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1 Page 1 Oracle Application Serv g Oracle Developer Suite g 機能概要 OracleAS ProcessConnect 概要

Oracle Application Server 10 g Oracle Developer …otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/CoreTechAS_Process...Internet Apps Portals Wireless Business Intelligence e-Business Integration

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Page 1

Oracle Application Server 10gOracle Developer Suite 10g

機能概要

OracleAS ProcessConnect概要

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Page 2

はじめに

目的

システム統合を実現するOracleAS IntegrationのモジュールであるOracleAS ProcessConnectの概念を理解する

システム統合に関する一般的な概念およびProcessConnectの位置付けと重要な概念、機能概要の説明

内容

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アジェンダ

システム統合概要

OracleAS Integration

OracleAS ProcessConnect概要

本資料のアジェンダは以下の構成になっています。

1.システム統合概要

 ここでは、システム統合に関する一般的な説明をします。

2.OracleAS Integration

 ここでは、OracleAS Integrationの位置付けについて説明します。

3.OracleAS ProcessConnect概要

 本資料のメイントピックとなります。

 ここでは、OracleAS IntegrationのモジュールであるProcessConnectの概要を説明します。

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アジェンダ

システム統合概要インテグレーションとは?シ ス テ ム 統 合 を 必 要 と す る ケ ー スP2P 統 合 と ハ ブ & ス ポ ー クシ ス テ ム 統 合 の レ ベ ル ( デ ー タ 統 合 ⇒ プロセス統合)

OracleAS Integration

OracleAS ProcessConnect概要

まずシステム統合概要ということで、一般的なシステム統合のことについて説明します。

ここでは、以下のトピックについて説明します。

(1) インテグレーションとは?

(2) システム統合を必要とするケース

(3) P2P統合とハブ&スポーク

(4) システム統合のレベル(データ統合 ⇒ プロセス統合)

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インテグレーション(システム統合)とは?� 企業内外のデータ、アプリケーション、プロセスなどを統合すること

EAIインター

ネット サ プ ラ イ ヤ

B2B企業内システム

ポータル

CRM

SCM/MFG

レガシー(会計)

ユ ー ザ イ ン タ ー フ ェ ー ス

インテグレーション(システム統合)とは、企業内外のデータ、アプリケーション、プロセスを統合することです。

例えば企業内だけでも、独立に動作している様々なアプリケーション、システムがありますが、これらを連携させることにより、全体を一つのシステムとして活用することができるようになります。

近年では、企業内のシステム、アプリケーションを連携させるEAIのみならず、Internetを経由して取引先のシステムとB2B取引を行うといったニーズも出てきています。

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システム統合を必要とするケース1.部 門 毎 で 導 入 し た 個 々 の シ ス テ ム を 統 合 2.PKGで足りない部分を他で補う。その部分と統合

3.企 業 の 合 併 。 両 社 の シ ス テ ム を 統 合 4.取 引 先 の シ ス テ ム と 統 合 し て 業 務 効 率 を 向 上

・・・

HUB

営 業 部 門 サービス部 門

業 務 シ ス テ ム ERP 発 注 シ ス テ ム

新 規 開 発サブシステム

HUB

企 業A

企 業B

HUB

HUB

調 達 シ ス テ ム

Internet

サプライヤ

システム統合を必要とするケースがいくつか考えられますので、このことについて説明します。

1.部門毎に導入した個々のシステムを統合

 例えば営業部門でSFAを導入し、サービス部門でCRMのサービス製品を導入したとします。

 これらが基幹系業務システムと連携していない場合、システム統合ニーズが発生するでしょう。

2.パッケージで足りない部分を補う。その部分と統合

 例えば全社的に基幹業務システム再構築というプロジェクトが発生した場合に、まず導入を考えるの はERPパッケージということになるでしょう。

 ERPパッケージの利点は、ベストプラクティスとして提供される業務フローにあるわけですが、これが  100%企業の業務にマッチするとは限りません。

 このような問題を解決する手段はいくつかあるのですが、その中で、新規にサブシステムを開発したり 他のパッケージで補うという場合もあることでしょう。

 これらを有機的に統合して、一つのシステムにしたいというニーズが発生するケースが考えられます。

3.企業の合併。両者のシステムを統合

 本来であればこのような場合、システム再構築を検討するべきだと思いますが、一部の業務に関して は、両方のシステムを統合するというケースが考えられます。

4.取引先のシステムと統合して業務効率を向上

 インターネットの普及に伴い、これを企業間の取引で利用したいというニーズも高まってきています。  またRosettaNetなど企業間で取引を行うための標準的な規格も、除々に整備されてきています。

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システム統合:Point to Point(P2P)型

レガシー

コスト、メンテナンス、管理の面で問題あり

� P2P統合の特徴– 統 合 の 手 法 が 多 岐 に 渡 る

– プログラミング中心的

– シ ス テ ム 全 体 が 複 雑 に な る

1対1ならば問題なし

レガシー

多岐にわたると...

レガシー

レガシー

システム統合の場合、大きくわけて2つの手法があります。

一つ目は、Point to Point(P2P)型の統合手法です。

この手法の場合、統合の数が少なければそれほど問題は少ないのですが、統合するシステムの数が多くなればなるほど、デメリットが多くなります。

P2P統合の特徴としては、まず統合の手法が多岐に渡るということがあげられます。

例えば、システムAとシステムB間はプログラミングで、CとDの間はゲートウェイ製品を使ってなどというように、統合手法に一貫性が保てなくなるケースが少なくありません。

