の良さ ■施工性の良さ工期短縮 工期短縮 工期短縮 工期短縮環境負荷減 環境負荷減 環境負荷減 環境負荷減 ■利用蓄熱槽 採用例が最も多い CFD解析など設計が煩雑 地掘削のため工期が長い ●シな シな シな シな固定 固定 固定 固定方法 方法 方法 方法 建物との固定は重心置に設置した4本の腕のみ 縦型蓄熱槽から延びる腕を 鉄骨梁に固定した状態 重心で固定 鉄骨梁が捻れる 重心より部で固定 鉄骨梁の捻じれを防ぐ ■自立式縦型蓄熱槽 建屋とは別に現場で築造 大きな基礎と敷地が必要 ■連結式縦型蓄熱槽 界初の例 吹抜けに設置する連結式の蓄熱槽 地掘削がないため工期短縮が可能 が起動で が起動で が起動で が起動で きなくても きなくても きなくても きなくても、縦 蓄の 蓄の 蓄の 蓄の水頭圧で 水頭圧で 水頭圧で 水頭圧で イが流せる が流せる が流せる が流せる! 理工系大学 理工系大学 理工系大学 理工系大学 クスの省 クスの省 クスの省 クスの省CO CO CO CO2 実現 実現 実現 実現! 連結式縦型蓄熱槽断面図 連結式縦型蓄熱槽断面図 連結式縦型蓄熱槽断面図 連結式縦型蓄熱槽断面図 陣笠形整流板により 陣笠形整流板により 陣笠形整流板により 陣笠形整流板により 非常にきれいな温度 非常にきれいな温度 非常にきれいな温度 非常にきれいな温度 成層を形成 成層を形成 成層を形成 成層を形成! 巨大な縦型蓄熱槽は 巨大な縦型蓄熱槽は 巨大な縦型蓄熱槽は 巨大な縦型蓄熱槽は、省CO CO CO CO2エコキ エコキ エコキ エコキ スの象徴 スの象徴 スの象徴 スの象徴。説明きで省エ技術を 説明きで省エ技術を 説明きで省エ技術を 説明きで省エ技術を ア! ●掘削量削減 掘削量削減 掘削量削減 掘削量削減で工期短縮 工期短縮 工期短縮 工期短縮 連結式縦型蓄熱槽は、都市部での採用を容易に するため、自立式縦型蓄熱槽のスス、景観 の問題を解決した界初の技術 施工性の良さで 施工性の良さで 施工性の良さで 施工性の良さで、環境負荷だ 環境負荷だ 環境負荷だ 環境負荷だ けでなくコスも減 けでなくコスも減 けでなくコスも減 けでなくコスも減! 現場施工のない完全工場生産 現場施工のない完全工場生産 現場施工のない完全工場生産 現場施工のない完全工場生産 で安定した高い品質を確保 で安定した高い品質を確保 で安定した高い品質を確保 で安定した高い品質を確保! 通広場から見たキス 通広場から見たキス 通広場から見たキス 通広場から見たキス キスザと公道に架かる キスザと公道に架かる キスザと公道に架かる キスザと公道に架かる2本のジ 本のジ 本のジ 本のジ 全棟を繋ぐ共同溝 全棟を繋ぐ共同溝 全棟を繋ぐ共同溝 全棟を繋ぐ共同溝 電力 電力 電力 電力空調 空調 空調 空調消火配管が通る 消火配管が通る 消火配管が通る 消火配管が通る 1号館屋庭園 号館屋庭園 号館屋庭園 号館屋庭園 撮影:アキォ北嶋俊治 撮影:アキォ北嶋俊治 撮影:アキォ北嶋俊治 撮影:アキォ北嶋俊治 普通 優て 卓越し てい 小計 +1 +2 □評価項目に対す設計者の意図 (従前のに比較し、優てい部分、卓越してい部分に 関して具体的に記述してください。) □評価項目 D.