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東京の都市づくりのあゆみ - 東京都都市整備局...東京の行政区画の変遷 ― 006 序 章 江戸の都市づくり| 東京の成り立ち( 1590 年代 –

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  • 「令和」新時代が始まる2019年、都市計画法・建築基準法は、その制定からちょうど100年を迎

    えます。

    この節目の年に、江戸時代から続く東京の都市づくりの変遷を振り返り、未来に繋げていき

    たいと考え、この「東京の都市づくりのあゆみ」を取りまとめました。

    現在の東京は、徳川家康の入府以降、近世都市として形成された江戸が基礎になっています。

    政治と文化の中心地となった江戸は、運河や道路の整備が進むとともに、水運が人 の々生活

    の営みを支え、水の都として栄えました。また、小石川後楽園や浅草寺など、江戸から引き継が

    れてきた歴史的資源は、今日の宝物として東京ならではの魅力となっています。

    明治に入ると、近代国家の首都にふさわしい都市へ発展させるため、新しい技術や文明が

    積極的に導入されました。そうした中、急速に進む人口の増加や市街地の拡大に伴う問題に対

    処するため確立されたのが、近代的な都市計画制度です。ほどなくして東京は、関東大震災に

    より壊滅的な被害を受けますが、後藤新平の強力なリーダーシップと帝都復興事業により、主

    要幹線道路や橋梁などが新設され、それは今もなお都市の骨格として機能しています。

    先の大戦後の東京は、人 の々復興への努力と日本経済の発展を背景に、都心部などの高度

    利用が図られるとともに、1964年の東京オリンピック開催を機に東海道新幹線や首都高速道路

    等が整備され、現代都市への改造が進みました。

    さらに近年、グローバル化の進展により国際的な都市間競争が激化する中においても東京は、

    都市再生などを通じて、さらなる魅力向上に邁進しています。

    さて、いよいよ来年に迫った東京2020大会を跳躍台として、東京がより一層の進化を遂げて

    いくには、こうして受け継がれてきた歴史・文化的な資産やインフラなどのストックを最大限生

    かし、価値を高めていくことが不可欠です。

    都市づくりに終わりはありません。都民一人ひとりの希望に満ちあふれる未来を切り開くた

    めに、マクロの視点である“鳥の目”を持って全体を俯瞰しながら、東京を世界中から選ばれる

    高度に成熟した都市として持続的に発展させ、次世代へと引き継いでまいります。

    この冊子が都民の皆さまにとって、東京の都市づくりへの理解をさらに深め、将来の東京に

    想いを馳せていただくための一助になれば幸いです。

    2019年6月

    「東京の都市づくりのあゆみ」の発行にあたって

    東京都知事

  • 東京の行政区画の変遷― 006

    序章 江戸の都市づくり| 東京の成り立ち(1590年代–1860年代) 00801 江戸の広がり― 01002 水運と河

    岸し

    地ち

    ― 012

    03 明めいれき

    暦の大たいか

    火― 01404 江戸の土地利用― 016コラム 神社と鎮守の森がずっとそこにある事の意味 藤田直子― 018

    1章 近代都市建設の黎れい明めい | 新技術の普及と首都の発展(1860年代–1910年代) 02001 鉄道技術の導入― 02202 馬車鉄道から路面電車へ― 02403 銀座煉

    れんががい

    瓦街― 02604 西洋建築の出現― 02805 官庁集中計画― 03006 東京市区改正条例― 03207 都市公園の誕生― 03408 近代的な上・下水道の整備― 03609 東京築港への道程― 03810 東京駅の開業と丸の内の発展― 040コラム 明治期の民間の都市開発について 松山 恵― 042

    2章 都市計画制度の進展|震災・戦災からの復興(1910年代–1950年代) 04401 都市計画制度の確立― 04602 関東大震災からの復興― 04803 市内交通の充実― 05004 私鉄の発達と郊外開発― 05205 東洋初の地下鉄開業― 05406 ターミナル駅周辺の整備― 05607 グリーンベルト構想― 05808 戦災からの復興― 060コラム 人間生活が主体の“協治”を説く 青山 佾― 062

    東京の都市づくりのあゆみ 目次

    3章 市街地の拡大と都市基盤の充実|高度経済成長とオリンピック(1950年代–1980年代) 06401 都市圏の拡大と首都圏の形成― 06602 高度成長期と住宅の変容― 06803 東京オリンピックと新たな都市基盤― 07004 車社会の到来と地下鉄への移行― 07205 容積地区制と超高層時代― 07406 通勤混雑と五方面作戦― 07607 多摩ニュータウン建設― 07808 都市における公害問題― 08009 新たな都市計画制度― 08210 都市再開発の転機― 08411 都市災害への備え― 086

    4章 世界都市・東京への飛躍|都市機能の集積と国際競争力の強化(1980年代–2010年代) 08801 多心型都市構造への再編― 09002 臨海副都心の開発― 09203 都心居住の回復― 09404 市街地整備の推進― 09605 第三セクターによる新しい鉄道路線の整備― 09806 防災都市づくりの強化― 10007 環状メガロポリス構造への転換― 10208 政策誘導型の都市づくり― 10409 都市再生の推進― 106コラム 人が集まる都市の住宅づくりに関する政策 鈴木雅之― 108

    5章 高度成熟都市の実現に向けて| 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会とその先(2020年代–) 11001 東京2020大会のレガシーの創出に向けて― 11202 都市づくりのグランドデザイン― 114コラム 東京の都市づくり 戦う東京・魅了する東京への挑戦 岸井隆幸― 116

    資料編 119 東京の都市づくりのあゆみ(年表)― 120

    参考文献― 126