また、過去に作った連携のプログラムを流用するという場合もあり、結果的にプログラミング中心的になるというのもこの手法の特徴です。

このようになった場合、システム全体が非常に複雑化するために、導入のコスト、メンテナンス、管理の面で非常に問題となります。

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レガシー

レガシ

レガシー

統 合プラットフォーム

コスト、メンテナンス性、管理において有益

� ハブ & スポーク型の統合の特徴– 統 合 の 手 法 の 統 一 化 が 図 り や す い

– デ ー タ / プ ロ セ ス の モ デ リ ン グ が 中 心

– シ ス テ ム 全 体 が 簡 素 化 さ れ る

システム統合:ハブ&スポーク型

もう一つの手法は、「ハブ&スポーク型」と呼ばれるものです。

中央にハブとなる「統合プラットフォーム」を置き、どのような統合でも

このハブを経由して連携するという仕組みで、現在のEAIでの主流となっている方法です。

ちなみに、「ハブ&スポーク」という言葉は、自転車の車輪の形状に例えられた言葉です。

この手法を使用した統合の特徴は、まずどことどこの統合であったとしても手法の統一化が図りやすいということが言えます。

また、統合のためのツールが整備されていることから、プログラミングというよりはデータ/プロセスのモデリングが中心となります。

この手法の場合、システム全体が非常に簡素化されるため、導入コスト、メンテナンス性、管理において、非常に効果的であると言えます。

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システム統合のレベル

� データ・レベルの統合– データストア間での統合

– デ ー タ 投 入 に 対 す る 全 シ ス テ ム で の 共 通 認 識 を 目 的 と す る

– データのフォーマット変換、メッセージ・ブローカーによる統合が主となる

� アプリケーション(機能)・レベルの統合– ERP パッケージと既存システムなどとのアプリケーション統合

– API、それをラッピングしたアダプタ(コネクタ)を使用して統合する

� ユーザ・インタフェース・レベルの統合– ブラウザベースで全てのアプリケーションに対する共通のUI の 実 現 を 目 的 と す る

– 昔 は3 2 7 0エミュレータ、現在はポータルを指すこともある

� プロセス・レベルの統合– ビジネス・プロセスの統合

– 複数システム、複数アプリケーションを各々一つのプロセスとして捉える

– これらを連結させるフローを作って自動実行

一重にシステム統合とは言え、そのレベルによって複雑さ、能力の高さは代わってきます。

ここでは、4種類のレベルを例にあげて説明します。

1.データ・レベルの統合

 例えばあるシステムで顧客データを作成した場合、他のシステムでもその顧客データを使用できるよう にしたいと考えることでしょう。

 このようにデータ・レベルの統合では、あるシステムで行われたデータ投入に対して、全システムで同 じように認識させることを目的とします。

 同じDBの同じスキーマ構成であるならば、レプリケーションというのもこのレベルに入ります。

2.アプリケーション(機能)レベルの統合

 通常、ERPパッケージなどのAPI、またはそれらをラッピングしたアダプタ(コネクタ)と呼ばれる手段を 使用して統合されます。

 このレベルになると、マスター・データのみばかりではなく、トランザクション・データの統合も視野に入 ってきます。

3.ユーザ・インタフェース・レベルの統合

 これは、各アプリケーションに対して共通のUIの実現を目的としたもので、多くはブラウザベースで実

 装されます。

 昔は3270エミュレータなどもこの範疇に入ったのですが、現在はポータルのことを指す場合が多くなっ

 ています。

4.プロセス・レベルの統合

 複数のシステムや複数のアプリケーションを各々一つのプロセスとして捉え、これらのプロセスを業務 フロー、あるいはビジネス・プロセスという観点で連携させて自動実行させるという大変高度なレベル  の統合です。

 現在は、プロセス・レベルのシステム統合が主流になってきています。

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システム統合のタイプ(例)1.データ・レベルの統合 DB1で追加された顧客データを他DBへ 配 信

2.アプリケーション・レベルの統合 受注データを他へ配信。APIを使用

3.ユーザインタフェース・レベルの統合 ポータルによる画面統合

4.プロセス・レベルの統合見積り⇒受注/出荷⇒請求(会計)

DB1 DB2

システムA画 面ポ ー タ ルサ ー バ ー

CRM見 積 り

DB3

ERP2出 荷

ERP1受 注

システムB画 面

統 合 画 面

ERP1受 注 /出 荷

レガシー売 掛

BPM

EAIEAI

前ページの内容のイメージ図です。

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アジェンダ

システム統合概要

OracleAS IntegrationOracleAS Integrationの 位 置 付 け

OracleAS ProcessConnect概要

このセクションでは、OracleAS Integrationの位置付けについて説明します。

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J2EE &J2EE &Internet AppsInternet Apps

Portals

WirelessBusiness

Intelligence

ee--Business Business IntegrationIntegration

Management &Security

Caching

OracleAS Integrationは、Oracle Application Server 10gから新規に提供されるモジュール群で、カテゴリとしては「e-Business Integration」に属します。

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OracleAS Integrationは、ハブ&スポーク型

Business to Business (B2B)

OracleE-Business

Suite

アプリケーションパ ッ ケ ー ジ

レ ガ シ ーシ ス テ ム

取 引 パ ー ト ナ ー

顧 客

サ ー ビ ス

プ ロ バ イ ダ

OracleASIntegration

Webサービス

Internet

Enterprise Application Integration (EAI)

OracleAS Integrationは、ハブ&スポーク型のシステム統合環境を提供します。

OracleAS Integrationをハブとし、社内のシステム/アプリケーションをスポークとした企業内アプリケーション統合(EAI)やインターネットを経由して取引パートナー、Webサービス・プロバイダをスポークとしたB2B統合をも実現します。

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InterConnectとProcessConnect� 位置付けの違い

– InterConnect� データレベル、アプリケーションレベルの統合

� キーワード:メッセージ・ブローカー

– ProcessConnect� 企業内外のビジネス・プロセス統合、自動化

� キーワード:ビジネス・プロセス・マネージメント(BPM)        ビジネス・アクティビティ・モニタリング( BAM)        ビジネス・プロセス・オプティマイゼーション( BPO)

� ニーズの違い– InterConnect:

� 他 の ア プ リ ケ ー シ ョ ン へ の デ ー タ の 配 信 が 目 的

� 例:APP1で 作 成 さ れ た 顧 客 デ ー タ を APP2の 顧 客 D B に 反 映

– ProcessConnect:� 業 務 フ ロ ー の 観 点 で 一 つ の シ ス テ ム と し て 動 作 さ せ る こ と が 目 的

� 例:受注システム-> 出 荷 シ ス テ ム -> 会 計 シ ス テ ム

OracleAS Integrationには、InterConnectとProcessConnectという2つの製品が存在します。

ここでは、その2つの製品の違いについて簡単に説明します。

1.位置付けの違い

 InterConnectは、高速なメッセージ・ブローカーという位置付けであり、データレベル、アプリケーション レベルの統合を高速に行います。

 ProcessConnectは、ビジネス・プロセス・マネージメント(BPM)環境という位置付けであり、社内外の ビジネスプロセス統合やその自動化を行うことを対象としています。

2.ニーズの違い

 もし顧客が、他のアプリケーションへのデータの配信を目的とするならば、そして、ビジネス・プロセス  という観点ではほとんど管理しなくて良いならばInterConnectが適しています。

 もし顧客が、複数のシステムを業務フローの観点で統合し、一つのシステムとして自動化させたいなら ば、ProcessConnectが適しています。

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InterConnect vs. ProcessConnect

InterConnectInterConnect

統合の複雑さ

デ ー タ

BPM

BAM

ProcessConnectProcessConnect

統合のレベル(能力)

BPO

アプリケーション

InterConnectとProcessConnectの位置付けの違いを示した図です。

InterConnectは、データレベル、アプリケーションレベルの統合を得意としています。

Oracle Workflowと連携することにより、若干ビジネス・プロセス・マネージメント(BPM)を行うこともできますが、この範疇が中心になってくるとProcessConnectの方が得意です。

ProcessConnectは、BPM、ビジネス・プロセス・オプティマイゼーション(BPO)、ビジネス・アクティビティ・モニタリング(BAM)というところを得意としています。

逆にデータレベル、アプリケーションレベルの統合も行うことができますが、速度の面でInterConnectの方が優位です。

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InterConnectInterConnectを使用した統合の例を使用した統合の例