経済軸 (LCC) Life Cycle Cost 19耐久性 20LCC 17ランニングコスト 18維持管理 06機能性 除外 除外 除外 □特に 重視した の視点 2 1 1 2 2 0 1 1 □自己評価欄 15先進性 16イニシャルコスト 2 11環境負荷 12資源消費 13地域環境性 14ユニバーサル性 0 07効率性 08利便性 09安全性 10先導性 0 2 2 2 2 2 2 2 2 02調和性 05完成度 01審美感 C.社会軸 (環境) Environment B.機能軸 (技術) Technology 2 A.感性軸 (造形) Form 03独創性 04象徴性 外装材の鋼板、巨大さ連結部の複雑さ、周囲の配管など、理工系大学のに すな印象与えこと意図してい。 連結式縦型蓄熱槽は外気取入用吹抜け空間に設置さ、周囲の鋼材外壁に調和した仕上げで、 建物と一体化してい。た、落ち着いた配色とし、隣接す住宅街と周辺環境の調和図ってい。 連結式の縦型蓄熱槽は世界初の事例であ、建物の固定方法、連結部、廊下かの見え方など初 ての試について技術的課題追求した結果、全てにおいて独創的なとなった。 見た目の性は機能追求した結果であ、省CO2としての 効果、将来の環境設備技術者育成す理工系大学としての教育啓発効果など意図してい。 なであなが、こ以上に足すの引くのなく、建築との一体感実現させた。 外装のには様々なが考えことか、他用途の建築で可能であ。 蓄熱槽としての機能(冷熱、温熱なく蓄え、なく吐き出す)は大変高く、躯体式の蓄熱槽と比 較して蓄熱槽効率が高い。水頭圧用いた災害時の水源として活躍す。 連結式縦型蓄熱槽有す本空調は、大学の特徴であ不規則な熱の需要に対して、高効率 維持した熱供給が可能なであ、非常に高効率であ。 世界初の懸垂式の連結式縦型蓄熱槽は、1号館では5連結、4号館では3連結のうに、建物形状に合 せ連結の本数自由に変更でき優た機能面持つ。 熱源機効率が向上す外気温度が低い夜間に蓄熱行うた省であ。た、水頭圧が建 物屋上付近にあた動力が小さくて済省であ。 使用材料は、鉄(蓄熱槽本体)始とす金属、(保温材)など、再利用が可能 な材料がとどであ。たな形状のた解体容易であ。 使いすく目的に合致していが、本項目は機器製品意図す項目と思た「除外」とす 地震時の揺対策のた、5層の蓄熱槽の個々で建物の鉄骨梁に固定してお、安全性に優てい 。た、蓄熱槽内の水災害時の水源として活用し、安全性向上に役立ってい。 蓄熱槽としての構造的な耐久性十分備え、外装は鋼板であ耐候性あ。耐用年数は 建物寿命と同等かそ以上であた、更新の必要はない。 は抑え、安価な夜間電力が利用でき上、省運用が図 た安価で、維持費外観の補修程度であた、LCCの抑制実現してい。 地球環境に配慮すではあが、評価の意図が異なと思た「除外」とす。 他用途の建築で通用すであが、評価の意図が異なと思た「除外」とす。 大学の特徴であ不規則な熱の需要に対して、高効率維持した熱製造熱供給が可能な空調 であ、熱源と個別空調の特徴兼ね備えた先進性の高いであ。 地下躯体利用した蓄熱槽に比掘削費削減でき、残土処分費削減でき。更に工場生産に 削減図ってい。 夜間に蓄熱行うた安価な夜間電力料金が適用さ運用費が抑え。蓄熱時は、熱源機器が最 効率が高い状態で運転可能であた、省運転ができ、削減が図。 蓄熱槽内外面には樹脂施してい。特別なは必要なく、敢えて言え の補修程度であが、基本はであ。可動部がないた、故障という概念はない。

