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鈴鹿市水道ビジョン 2018 2018 年度~2026 年度 2019 年3月 鈴鹿市上下水道局

鈴鹿市水道ビジョン 2018 - Suzuka2 【『鈴鹿市水道ビジョン2018』の位置づけ】 鈴鹿市では,2016 年3月に2023 年度を目標年とする「鈴鹿市総合計画2023」を

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鈴鹿市水道ビジョン 2018

2018 年度~2026 年度

2019 年3月

鈴鹿市上下水道局

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鈴鹿市水道ビジョン 2018 目次

はじめに .......................................................................................... 1

第1章 鈴鹿市水道事業の概況 ............................................................. 5

1 水需要 ....................................................................................... 5

2 水源 .......................................................................................... 6

3 施設 .......................................................................................... 7

4 組織体制 .................................................................................. 13

5 経営状況 .................................................................................. 14

第2章 鈴鹿市水道事業の現状と課題 ................................................... 15

1 安全でおいしい水の視点 .............................................................. 15

2 安定供給の視点 .......................................................................... 16

3 事業経営の視点 .......................................................................... 20

4 これまでの取り組み状況 .............................................................. 22

第3章 鈴鹿市水道事業の目指すべき方向 ............................................. 25

1 基本方針と目標設定 .................................................................... 25

2 実現方策の方向 .......................................................................... 26

3 事業推進のためのマネジメント ...................................................... 29

第4章 目標の実現方策 .................................................................... 30

1 実現方策の具体化 ....................................................................... 30

2 施設整備計画 ............................................................................ 35

第5章 計画の評価 .......................................................................... 45

用語集 ........................................................................................... 52

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はじめに

鈴鹿市水道事業は 1947 年 9 月に給水を開始して以来 70 年を超え,その間,人口や

給水量の増加,地域の社会経済活動の発展に呼応して市民生活を支えてきました。

しかしながら,水道事業を取り巻く環境は厳しさを増しており,給水人口の減少,節

水機器の普及や市民の節水意識の向上などにより給水量は減少し,それに伴い収益も減

少しています。

一方で南海トラフ巨大地震への備えに加え,管路や施設の老朽化も進んでおり,これ

らの更新には膨大な費用が必要となることが予想されています。今後とも安定的に事業

を継続するためには,事業の効率的・効果的な実施や事業経営の効率化による事業経営

基盤の強化が必要となります。

この状況を受けて,2013 年度に厚生労働省は国内の水道事業が今後どのように進む

べきかを示した「新水道ビジョン」を公表し,取り組みの目指すべき方向性として「安

全」「強靭」「持続」を掲げ,施策の推進要素として「挑戦」「連携」を掲げています。

鈴鹿市水道事業では 2009 年度に計画期間を 2009 年度から 2018 年度までとした

『鈴鹿市水道ビジョン』を策定し,安全でおいしい水の安定供給を基本方針として様々

な事業に取り組んできました。

国の「新水道ビジョン」や上位計画となる「鈴鹿市総合計画 2023」「鈴鹿市上下水

道事業経営戦略」などとの整合を図りつつ,2018 年 4 月からの料金改定により事業推

進体制が確立されたことを受けて,新たな水道事業の目指すべき方向として,計画期間

を 2018 年度から 2026 年度とする新しい『鈴鹿市水道ビジョン 2018』を策定しまし

た。

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【『鈴鹿市水道ビジョン 2018』の位置づけ】

鈴鹿市では,2016 年 3 月に 2023 年度を目標年とする「鈴鹿市総合計画 2023」を

策定しています。この計画は「みんなで創り 育み 成長し みんなに愛され選ばれる

まち すずか」という将来都市像の実現を目指して,次の 5 つの基本的な方向性を示し

ています。

大切な命とくらしを守るまち すずか

子どもの未来を創り 豊かな文化を育むまち すずか

みんなが輝き 健康で笑顔があふれるまち すずか

自然と共生し 快適な生活環境をつくるまち すずか

活力ある産業が育ち にぎわいと交流が生まれるまち すずか

その中で,鈴鹿市の水道事業は以下の将来都市像の実現を目指します。

自然と共生し 快適な生活環境をつくるまち すずか

→都市基盤がバランス良く整い,快適に暮らしていること

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水道事業に関連する施策は,上記の「都市基盤がバランス良く整い,快適に暮らして