CRMシステム ERPシステム

・顧客データ作成 ・顧客データ使用

顧 客 DB 顧 客 DB

InterConnect

顧 客 デ ー タ 反 映

一方のシステムで投入されたデータを他方に反映し、使用したい

InterConnectを使用した統合の例について説明します。

CRMシステムとERPシステムが独立して稼動していたと仮定します。

例えば、CRMシステムから新規に顧客データを作成したとき、ERPシステム側顧客DBにもその顧客データを作成したい場合、InterConnectによって高速にデータの反映を行うことができます。

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ProcessConnectProcessConnectを使用した統合の例を使用した統合の例

CRM(SFA) 受注/出荷システム

会計システム

複数のシステムを、一つの業務フロー・システムとして統合したい

・見積り確定・受注作成要求

・受注作成/記帳・Pick/梱 包 / 出 荷

・出荷済応答

・出荷済応答受信・請求書発行・請求書発行済通知

・出荷済応答受信

・ 請 求 書 発 行 済 通 知 受 信

ProcessConnect

次にProcessConnectを使用した場合のシステム統合の例について説明します。

CRM(SFA)システムと受注/出荷システム、会計システムがそれぞれ独立して稼動していたと仮定します。

例えばSFAで見積りを確定させたあと、受注/出荷システムにデータを送り、受注確定(記帳)/出荷後に会計システムで請求書を発行させるような業務フローとしての自動化を行いたいという場合、ProcessConnectによってビジネス・プロセスレベルの連携を行うことができます。

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アジェンダ

システム統合概要

OracleAS Integration

OracleAS ProcessConnect概要ProcessConnectの 構 成 と 概 要ProcessConnectの 重 要 な 概 念データ変換、マッピングビ ジ ネ ス プ ロ セ ス と ロ ー ル の 構 成アダプタとアダプタ・フレームワークモデリング・ツールイ ベ ン ト の 相 関 関 係管 理 、BAM、BPO

このセクションでは、OracleAS ProcessConnectの概要について、以下のトピックについて説明します。

OracleAS ProcessConnectの内部実装の説明ですので様々な用語が出てきますが、特に重要なのが「2. ProcessConnectの重要な概念」になります。

1. ProcessConnectの構成と概要

2. ProcessConnectの重要な概念

3. データ変換、マッピング

4. ビジネスプロセスとロールの構成

5. アダプタとアダプタ・フレームワーク

6. モデリング・ツール

7. イベントの相関関係

8. 管理、BAM、BPO

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ProcessConnect構成と概要

ProcessConnectの構成と概要について説明します。

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OracleAS ProcessConnect特徴� 総合的なインテグレーションのためのアーキテクチャ

– レガシーシステム統合、アプリケーション間統合

– B2B、Webサービスとの統合を実現

– ビジネス・プロセス・レベルの統合を実現

� 標準に対応したアダプタ– JCA(J2EE Connector Architecture)1.0をサポート

– B2Bアダプタ:RosettaNet(RNIF1.1、2.0/PIPs)

– Webサービス・アダプタ:SOAP1.1/WSDL1.1

– インターネット・トランスポート・アダプタ:HTTP/s、FTP、SMTP

� Webベースの設計/監視ツール– 統合モデラー(ビジネスプロセス、データ変換マッピング等)

– システム監視と管理

– B P M、BAM、BPO

まずProcessConnectの特徴について説明します。

1.総合的なインテグレーションのためのアーキテクチャ

 ProcessConnectは、レガシー、ERPを代表とするアプリケーション間の統合のみではなく、B2Bや   Webサービスとの統合をビジネスプロセスのレベルで実現することができます。

2.標準に対応したアダプタ

 OracleAS ProcessConnectは(アダプタも含めて)、JCA1.0に対応しています。なお、JCA1.0の現在 の制限を克服するために、拡張を加えています。

 また、B2BアダプタはRosettaNet標準に対応しています。

 Webサービス・アダプタも用意され、Webサービス・プロバイダとデータ交換を行うことができます。

 その他にも、インターネット・トランスポート層をカバーするために、HTTP/HTTPS、FTP、SMTPといっ たアダプタが用意されています。

3.Webベースの設計/監視ツール

 ProcessConnectでは、ビジネスプロセスやデータ変換マッピングなどをモデリングするためにWebベ ースのツールが用意されています。

 また、このツールはモデリングのみではなく、BPMやBAM、BPOといった監視/管理を行うこともでき る総合的なツールです。

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ProcessConnect概要図

EBS

� 動作概要– JCAベースのアダプタ経由でネイティブ・データを送受信– スポーク内で翻訳/変換を伴ったデータ交換と処理順序を管理– ビジネス・プロセス処理、ルーティング先の指定

JCA

JCA

アダプタ

JCA

JCA

SAP

レガシー Internet

モデリングツール(Webベース)

デプロイ

アダプタ

アダプタ

アダプタ

アダプタフレームワーク

スポークビジネスプロセススポーク

アダプタフレームワーク

ProcessConnectの概要図について説明します。

ここでは、主に動作概要について説明します。

まず、JCAベースのアダプタ経由でアプリケーション固有のネイティブ・データを受信します。受け取ったデータはスポーク内で翻訳/変換を伴ったデータ交換を行い、ビジネスプロセスに渡されます。

ビジネスプロセスでは、業務プロセスに基づいた処理やルーティング先を決定して該当するスポークに渡されます。

そして、またこのスポーク内で変換/翻訳などの処理を行い、データ交換を行った後、アプリケーション固有のデータをアダプタに渡します。

アダプタでは、各々のアプリケーションに対して固有のデータを送信します。

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ProcessConnect テクノロジ概要図

デ ザ イ ン 用リポジトリ

実 行 用リポジトリ

モデリング

管 理 、 監 視(Application Server

Control)

ビジネスアクティビティ

モニタリング

ProcessConnect実 行 モ ジ ュ ー ルアダプタ アダプタ

デプロイ

イベント

マネージメント

ビ ジ ネ ス プ ロ セ ス

マネージメント(BPM)

トレーディング

パ ー ト ナ ーマネージメント

セキュリティ

監 査翻 訳 変 換 検 証

統 合

マ ネ ジ ャ ー

アダプタ・フ レ ー ム ワ ー ク

ProcessConnectテクノロジ概要図について説明します。

デザイン段階では、モデリングツールを使用します。

このときモデリング・データはデザイン用リポジトリに格納されます。

これを実際に使用するためには、デプロイする必要があり、この工程を通して、実行用リポジトリに格納され、ProcessConnect実行モジュール群で使用されます。

実行モジュール群はのスライドの下部にある10個のモジュールになりますが、重要なのは統合マネジャーで、ProcessConnect実行に関する中心的な役割を担います。

この統合マネジャーが、イベントマネージメントなどのモジュールを呼び出すことによってデータの変換などが行われます。

一方、実行用リポジトリには、ProcessConnect実行のステータスなども格納されます。

ビジネス・アクティビティ・モニタリング(BAM)などは、このステータスなどの情報をキャプチャして行われます。

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ProcessConnectProcessConnectを使用した統合のポイントを使用した統合のポイント

CRM(SFA) 受注/出荷システム

統合の際のポイント:キーワード

⑤ 上記①~④を実現するためのツール– 統 合 モ デ リ ン グ ・ ツ ー ル

①データ構造? ①データ構造?