TDU 東京電機大学東京千住カメヱハシ - abee.or.jpabee.or.jp/designaward/past/12/docs/19.pdf基礎 TDU東京電機大学東京千住カメヱハシ 第12回環境ヹ設備ヅゴアヱ賞

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Page 1: TDU 東京電機大学東京千住カメヱハシ - abee.or.jpabee.or.jp/designaward/past/12/docs/19.pdf基礎 TDU東京電機大学東京千住カメヱハシ 第12回環境ヹ設備ヅゴアヱ賞

基礎

TDU 東京電機大学東京千住キャンパス東京電機大学東京千住キャンパス東京電機大学東京千住キャンパス東京電機大学東京千住キャンパス

第12回環境・設備デザイン賞第12回環境・設備デザイン賞第12回環境・設備デザイン賞第12回環境・設備デザイン賞 応募代表応募代表応募代表応募代表 :::: 株式会社日建設計株式会社日建設計株式会社日建設計株式会社日建設計

共同応募共同応募共同応募共同応募 :::: 学校法人東京電機大学、株式会社槇総合計画事務所学校法人東京電機大学、株式会社槇総合計画事務所学校法人東京電機大学、株式会社槇総合計画事務所学校法人東京電機大学、株式会社槇総合計画事務所

共同応募共同応募共同応募共同応募 :::: 東洋熱工業株式会社、株式会社日建設計総合研究所東洋熱工業株式会社、株式会社日建設計総合研究所東洋熱工業株式会社、株式会社日建設計総合研究所東洋熱工業株式会社、株式会社日建設計総合研究所

本キャンパスは、訪れる

者・使う者・試す者・識る

者・学ぶ者・地域に住まう

者など、多くの者に「開か

れた大学」を目指している。

また、理工系大学トップク

ラスの省CO2を実現させる

ために様々な最新技術を導

入しており、意匠デザイン

と設備技術の融合は必要不

可欠であった。連結式縦型

蓄熱槽は最新技術の象徴と

して、入念な検討の結果、

独創的なアイデアにより実

現したものである。

■■■■コンセプトコンセプトコンセプトコンセプト

工場で製作中の縦型蓄熱槽

■建築概要■建築概要■建築概要■建築概要

建物名称 東京電機大学 東京千住キャンパス

所在地 東京都足立区千住旭町5番他

統括・意匠設計 (株)槇総合計画事務所

設備・構造設計 (株)日建設計

施工 住友商事(株)

施工協力 (株)大林組、鹿島建設(株)

敷地面積 約26,200m2

延床面積 約72,600m2

(全棟合計)

学生数 約5,000名(教職員含め5,500名)

■■■■各棟の用途各棟の用途各棟の用途各棟の用途

1号館

キャンパスのメイン棟:地域連携施設、実験室、研究室

教員室、法人本部、大学本部、大ホールなど

2号館教育棟:図書館、一般教室、LAN教室など

3号館学生厚生施設:食堂、部室、体育館など

4号館

専門研究棟:特殊な排水処理や排気処理が必要な実験室

研究室および教員室など

蓄熱槽の多くが建物の地下躯体により製作されるため、外観を見ることはできない。

また工期の長期化や、環境負荷およびコスト増加といった課題もある。連結式縦型蓄

熱槽は、地上部に設置されるため外観を見ることができるだけでなく、様々なメリッ

トが得られる。

連結式縦型蓄熱槽のメリット連結式縦型蓄熱槽のメリット連結式縦型蓄熱槽のメリット連結式縦型蓄熱槽のメリット

①見えることによる高いアピール力

②施工性の良さによる工期短縮

③工期短縮による環境負荷低減

④工場製作による安定した高い品質

⑤災害時の水源(トイレ)としての利用

⑥高い蓄熱槽効率

⑦節電および電力負荷平準化効果

■世界初の■世界初の■世界初の■世界初の連結式縦型蓄熱槽連結式縦型蓄熱槽連結式縦型蓄熱槽連結式縦型蓄熱槽

撮影:アーキフォト北嶋俊治撮影:アーキフォト北嶋俊治撮影:アーキフォト北嶋俊治撮影:アーキフォト北嶋俊治

東側

第5槽目第5槽目第5槽目第5槽目

(((( 39.1m39.1m39.1m39.1m

3333

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第4槽目第4槽目第4槽目第4槽目

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第1槽目第1槽目第1槽目第1槽目

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平面図

RF

14F

13F

西側

廊下

排煙窓

氷水氷水氷水氷水

槽槽槽槽

冷温冷温冷温冷温

水槽水槽水槽水槽

EV

調

■■■■ 連連連連 結結結結 式式式式 縦縦縦縦 型型型型 蓄蓄蓄蓄 熱熱熱熱 槽槽槽槽

屋外空間(吹抜け)

PPPP

各階に空調用ポンプを分散

設置する事により使用電力

(搬送動力)を削減しています。

現在位置現在位置現在位置現在位置

現在位置現在位置現在位置現在位置

((((高さ高さ高さ高さ47.6

47.647.647.6m)

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10F ((((高さ高さ高さ高さ39.6

39.639.639.6m)

m)m)m)

11F

合計容量合計容量合計容量合計容量

218.1m218.1m218.1m218.1m

3333 ・昼間の電力負荷軽減のため、翌日使用する空調用の冷水や温水を前日の夜間に

予め蓄えておくためのタンクです。(これを蓄熱式空調システムと言います)

