Final Chap4

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    Copy rights © all reserved. アントレプレナーシップ論オープンスクール  2012

    本テキストはアントレプレナーシップ論オープンスクールの講座内容をまとめたものです。

    本テキストの収益はアントレプレナーシップ論オープンスクールの運営に利用されます。

    本テキストの再販売を禁止します。 

    本テキストの営利目的での利用を禁止します。 

    本テキストの考え方に従ったいかなる事業、経営判断、その他の行為は読者の自己責任に

    よるものです。 

    発行者 柴田英寿 

    著者 柴田英寿 

    発行日 平成 24 年 3 月 1 日 

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    目次 

    第 4章 基礎技術 ......................................... 3 

    4.1. 一人ひとりの知的生産性 ....................................................................................... 3

    4.2. 「発想」の技術 ...................................................................................................... 7

    4.3. ミーティングを効率よくする技術 ....................................................................... 11

    4.4. 何をやるかを決める技術 ..................................................................................... 17

    4.5. チームの活動計画を立てる技術 ........................................................................... 19

    4.6. リーダーシップ .................................................................................................... 27

    4.7. プレゼンテーション ............................................................................................. 30

    第4章 

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    基礎技術 

    4.1. 一人ひとりの知的生産性 

    ○ 一人ひとりの知的生産性が低いとチームは大混乱

    どのチームもミーティングの生産性の低さに悩みます。

    この現象には二つの原因があります。それは、

    (1) そもそも一人ひとりの知的生産性が低い(厳しいですが現実です)

    (2) チームになることでコミュニケーションが必要になりさらに生産性が下がる

    (1)の要因を取り除くには一人ひとりの訓練が必要です。(1)であるなかで(2)の

    状況が重なるので、ミーティングの生産性を高めるのは極めて難しいことになります。

    一人ひとりの知的生産活動では、例えば、

    ・事実を確認しない

    ・原因を追究しない

    ・原因と結果を筋道立てて整理できない

    などの現象がしばしば起こります。これらは成功する経営者の思考の特徴の反対になっ

    ています。コツをつかめばできることなのですが、訓練をしないとできないことです。

    ○ チームでよくある知的生産性が低い会話

    例1:最近、主婦の携帯利用が増えているらしい。この市場を狙ってはどうか。うちの母親も

    よく携帯メールをしている 

    この程度の考えから主婦市場を狙うと決めるのでは議論の土台が柔らかすぎます。何割

    の主婦が、一日に何時間携帯を使い、どのくらいお金を使っていて、その傾向は、伸びて

    いるのか、横ばいなのか、携帯を良く使う主婦にはどんな特徴があるのか、など、世の中

    に出回っている資料でかまわないので、事実を確認することが必要です。そうでないと、

    空想の会話を続けることになってしまいます。

    例2:日本にはインターネットで写真を共有するビジネスが広がっていない。だから自分達が

    やれば競合がいない 

    「なぜ広がっていないのか」を考える必要があります。日本人がそうしたサービスを好

    まないのか、他に代替するものがあるのかを調べるべきです。しかし、そのチームは、他

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    にやっているところがないとだけ考えました。何かの現象を見たときに「この現象はなぜ

    起こるのだろう」と突き詰めて、いろいろな可能性を検証していく思考習慣を身につけな

    いと、知的な生産性は高まりません。

    親孝行ビジネスをやろうと思い、先行事業者にヒアリングしたところ、我々は他の事業

    もやっているので親孝行ビジネス自体はまだ大きな売り上げにはなっていないが可能性は

    大いにあるということだった 

    これを聞いて、「確かにそうだ」と思ったら考えが浅いです。そもそも、競合にあたる先

    行事業者が本当のことを教えてくれるはずがありません。他の事業があるから売り上げが

    小さくても大丈夫というのは、親孝行ビジネスが成り立っていないので他の事業をやって

    いると考える必要もあります。

    例3:佐渡の魚が本土で流通していないのは冷凍装置を導入していないことが原因。佐渡の復

    興には冷凍装置の導入が有効 

    冷凍装置のような誰でも知っているものが導入されていないのには理由があるはずと考

    えるべきです。離島の魚を流通させるには、魚自体に魅力があること、島の冷凍装置だけ

    でなく、流通経路全体での冷凍体制が必要なことについても考える必要があります。

    例4:日本では年間 6000 万本のビニール傘が買われている。しかもその多くは忘れ物として

    処分されている。この傘を安く販売すればビジネスになる。さらにその傘に広告シー

    ルを貼れば広告料も稼げる 

    1本せいぜい 500 円程度で、壊れやすい傘をリサイクルできると考えてしまったところ

    で発想が現実を離れてしまっています。また大量の忘れ物傘があることは、広く知られて

    います。広く知られていてもリサイクルをしている事業者がいないということは、事業に

    ならない可能性が高いと考えるべきです。また、雨の日の売り上げ減という困りごとはあ

    るにせよ、せいぜい、3日に1度程度しか降らない雨の日にしか広告できないもので広告

    料を稼げると考えるのは現実的ではありません。

    最近は「論理思考が大事」と言われることが多いようです。論理思考とはものごとを筋

    道立てて考えることです。しかし、いくら筋道立てて考えても、もともとの出発点が事実

    でないなら考えたことは空想に過ぎません。「なぜだ、なぜだ」と原因を突き詰め、「本当

    にそうなのか、本当にそうなのか」と検証を重ね、事実であることにこだわり続けること

    が論理思考の本質です。架空のお話作りにならないように気をつけなくてはなりません。

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    ○ 一人ひとりの生産性を高めるトレーニング

    「文章で書いてください」と言われてもほとんど書けない人もいます。キーワードを書

    くことしかできない人もいます。その程度の知的生産性のレベルでも大学には入れます。

    大学には入れても知的生産ができなくては、事業を考えることはできません。

    文章は主語と述語があるものです。知的生産性を高めるトレーニングの第一歩は、かな

    らず主語と述語がある文章を書くようにすることです。「体言止め」も止めます。『「~は」

    「~だ」』と必ず書くようにします。これは、主語+述語の構成が知の最小単位だからです。

    主語だけでも、述語だけでも知として価値を持ちません。知の最小単位を作ることがトレ

    ーニングの最初です。もちろん、「~を」に当たる目的語を含むこともあります。

    「私」だけでは知として価値を持ちません。『「私」は「気分が悪い」』となれば、文章と

    なり価値が生じます。そして「(事業者が)私の気分を良くする」ことが事業の目的になり

    ます。『「私」は「旅行に行きたい」』であれば、「(事業者が)私を旅行に行かせる」ことが

    事業の目的になります。