① システム毎に異なるデータ構造の整合性– 翻訳、変換、イベント

②ビジネス・フロー?

② ビジネス・フローの定義とデータの配信– ビジネス・プロセス、スポーク、ロール

③ デ ー タ の や り 取 り ? ③ デ ー タ の や り 取 り ?

③ 個々のアプリケーションとのデータのやりとり– アダプタ

④ 管 理 / 監 視 ?

④ ビジネス・プロセス(フロー)を中心とする統合の管理/監視– B P M、BAM、B P O

ProcessConnectを使用した際の統合のポイントについて説明します。

①システム毎に異なるデータ構造の整合性

 一般的には、個々のシステム毎にデータ構造が異なるのが普通です。

 この差異をどう埋めるかがポイントとなりますが、ProcessConnectでは「翻訳」、「変換」で行います。

②ビジネス・フローの定義とデータ配信

 受け取ったデータをどのように処理を行って、どのアプリケーションに渡すのか?ということも重要なポ イントになります。

 ProcessConnectでは、「ビジネス・プロセス」、「スポーク」、「ロール」がこの役割を担います。

③個々のアプリケーションとのデータのやりとり

 個々のアプリケーションとのデータの送受信を行う役割を担うのがアダプタです。

④ビジネス・プロセス(フロー)を中心とする統合の管理/監視

 ビジネス・プロセスを監視し、エラーを検知したり、またビジネス活動における統計情報を監視したりと いうのは、BPM、BAM、BPOといった機能が行います。

⑤最後に上記の①~④までを実現するためのツールが「統合モデリング・ツール」です。

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ProcessConnect重要な概念翻訳/変換とイベントビジネス・プロセスとロール

ProcessConnectの個々の機能を説明する前に、まず重要な概念について説明します。

ここで説明するのは、「翻訳/変換」、「イベント」、「ビジネス・プロセス」、「ロール」という概念です。

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データ交換の流れ翻 訳 変 換 変 換 翻 訳

<PO>car

</PO>

<PO>vehicle

</PO>

<CPO>auto

</CPO>

� 翻訳:固有(ネイティブ)データ形式からX M L 形 式 へ の 文 法 的 な 変 換

� 変換:データの内容、項目の変換(例: Car → Vehic le)

① 固 有 デ ー タ

形 式② XML形 式

デ ー タ 表 現

① 固 有 デ ー タ

形 式

② XML形 式

デ ー タ 表 現

③ 共 通 デ ー タ

表 現

ネイティブデ ー タ

ネイティブデ ー タ

① 固有データ形式(ネイティブ・イベント: NE)

– ProcessConnectランタイム内で使用されるアプリケーション固有のデータ表現

② X M L 形式データ表現(アプリケーション・イベント: AE)

– ネイティブ・イベントが「翻訳」された後のX M L 形 式 の デ ー タ 表 現

③ 共通データ表現(ビジネス・イベント: BE)

– ProcessConnectラ ン タ イ ム 内 で の 共 通 の デ ー タ 表 現 形 式

– アプリケーション・イベントに「変換」が加えられたデータ形式

データ交換の流れを見てみましょう。

図を見てみると、固有データ形式から「翻訳」、「変換」を繰り返して他方へ渡ることがわかります。

まずは、「翻訳」、「変換」という概念から説明します。

固有データ形式からXML形式データ表現への文法的な変換を行うこと、またはこの逆の操作を「翻訳」と言います。

XML形式データ表現から共通データ表現への内容、項目の変換を行うこと、またはこの逆の操作を「変換」と言います。

また、これらのデータ形式、データ表現には名前がついていますので、その説明をします。

①固有データ形式

 ProcessConnectランタイム内で使用されるアプリケーション固有のデータ表現を「ネイティブ・イベント (以下、NE)」と言います。

②XMLデータ表現

 ネイティブ・イベントが「翻訳」された後のXML形式のデータ表現を「アプリケーション・イベント(以下、 AE)」と言います。

③共通データ表現

 アプリケーション・イベントが「変換」された後のデータ表現を「ビジネス・イベント(以下、BE)」と言い、 ProcessConnectランタイム内で共通のデータ表現形式となります。

以上を踏まえると、データ交換の流れは以下の通りになります。

 NE ⇔ 翻訳 ⇔ AE ⇔ 変換 ⇔ BE ⇔ 変換 ⇔ AE ⇔ NE

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ビジネス・プロセス/ロール/イベントの流れ

翻 訳 変 換 変 換 翻 訳

NE AE BE BE BE AE NE

スポーク スポーク

⑥ ⑥ ③② ③ ④⑤④ ① ②⑤

① ビジネス・プロセス

– 統合の中心。ビジネス・ロジックのダイアグラム化

② ネイティブ・ロール

– ネイティブ・イベントを処理する③ 翻訳バインディング・ロール

– ネイティブ・イベントとアプリケーション・イベント間の「翻訳」を行う

④ アプリケーション・ロール

– アプリケーション・イベントを処理する⑤ 変換バインディング・ロール

– アプリケーション・イベントとビジネス・イベント間での「変換」を行う

⑥ ビジネス・ロール

– ビジネス・イベントを処理する

次にビジネス・プロセスとロールの説明をします。

①ビジネス・プロセス

 ビジネス・ロジックをモデリングしてダイアグラム化したものでProcessConnectにおける統合の中心と なります。

 また、ここで使用されるデータ表現は「ビジネス・イベント(BE)」です。

②ネイティブ・ロール

 ネイティブ・イベント(NE)を処理する役割を持っているのが「ネイティブ・ロール」です。

③翻訳バインディング・ロール

 ネイティブ・イベント(NE)とアプリケーション・イベント(AE)の間で「翻訳」を行う役割を持っているのが 「翻訳バインディング・ロール」です。

 ここでは、NEとAEの間の文法的な変換のみを行います。

④アプリケーション・ロール

 アプリケーション・イベント(AE)を処理する役割を持っているのが「アプリケーション・ロール」です。

⑤変換バインディング・ロール

 アプリケーション・イベント(AE)とビジネス・イベント(BE)の間で「変換」を行う役割を持っているのが「 変換バインディング・ロール」です。

 ここでは、AEとBEの間の内容、項目の変換/マッピングを行います。

⑥ビジネス・ロール

 ビジネス・イベントを処理する役割を持っているロールで、主にビジネス・プロセスとのデータ交換を行 います。

②から⑥までのロールの流れをスポークと言います。これは、システムやアプリケーションの実態が物理的なスポークに対して、ProcessConnect内部で使用される論理的なスポークを意味します。

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Page 27

データ変換、マッピング

ここでは、データ変換、マッピングについて説明します。

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Page 28

データの変換

� アプリケーション・イベントとビジネス・イベントとの変換– 変換の際には、イベント変換マップとドメイン値マッピングを使用

� イベント変換マップ

– フィールド名、カラム名など類似の構成要素に関するマッピング

� ドメイン値マッピング

– フィールドの内容、カラムの内容など類似の属性の内容に関するマッピング

システム毎に異なるフィールド名、およびその内容をどうマッピングするか?