・5基のタンクを縦に連結した形をしており、氷水槽と冷温水槽の2系統があります。

・氷水槽は、夏期は0℃の氷水、冬期は7℃の冷水を貯めています。

・冷温水槽は、夏期は2℃の冷水、冬期は35℃の温水を貯めています。

・タンク内の水は、災害時にトイレの洗浄水としても活用できます。

■見える蓄熱槽で、環境性、デザイン性をアピール■見える蓄熱槽で、環境性、デザイン性をアピール■見える蓄熱槽で、環境性、デザイン性をアピール■見える蓄熱槽で、環境性、デザイン性をアピール

4号館の吹抜け空間に設置された縦型蓄熱槽(連結部)

鉄骨梁に懸垂された縦型蓄熱槽を見上げる。固定箇所が少ない

ため、中空に浮いているかのような印象を与える。

1号館の廊下よりガラス越しに見える縦型蓄熱槽。

■災害時の水源として活用■災害時の水源として活用■災害時の水源として活用■災害時の水源として活用

●●●●トイレ洗浄用水源としての利用トイレ洗浄用水源としての利用トイレ洗浄用水源としての利用トイレ洗浄用水源としての利用

●●●●消防用水としての利用消防用水としての利用消防用水としての利用消防用水としての利用

高低差による

水頭圧のみで

給水可能

■電力負荷平準化効果および節電効果■電力負荷平準化効果および節電効果■電力負荷平準化効果および節電効果■電力負荷平準化効果および節電効果

0

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延床面積[㎡]

CO2排出

量[t-CO2/㎡

]

医療系大学

理工系大学

文系大学

東京千住キャンパス

医療系

を持つ

大学

医療系医療系

を持つを持つ

大学大学

理工系

大学

理工系理工系

大学大学

文系

大学

文系文系

大学大学

東京千住キャンパス

47.2 kg-CO2/㎡

東京千住キャンパス東京千住キャンパス

47.247.2 kgkg--COCO22//㎡㎡

CO2排出

量原

単位

[kg-CO2/

m

2

]

目標値

35.0 kg-CO2/㎡

目標値目標値

3535..00 kgkg--COCO22//㎡㎡

●電力負荷平準化効果●電力負荷平準化効果●電力負荷平準化効果●電力負荷平準化効果

・熱源電力夜間移行率 ⇒ 熱源消費電力の6666割割割割を夜間に移行

・電力需要の大きい、6月~9月の13~16時の間は熱源を完全停止熱源を完全停止熱源を完全停止熱源を完全停止

●●●●分散ポンプ方式の採用で省電力分散ポンプ方式の採用で省電力分散ポンプ方式の採用で省電力分散ポンプ方式の採用で省電力

都内他大学とのCO2原単位比較

CO2排出量

原単位

47.2kg47.2kg47.2kg47.2kg----COCOCOCO2222////㎡・年㎡・年㎡・年㎡・年

一次エネルギー消費量

原単位

1,204MJ/1,204MJ/1,204MJ/1,204MJ/㎡・年㎡・年㎡・年㎡・年

■環境・設備デザイン評価表■環境・設備デザイン評価表■環境・設備デザイン評価表■環境・設備デザイン評価表

■高い蓄熱槽効率■高い蓄熱槽効率■高い蓄熱槽効率■高い蓄熱槽効率

設計時に行ったCFD解析

●●●●死水による効率低下の心配なし死水による効率低下の心配なし死水による効率低下の心配なし死水による効率低下の心配なし

・縦長形状により温度成層を形成しやすい ⇒ ピット式蓄熱槽と比べ高い蓄熱槽効率

陣笠形整流板

キャンパスの中心に位置する広場は交流の場を、

2階レベルで全棟が繋がるブリッジは立体的な

回遊性をもたらす

北側外観北側外観北側外観北側外観 中央のケヤキ並木沿に街並みを展開するキャンパス

撮影:アーキフォト北嶋俊治撮影:アーキフォト北嶋俊治撮影:アーキフォト北嶋俊治撮影:アーキフォト北嶋俊治

撮影:アーキフォト北嶋俊治撮影:アーキフォト北嶋俊治撮影:アーキフォト北嶋俊治撮影:アーキフォト北嶋俊治

■施工性の良さ■施工性の良さ■施工性の良さ■施工性の良さ⇒⇒⇒⇒工期短縮工期短縮工期短縮工期短縮⇒⇒⇒⇒環境負荷低減環境負荷低減環境負荷低減環境負荷低減

■ピット利用蓄熱槽

採用事例が最も多い

CFD解析など設計が煩雑

地下掘削のため工期が長い

●●●●シンプルなシンプルなシンプルなシンプルな固定固定固定固定方法方法方法方法

・建物との固定は重心位置に設置した4本の腕のみ

縦型蓄熱槽から延びる腕を

鉄骨梁に固定した状態

重心で固定

鉄骨梁が捻れる

重心より上部で固定

鉄骨梁の捻じれを防ぐ

■自立式縦型蓄熱槽

建屋とは別に現場で築造

大きな基礎と敷地が必要

■連結式縦型蓄熱槽

世界初の事例

吹抜けに設置する連結式の蓄熱槽

地下掘削がないため工期短縮が可能

ポンプが起動でポンプが起動でポンプが起動でポンプが起動で

きなくてもきなくてもきなくてもきなくても、、、、縦縦縦縦

蓄の蓄の蓄の蓄の水頭圧でト水頭圧でト水頭圧でト水頭圧でト

イレイレイレイレが流せるが流せるが流せるが流せる!!!!

理工系大学トップ理工系大学トップ理工系大学トップ理工系大学トップ

クラスの省クラスの省クラスの省クラスの省COCOCOCO2222をををを

実現実現実現実現!!!!

連結式縦型蓄熱槽断面図連結式縦型蓄熱槽断面図連結式縦型蓄熱槽断面図連結式縦型蓄熱槽断面図

陣笠形整流板により陣笠形整流板により陣笠形整流板により陣笠形整流板により

非常にきれいな温度非常にきれいな温度非常にきれいな温度非常にきれいな温度

成層を形成成層を形成成層を形成成層を形成!!!!

巨大な縦型蓄熱槽は巨大な縦型蓄熱槽は巨大な縦型蓄熱槽は巨大な縦型蓄熱槽は、、、、省省省省COCOCOCO2222エコキャンパエコキャンパエコキャンパエコキャンパ

スの象徴スの象徴スの象徴スの象徴。。。。説明パネル付きで省エネ技術を説明パネル付きで省エネ技術を説明パネル付きで省エネ技術を説明パネル付きで省エネ技術を

アピールアピールアピールアピール!!!!

●●●●掘削量削減掘削量削減掘削量削減掘削量削減でででで工期短縮工期短縮工期短縮工期短縮

・連結式縦型蓄熱槽は、都市部での採用を容易に

するため、自立式縦型蓄熱槽のスペース、景観

の問題を解決した世界初の技術

施工性の良さで施工性の良さで施工性の良さで施工性の良さで、、、、環境負荷だ環境負荷だ環境負荷だ環境負荷だ

けでなくコストも低減けでなくコストも低減けでなくコストも低減けでなくコストも低減!!!!

現場施工のない完全工場生産現場施工のない完全工場生産現場施工のない完全工場生産現場施工のない完全工場生産

で安定した高い品質を確保で安定した高い品質を確保で安定した高い品質を確保で安定した高い品質を確保!!!!

交通広場から見たキャンパス交通広場から見たキャンパス交通広場から見たキャンパス交通広場から見たキャンパス

キャンパスプラザと公道に架かるキャンパスプラザと公道に架かるキャンパスプラザと公道に架かるキャンパスプラザと公道に架かる2222本のブリッジ本のブリッジ本のブリッジ本のブリッジ 全棟を繋ぐ共同溝全棟を繋ぐ共同溝全棟を繋ぐ共同溝全棟を繋ぐ共同溝

電力電力電力電力・・・・空調空調空調空調・・・・消火配管が通る消火配管が通る消火配管が通る消火配管が通る

1111号館屋上庭園号館屋上庭園号館屋上庭園号館屋上庭園

撮影:アーキフォト北嶋俊治撮影:アーキフォト北嶋俊治撮影:アーキフォト北嶋俊治撮影:アーキフォト北嶋俊治

普通

優れて

いる

卓越し

ている

小計

0 +1 +2

□評価項目に対する設計者のデザイン意図

(従前のデザインに比較し、優れている部分、卓越している部分に

関して具体的に記述してください。)

□評価項目

D.経済軸

(LCC)