Customer_ID Cust_Numberアプリケーション1 アプリケーション2

値 値

Status

BookedCompleted

Status

SubmitDone

フィールド名

フィールド名

アプリケーション1 アプリケーション2

このスライドでは、システム毎に異なるフィールド名やその内容をどのようにマッピングするかについて説明します。

項目名や内容については、AEとBEとの間で「変換」という処理を通して行われるということは、既に説明した通りです。

この「変換」という処理の中で実装される機能として、主に「イベント変換マップ」と「ドメイン値マッピング」が使われます。

1.イベント変換マップ

 フィールド名、カラム名など類似の構成要素に関するマッピングを行います。

 例えば、「顧客ID」がアプリケーション1では「Customer_ID」というカラムに相当し、アプリケーション2 では「Cust_Number」というカラムに相当したとします。

 この両者が同じものであるという認識のもとにその内容(値)をマッピングするのが「イベント変換マッ  プ」です。

2.ドメイン値マッピング

 着目点はフィールドやカラムの内容で、この内容については変換を行う必要があります。

 例えば、「ステータス」のとるべき値が、アプリケーション1では「Booked」、「Completed」だったとしま  す。同じステータスを表す値がアプリケーション2では「Submit」、「Done」だったとすると、両者はお互 いに変換をかける必要があります。(「Booked」は「Submit」にマッピング、「Completed」は「Done」に マッピング)

 これを行うための機能が「ドメイン値マッピング」です。

本スライドではわかりやすくするために、直接アプリケーション1からアプリケーション2へのマッピングを行っているように記述していますが、両者の間には「ビジネス・イベント」という共通のデータ表現があることに注意してください。

すなわち「イベント変換マップ」も「ドメイン値マッピング」も、アプリケーション1のAEからBEへ、もしくはBEからアプリケーション2へ変換するときに使用します。

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ビジネス・イベント(共通データ表現)の役割

ア プ リ ケ ー シ ョ ン

イベントSIEBEL 顧 客 デ ー タ

ビ ジ ネ スイベント

ア プ リ ケ ー シ ョ ンイベント

SAP 顧 客 デ ー タ

ア プ リ ケ ー シ ョ ンイベント

Oracle 顧 客 デ ー タ

ア プ リ ケ ー シ ョ ン

イベントレ ガ シ ー 顧 客 デ ー タSIEBEL 顧 客 デ ー タ

SAP 顧 客 デ ー タ Oracle 顧 客 デ ー タ

レ ガ シ ー   顧 客 デ ー タ

� 変換マップの数の軽減

� 共通として使用されるデータ形式の再利用

共 通 デ ー タ 表 現 が 無 い 場 合 共通データ表現がある場合

例:1つのアプリケーションで登録された顧客データを全てに配信する場合

12個の変換マッピングが必要 8個の変換マッピングでOKさらに、もう一つのスポークが追加されたらどうなるか?

「変換」を行うのに、なぜ直接片方のAEからもう片方のAEへ変換をしないのでしょうか?

なぜビジネス・イベントが存在するのでしょうか?

この理由について説明します。

仮に4つのシステムがあって、一つのシステムで顧客データが更新されたら、他の3つのシステムの顧客データを更新すると仮定します。

共通データ形式が無い場合、変換マッピングは送信/受信で計12種類のマッピングが必要となります。

対して、ビジネス・イベントのような共通のデータ表現がある場合、8つの変換マッピングで充分です。

このように、変換マッピングの数を軽減を図るために存在するというのが一つ目の理由です。

さらに、この統合にもう一つシステム(別の言い方をすればスポーク)が追加されたらどうなるでしょうか?

共通データ形式が無い場合、送信/受信で計8つの変換マップの追加が必要となります。

ところが共通データ表現という仕組みがあれば、このデータは再利用できますので、ビジネス・イベントとの変換を追加するだけで実現できます(実質2つの変換マップ)。

このように、システムが追加されても、データを再利用することによって変換の手間を減らすという効果があり、これが2つ目の理由です。

30

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ビジネス・プロセス、ロールの構成

ここでは、統合の中心となるビジネス・プロセスやロールの構成について説明します。

ビジネス・プロセスもロールも同じ構成になっています。

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ビジネス・プロセスとスポーク

JCA

JCA

① ② ③ ④ ⑤ ⑤ ④ ③ ② ①

スポーク スポーク

ビ ジ ネ スプ ロ セ ス

①ネイティブ・ロール

② 翻 訳 バ イ ン デ ィ ン グ ・ ロ ー ル③アプリケーション・ロール④ 変 換 バ イ ン デ ィ ン グ ・ ロ ー ル

⑤ ビ ジ ネ ス ・ ロ ー ル

� ビジネス・プロセス– 統合の中心。ビジネス・ロジックをダイアグラム形式で定義

� スポーク– エンド・ポイントからビジネス・プロセスまでのデータフロー、制御フローのモデル

– 各々のスポークは、5種類のロールを持つ

– ウィザード形式で単純なスポークを生成できる

スライドの図は、ビジネス・プロセスとスポークの全体像を表現したイメージ図です。

前述したように、ビジネス・プロセスは、ビジネス・ロジックをダイヤグラム形式で

定義されたもので、統合の中心となります。

スポークは、エンド・ポイント(システム、アプリケーション、取引パートナー)からビジネス・プロセスまでのデータフロー/制御フローのモデルで、5種類のロールから構成されます。

モデリングツールのところでも若干触れますが、単純なスポークはウィザード形式で生成することができます。

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ビジネス・プロセス/ロールの構成

Step1

Order-IN Order-OUT

Start

End

データフロー

ステップ

制御フロー

ロール・ ポート

� 制御フロー– ス テ ッ プ の 実 行 順 序 を 定 義

� データフロー– どのようにデータが流れるかを定義

� ステップ– And/Or、条件、分岐、セットパーティなど

� ロール・ポート– ビジネス・プロセス、ロールとのG / W

– 入力ポートと出力ポートを定義

– 入 力/ 出力イベントを紐付け

� ステップ・ポート– 入力ポート/出力ポートを定義

– 個 々 の ス テ ッ プ の 入 力/ 出力イベントを紐付け

Step2

Order  -Status  -IN

Order  -Status   -OUT

ステップ・ ポート

それでは、ビジネス・プロセスおよびロールの構成について説明します。

基本的にビジネス・プロセスもロールも構成要素は同じです。

①制御フローとデータフロー

 (後述する)ステップの実行順序を示したものが制御フローで、データの流れについて定義されたもの がデータフローです。

②ステップ

 個々の手続き(処理)のことで、これを組み合わせて制御フロー、データフローを構成します。

 ステップの種類をいくつかあげますと、「And/Or」、条件、分岐、セットパーティ(目的のエンド・ポイント

 を指定するもの)などがあります。

③ポート

 ロール・ポートとステップ・ポートの2種類があり、どちらもデータのゲートウェイ(G/W)として働きます。

 ・ロール・ポート

  ビジネス・プロセスとロール、あるいはロールと他のロールとのデータ交換のゲートウェイとなります  。

  入力ポート/出力ポートが存在し、各々入力/出力イベントを関連付けします。

 ・ステップ・ポート

  (ビジネス・プロセス内あるいはロール内で)ステップとステップ、あるいはロールとステップの間のデ  ータ交換のゲートウェイとなります。 

  入力ポートと出力ポートがあり、各々がステップとの入力/出力イベントを関連付けます。

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アダプタとアダプタ・フレームワーク

個々のアプリケーション、システムと連携するアダプタと、このアダプタを管理するアダプタ・フレームワークについて説明します。

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アダプタとアダプタ・フレームワーク

トレーディング

パ ー ト ナ ー

アダプタ

アダプタ

アダプタ・フレームワーク

JCA

JCA

Internet

パーティ

Oracle Record

ワイヤ・メッセージ

アプリケーション

アダプタ・フレームワーク: ProcessConnectランタイムとアダプタのデータ交換

ワイヤー・メッセージ:個々のアプリケーション毎のデータ(ランタイムが認識できない)Oracle Record:アダプタ・フレームワーク内でインスタンス化されるデータ形式

パーティ:アプリケーション、取引パートナーの論理的な総称

ProcessConnectランタイム

アダプタとアダプタフレームワークについて説明します。

1.アダプタ・フレームワーク

 アダプタ・フレームワークはアダプタを管理するプロセスで、ProcessConnectランタイム・モジュールに

 Oracle Record(後述)を出し入れします。

2.ワイヤ・メッセージとOracle Record

 ワイヤ・メッセージはProcessConnect境界の外でのデータ書式で、ProcessConnectランタイムでは  認識されません。

 JCAを使用してアダプタ・フレームワークに渡されたときにOracle Recordとしてインスタンス化されて 、初めてProcessConnectランタイムで認識されます。

 Oracle Recordとネイティブ・イベントの概念的な違いは、ネイティブ・イベントはヘッダとボディから構  成され、またOracle Recordから生成されるということです。

3.パーティ

 特にこのスライドの中でのトピックから外れますが、パーティという言葉はアプリケーションや取引パー トナーを表す抽象概念です。

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� 統 合 マ ネ ー ジ ャ

– リポジトリ・メタデータに対して、検証/翻訳/変換等の処理を行う汎用のエンジン

� アダプタ・フレームワーク

– アダプタと ProcessConnectランタイム間のデータ交換に使われる

� アダプタ

– 個々のパーティとアダプタ・フレームワークとのデータ交換

イベント JCAApp

転 送

統合マネージャ

メタ・データ・ドリブン検 証 、 翻 訳 、 変 換

ProcessConnect アダプタ

アダプタ・フレームワーク アダプタ

JCA++

Oracle Record

ProcessConnectアダプタは、図のような構成をしています。

統合マネージャは、ランタイムの実行を調整する汎用のエンジンで、アダプタ・フレームワークから渡されたOracle RecordからNEを生成し、検証/翻訳/変換などの処理を行います。

アダプタ・フレームワークは前ページで説明した通りです。

アダプタは、アダプタ・フレームワークと個々のアプリケーションやシステムとの間でデータの交換を行います。

インバウンド時については、アダプタは個々のアプリケーション/システムからワイヤメッセージを受信し、JCAを使用してOracle Recordをアダプタ・フレームワークに渡します。

アウトバウンド時は、インバウンド時の動作と逆のことを行います。

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ProcessConnectアダプタ

• テクノロジ・アダプタ– Oracle RDBMS

– Oracle AQ

– SMTP

– FTP、File

– HTTP/S

– JMS

– Web Service

• RosettaNetアダプタ– B2Bアダプタ

• アプリケーション・アダプタ– SAP R/3

– PeopleSoft 8.x

– J.D.Edwards One World XE

– Siebel 2000

• レガシー・アダプタ– IMS/DB

– IMS/TM

– Tuxedo

– CICS

– VSAM

ProcessConnectで提供されるアダプタは、大きく分けて4つのカテゴリに分かれています。

1.テクノロジ・アダプタ

2.アプリケーション・アダプタ

3.レガシー・アダプタ

4.RosettaNetアダプタ

この中で、EBS(E-Business Suite)アダプタがありませんが、EBSと接続するためには、以下の方法で行うことができます。

1.Oracle RDBMSアダプタを使用する方法

 EBSでは、他との接続のためOpen Interface Tableを用意しています。ProcessConnectのOracle  RDBMSアダプタを使用してOpen Interface Tableと接続することにより、EBSとデータ交換を行うこと ができます。

2.Oracle AQアダプタを使用する方法

 EBSでは、Oracle AQとの間でデータのやりとりを行うために、XML GatewayとBusiness Event    System(BES)というモジュールを提供しています。ProcessConnectでは、Oracle AQアダプタを使 用することにより、このAQを経由してEBSとデータ交換を行うことができます。

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モデリング・ツール

ここでは、ビジネス・プロセスやスポーク、ロールなどを定義するモデリング・ツールについて説明します。

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モデリング・ツール

� 統合モデリング・ツール(特徴)– Web ベースのシンプルなモデリング・ツール

– エンドtoエ ン ド の 統 合 の 基 本 的 な ス ポ ー ク は ウ ィ ザ ー ド を 使 用 し て 定 義

– 統合に必要なビジネスプロセス、変換( AE ⇔ B E)などを定義

– 統合のために定義されたデータをメタデータとして保存

– 定義されたデータをデプロイし、ランタイム・データとして使用

• ビジネス・プロセス、ロール

• エンド・ポイント(プロファイル)• イベント(データ表現)

• 変換(イベントの変換)• 定 義 済 デ ー タ の デ プ ロ イ ProcessConnect

メタ・データ・リポジトリ

モデリングツールの特徴について説明します。

モデリングツールは、Webベースでシンプルなツールです。

統合の中心となるビジネス・プロセスや変換(AE ⇔ BE)などを定義することができます。

また、エンドtoエンドの基本的なスポークはウィザードを使用して簡単に定義することができ、その後でスポーク内の各ロールの細かい定義を行います。

必要であれば、新規のスポークを追加したり、新規にデータフローを追加したり、あるいは削除することができます。

定義されたデータはデザイン用メタデータ・リポジトリに保存されます。

このデータをデプロイし、ランタイム・リポジトリに格納して、初めて実行時に使用できるようになります。

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定義の手順(例)