Life Cycle

Cost

19耐久性

20LCC

17ランニングコスト

18維持管理

06機能性

除外

除外

除外

□特に

重視した

デザイン

の視点

○ 2

1

1

2

2

0

1○

1

□自己評価欄

15先進性

16イニシャルコスト

○ 211環境負荷

12資源消費

13地域環境性

14ユニバーサル性

0

07効率性

08利便性

09安全性

10先導性 ○

0

2

2

2

○ 2

2

2

2

○ 2

02調和性

05完成度

01審美感

C.社会軸

(環境)

Environment

B.機能軸

(技術)

Technology

2

A.感性軸

(造形)

Form

03独創性

04象徴性

外装材のガルバリウム鋼板、巨大さや連結部の複雑さ、周囲の配管など、理工系大学のイメージにマッ

チするメカニカルな印象を与えることを意図している。

連結式縦型蓄熱槽は外気取入れ用吹抜け空間に設置され、周囲の鋼材や外壁に調和した仕上げで、

建物と一体化している。また、落ち着いた配色とし、隣接する住宅街と周辺環境の調和を図っている。

連結式の縦型蓄熱槽は世界初の事例であり、建物への固定方法、連結部、廊下からの見え方など初め

ての試みについて技術的課題を追求した結果、全てにおいて独創的なデザインとなった。

見た目のインパクトやデザイン性は機能を追求した結果であり、省CO2エコキャンパスとしてのアピール

効果、将来の環境設備技術者を育成する理工系大学としての教育・啓発効果なども意図している。

シンプルなデザインでありながら、これ以上に足すものも引くものもなく、建築との一体感を実現させた。

外装のデザインには様々なパターンが考えられることから、他用途の建築でもマッチング可能である。

蓄熱槽としての機能(冷熱、温熱をロスなく蓄える、ロスなく吐き出す)は大変高く、躯体式の蓄熱槽と比

較しても蓄熱槽効率が高い。水頭圧を用いた災害時の水源としても活躍する。

連結式縦型蓄熱槽を有する本空調システムは、大学の特徴である不規則な熱の需要に対して、高効率

を維持したまま熱供給が可能なシステムであり、非常に高効率である。

世界初の懸垂式の連結式縦型蓄熱槽は、1号館では5連結、4号館では3連結のように、建物形状に合

わせ連結の本数を自由に変更できる優れた機能面を持つ。

熱源機効率が向上する外気温度が低い夜間に蓄熱を行うため省エネルギーである。また、水頭圧が建

物屋上付近にあるためポンプ動力が小さくても済み省エネルギーである。

使用材料は、鉄(蓄熱槽本体)を始めとする金属、ポリスチレンフォーム(保温材)など、再利用が可能

な材料がほとんどである。またシンプルな形状のため解体も容易である。

使いやすく目的に合致しているが、本項目は機器や製品を意図する項目と思われるため「除外」とす

る。

地震時の揺れ対策のため、5層の蓄熱槽の個々で建物の鉄骨梁に固定しており、安全性に優れてい

る。また、蓄熱槽内の水を災害時の水源として活用し、安全性向上に役立っている。

蓄熱槽としての構造的な耐久性を十分備え、外装はガルバニック鋼板であり耐候性もある。耐用年数は

建物寿命と同等かそれ以上であるため、更新の必要はない。

イニシャルコストは抑えられ、ランニングも安価な夜間電力が利用できる上、省エネルギー運用が図れ

るため安価で、維持費も外観の補修程度であるため、LCCの抑制を実現している。

地球環境に配慮するシステムではあるが、評価の意図が異なると思われるため「除外」とする。

他用途の建築でも通用するシステムであるが、評価の意図が異なると思われるため「除外」とする。

大学の特徴である不規則な熱の需要に対して、高効率を維持したまま熱製造・熱供給が可能な空調シ

ステムであり、セントラル熱源と個別空調の特徴を兼ね備えた先進性の高いシステムである。

地下躯体を利用した蓄熱槽に比べ掘削費を削減でき、残土処分費も削減できる。更に工場生産による

コスト削減を図っている。

夜間に蓄熱を行うため安価な夜間電力料金が適用され運用費が抑えられる。蓄熱時は、熱源機器が最

も効率が高い状態で運転可能であるため、省エネルギー運転ができ、ランニングコスト削減が図れる。

蓄熱槽内外面にはエポキシ樹脂コーティングを施している。特別なメンテは必要なく、敢えて言えばコー

ティングの補修程度であるが、基本はメンテフリーである。可動部がないため、故障という概念はない。