JCA

JCA

①エンド・ポイントの定義、アダプタの定義

① ①

②ビジネス・プロセスの定義

④ ④

④ 変 換 の 定 義 ( AE ⇔ B E)

③ ③

③スポークの定義(ウィザード)

⑤ ⑤

⑤ 契 約 の 定 義

⑥追加の定義(必要に応じて)– スポークの追加、ビジネス・プロセスの内部処理の追加  など

モデリング・ツールにおける定義の大まかな手順について説明します。

詳しくは次ページで説明しますが、おおよそ以下の通りです。

1.エンド・ポイント(パーティ)の定義とそこで使用するアダプタの定義

2.ビジネス・プロセスのモデリング(制御フローとデータフローの定義)

3.ウィザードを使用したスポークの定義

4.アプリケーション・イベントからビジネス・イベントへ(またはその逆)の「変換」の定義

5.契約の定義(ビジネス契約のことではない)

6.必要に応じて追加の定義

 例:スポークの追加、ビジネス・プロセスやロールの内のステップの追加

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モデリング・ツールで定義する主な内容� エンド・ポイント定義、アダプタの定義

– 統合の終端(個々のアプリケーション、トレーディング・パートナー)に関する定義

– アダプタに関する相互作用(インタラクション)の定義

� ビジネス・プロセスのモデリング

– 統合の中心となるビジネス・ロジックをダイアログ化(モデリング)

– 制御フロー(ステップの実行順序)とデータフローを定義

� スポークの定義

– ウィザード形式による基本的なスポーク(単一、 End-to-End)の定義

– 他のスポーク、データフローの新規作成、追加、削除など

� 変換の定義( AE ⇔ BE)

– アプリケーション・イベントからビジネスイベント(およびその逆)への変換

– イベント変換マップ、ドメイン値マッピングなどを使用

� 契約(アグリメント)の定義

– 複数の参加者の間の基本的な契約(ビジネス契約ではない)

– パーティとどのネイティブイベントをやりとりするかを定義

1.エンド・ポイント(パーティ)の定義を行います。

 また、この時、どのアダプタを使用し、どういったインタラクションを行うのかを定義します。

2.統合の中心となるビジネスプロセスの定義を行います。

 ビジネス・ロジックをダイアログ化(モデリング)します。

 この中で、ステップの実行順序などの制御フローとデータフローを定義します。

3.ウィザードを使用して、スポークの定義を行います。

 ウィザードを使用して定義できるスポークの種類は以下の通りです。

  (1) エンドtoエンドのスポークの定義(パーティ to パーティ)

  (2) 単一スポークの定義(パーティ to ビジネス・プロセス)

  (3) エンドtoエンドのデータフローの追加

  (4) 単一データフローの追加(パーティ to ビジネス・プロセス)

 また、他のスポークを追加したり、削除したりということもできます。

4.スポークを定義した段階では、ProcessConnectで言うAEからBE(またはその逆)への「変換」に関す る定義は行われていません。

 そこで、この段階でイベント変換マップやドメイン値マッピングなど「変換」に関する定義を行います。

5.契約の定義を行います。

 これは、特定のパーティと、どの型のNEを、どのネイティブ・ロールを使用して、また、どのデリバリ・チ ャネルを使用してやりとりするのかを定義します。

 法的な条項を含んだ、いわゆる一般的なビジネス契約書のことではありませんので、注意してください。

6.必要に応じて追加の定義を行います。

 例えば、スポークの追加であったり、ビジネス・プロセスやロールの内のステップの追加、データフロー の追加などを行います。

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イベントの相関関係

ここでは、イベントの相関関係について説明します。

リクエストとリプライを関連付けるための「ネイティブ・イベント相関」と、同じ構造でありながら内容で区別する「イベント・マップ」について説明します。

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ネイティブ・イベント相関

� 複数のリクエストに対して、同じ数の応答( Ack)を 予 測 す る 場 合 に 使 用

� リクエストに対する応答として、順序性を保証する場合に使用– 2つのネイティブ・イベント同士(Request、Ack)の関連付けを行う

– ネイティブ・ロールは関連つけられたイベント( Ack)が送り返されるまで待機

ネイティブロール

アプリケーションロール

翻 訳 変 換

ビジネスロール

11 12 13アウトバウンドの受注イベント

11 12インバウンドの受注ステータスイベント

関連付けの例: OrderReq.Request_id = OrderStatus.Request_id

ネイティブ・イベント相関は、あるリクエストに対してその応答を関連付け、順序性を保証する

場合に使用します。

例えば図の場合、アウトバウンドの受注イベント12に対して、インバウンドの受注ステータス12を関連付けるときのイメージです。

ネイティブ・ロールは、関連付けられた応答が送り返されるまで待機します。

ネイティブ・イベント相関は、2つのネイティブ・イベントの関連付けを定義する式で表されます。

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イベント・マップ

受 注 作 成

ア プ リ ケ ー シ ョ ン

ア ダ プ タ

ア ダ プ タ

フ レ ー ム ワ ー ク

JCA

‘OrderType’

ネイティブ

イベント

� 同じメッセージ構造において、異なるイベントを識別

– 例:「受注作成」か「受注キャンセル」が、内容によって決まる場合

受 注 キ ャ ン セ ル

?

イベントマップの例: OrderReq.OrderType = 'Create' OrderReq.OrderType = 'Cancel'

「イベント・マップ」は、「イベント変換マップ」とは異なりますので注意してください。

メッセージの中には、同じ構造を持ちながら、その中のフィールドによって性質の異なるものがあります。

例えば、そのメッセージが「受注作成」か「受注キャンセル」かを区別する場合、構造が同じでその中に含まれるビジネスデータの項目によって区別される場合があります。

メッセージ構造が同じでも、その内容によって2つが違うものとして識別するのが「イベント・マップ」です。

イベント・マップは、該当のネイティブ・イベントを決定する式で表され、この式がOracle Recordに適用されます。

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管理、BAM、BPO

ここでは、ProcessConnectの管理、およびビジネス・アクティビティ・モニタリング、ビジネス・プロセス・オプティマイゼーションの説明をします。

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Oracle Application Server Controlからの管理

• 起動/終了、参照(パフォーマンス/ログ)– ProcessConnect サービス

– アダプタ・フレームワーク

– 統 合 マ ネ ー ジ ャ

• サーバー・プロパティの設定/参照

– ロギング・プロパティ

– B2Bプロパティ

– RMI、proxy、ポートなど

– インポート・プロパティ

– xsdファイルインポートディレクトリ

– セキュリティ・プロパティ

– パ ス ワ ー ド 暗 号 化 の た め の キ ー の 設 定

– 拡張プロパティ

– スレッドの調整(パフォーマンス・チューニング)

Oracle Application Server Controlからの管理について説明します。

ProcessConnectサービスに含まれる「アダプタ・フレームワーク」や「統合マネージャ」の起動/終了、あるいはパフォーマンスやログの参照は、Oracle Application Server Controlから行うことができます。

さらにサーバー・プロパティにおいては、以下の設定、参照が可能です。

1.ロギング・プロパティ

 ログファイル・ディレクトリ、最大ログサイズ、ログレベルなど

2.B2Bプロパティ

 RMIポート、RMIインスタンス、プロキシなど

3.インポート・プロパティ

 データタイプを指定するxsdファイルのインポート・ディレクトリ

4.セキュリティ・プロパティ

 パスワード暗号化のためのキーの設定

5.拡張プロパティ

 各々のロールのスレッドの数の調整。パフォーマンス・チューニングで使用。

 

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ProcessConnect レポート(BPM、BAM、BPO)

� レポート形式で以下の情報を提供– ビジネス・プロセス・モニタリング

– ビジネス・アクティビティ・モニタリング

– ビジネス・プロセス・オプティマイゼーション

� 以下の要求に応じてレポート結果を表示– イベントの情報

– ビジネス・プロセスの情報

– エラーの情報

Agreements&

Connections

Data

ear th

moon orbi t `sear th

l a s t ( t h i rd )qua r t e r

gibbous moon

ful l moon

gibbous moon

f i r s t q u a r t e r

crescent

new moon

crescent

waning Moon

waxing Moon

SUN

共 通 デ ー タメタ・データ・リポジトリ

ProcessConnectでは、BPM、BAM、BPOといった情報をレポート形式で提供します。

・ビジネス・プロセス・モニタリング・レポート

・ビジネス・アクティビティ・モニタリング・レポート

・ビジネス・プロセス・オプティマイゼーション・レポート

ProcessConnectで提供されるこれらのレポートは、イベントの情報やエラー情報など、指定された要求に基づいて結果を表示することができます。

すなわち、取得したい情報に関して絞込みを行うことが可能ということです。

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プロセス・モニタリング・レポート� 統合オブジェクトの現在の状況を表示

– イベントやRosettaNet P I P のコラボレーションの状態(完了、待ち状態など)を表示

– インテグレーション内で発生したエラー・コードの表示

� 主に障害解析のために使用

� 指定されたクライテリアに基づいてレポートを出力– 表 示 す る レ ポ ー ト 内 容 の 絞 込 み が 可 能

� ど の ロ ー ル 、 プ ロ セ ス ま で 進 ん で い る か ?

� ど こ の ス テ ッ プ ま で 進 ん で い る か ?

� エラーは発生しているか?(どこで発生しているか?)

レポート結果を基に、以下のような解析が可能

個々のレポートについて見ていきますが、まずはプロセス・モニタリング・レポートです。

これは、主に障害解析のために使用されるもので、統合オブジェクトの現在のステータスやエラーコードの表示を行うことができます。

レポートの表示に関しては、指定された条件(クライテリア)に基づいてレポートを表示しますので、情報の絞り込みが可能となります。

このレポートにより、管理者(分析者)は、

1.統合の進み具合(どのロール、どのプロセス、どのロールまで進んでいるか?)

2.エラーの発生状況(どこでどのようなエラーが発生しているか?)

などを知ることができます。

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アクティビティ・モニタリング・レポート

� 特定のビジネス活動に関する分析結果を出力/表示

� ビジネス活動における傾向を把握するのために使用

� 指定されたクライテリアに基づいてレポートを出力– 表 示 す る レ ポ ー ト 内 容 の 絞 込 み が 可 能

� 四 半 期 で 承 認 さ れ た 受 注 の 割 合 ( %)、総数

� 一 ヶ 月 間 の 発 注 件 数 の 総 件 数

� 半 期 で 拒 否 さ れ た 発 注 の 総 件 数 等

ビジネス活動の傾向を把握するために以下のような情報を出力/表示

アクティビティ・モニタリング・レポートは、ProcessConnectを通した特定のビジネス活動に関する分析結果を出力/表示します。

これにより、ビジネス活動の傾向を把握することができるため、今後の傾向を予測するために役立てることができます。

ここで示される指標は割合(%)や件数が主なものであり、以下のような情報を表示します。

・四半期で承認された受注の割合や総数

・一ヶ月間で発生した発注件数

・半期で拒否された発注の層件数

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プロセス・オプティマイゼーション・レポート

� ビジネス・プロセスの効率をモニタリングしたレポートを表示

� ビジネス・プロセスの最適化のために使用– AS-ISモデル ⇒ TO-BEモ デ ル

� 指定されたクライテリアに基づいてレポートを出力– 表 示 す る レ ポ ー ト 内 容 の 絞 込 み が 可 能

� 受 注 が 承 認 さ れ る ま で に ど の く ら い の 時 間 が か か っ た か ?

� サ プ ラ イ ヤ の 応 答 時 間 の 平 均

� 組 織 内 で 使 わ れ て い な い プ ロ セ ス は 何 か    等

業務プロセスの最適化のために、以下のような情報を出力/表示

プロセス・オプティマイゼーション・レポートは、ビジネス・プロセスの最適化のために使用されるもので、ビジネス・プロセスの効率をモニタリングしたレポートを表示します。

例えば、(極端ですが)受注が承認されるまでに何週間も時間がかかっているならば、これは現在のビジネス・プロセスのモデル(AS-ISモデル)に問題があると考えるべきであり、将来のビジネス・プロセスのモデル(TO-BE)モデルを検討する必要があるわけです。

このように、現在のプロセスの状況を「処理時間」という観点で分析することによりAS-ISモデルからTO-BEモデルへプロセスを変更する(最適化)を行うことができるわけです。

プロセスの最適化を行うために、プロセス・オプティマイゼーション・レポートは、以下のようなレポートを表示します。

・受注が承認されるまでに、どれくらいの時間がかかったか?

・サプライヤの応答時間の平均はどのくらいか?

・使われていないプロセスは何か?

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統合のライフ・サイクル・マネージメントの実現

最 適 化

分 析

テスト

デ ザ イ ン&

モデリング

デプロイ

実 行

プロセス・オプティマイゼーション・レポートを分析し、プロセスを最適化することにより、システム統合のライフ・サイクル・マネージメントを実現することができます。

デザイン&モデリングから実行までだけでなく、それを分析し、最適化の必要があれば再モデリングし、また実行して...

というようなライフ・サイクルを実現することができます。

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最後に...

� OracleAS ProcessConnectに興味を持っていただいた方へ– OTNサイトに資料があります。

� 統合に対する7つの基本概念( PDF) 他

– 資 料 の 参 照 方 法

� OTNサイト(http://otn.oracle.co.jp/index.html)にアクセス� 「テクノロジセンター」タブをクリック

� 「Grid Technology Center」リンクをクリック

� 「技術資料」リージョンで「 Oracle App l icat ion Server 10g」リンクをクリック

� 「統合」リージョンを参照

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日本オラクル株式会社

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