いること」であり,具体的な単位施策として以下のものが示されています。

危機対策の充実【対応する計画 鈴鹿市危機対策計画】

水道施設事故など上水道事業に関連する危機事象が扱われていることから,

個別対応マニュアルにもとづいて予防や迅速な活動体制を構築できるよう

図上訓練や研修などを行い,行政の対応を検証して各マニュアルの見直しを

行うことに積極的に協力します。

上下水道事業の運営【対応する計画 鈴鹿市上下水道事業経営戦略】

上下水道施設の整備や維持管理を行うため,事業の効率的な運営を推進する

とともに,適切な料金徴収を行うなど必要な財源を確保します。

水道施設の整備・維持管理【対応する計画 鈴鹿市水道施設整備方針】

鈴鹿市水道事業の整備計画の指針となる鈴鹿市水道施設整備方針(老朽管更

新基本計画などを含む)にもとづき,水道施設の整備を計画的に行い,適正

な維持管理を行います。

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新しい『鈴鹿市水道ビジョン 2018』では,「鈴鹿市総合計画 2023」や「鈴鹿市上下

水道事業経営戦略」との整合を図りつつ,示された将来都市像や単位施策の実現を目指

し,鈴鹿市水道事業の取り組みの方向性を明らかにします。

図 鈴鹿市水道ビジョンと関連計画などの関係図

【鈴鹿市水道事業の基本方針】

「鈴鹿市総合計画 2023」が実現を目指す将来都市像の実現に寄与するとともに,今

後もお客様により満足していただける水道事業を目指し,「鈴鹿市上下水道事業経営戦

略」との関係性を踏まえて,「大規模災害に備えるための安全・安心の構築」を基本方

針とします。

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第1章 鈴鹿市水道事業の概況

1 水需要

鈴鹿市の給水人口と水需要の推移を下図に示します。

給水人口は 2008 年度の 204,422 人をピークに減少傾向にあり,この 10 年間で約

4,000 人の減少となっています。

有収水量はこの 10 年間で約 7,000m3/日の減少となっています。これは給水人口の

減少に加えて,節水機器の普及や節水意識の浸透などによる生活用水量の減少,工場用

における大口需要の減少の影響によるものと考えられます。

図 給水人口と給水量の推移

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2 水源

鈴鹿市水道事業の水源は,自己水源と県水(三重県企業庁北中勢水道用水供給事業

北勢系)に大別できます。自己水源は地下水(深井戸)が 35 井(予備水源 1 井含む)

と簡易水道事業から継承した表流水4系統(予備1系統含む)であり,県水は三重県営

水道の3つの水系から3施設で受水しています。

水源別の計画取水量(第5次拡張事業第1回変更認可)と一日平均取水量(2017 年

度実績値),稼働率を下表に示します。

稼動率とは計画取水量と一日平均取水量の比率であり,西冨田水源,鈴西第2水源,

山本水源は低く,庄野水源,長澤水源,河田水源は高いことがわかります。

表 水源別の取水量と稼働率

名称 種別 数計画取水量

(m3/日)

一日平均取水量

(m3/日)

稼働率

(%)

平田水源 地下水 6井 18,700 13,112 70.1

庄野水源 地下水 4井 7,600 7,485 98.5

汲川原水源 地下水 3井 10,400 5,944 57.2

井田川水源 地下水 9井 27,700 18,243 65.9

和泉水源 地下水 3井 9,700 2,967 30.6

河田水源 地下水 5井 13,480 10,308 76.5

西冨田水源 地下水 2井 5,600 934 16.7

鈴西第2水源 地下水 1井 340 81 23.8

長澤水源 地下水 1井 513 503 98.1

庄内第2水源 地下水 1井 予備水源 - -

94,033 59,577 63.4

大久保水源 表流水 - 予備水源 - -

山本水源 表流水 - 248 69 27.8

小岐須水源 表流水 - 324 197 60.8

庄内第1水源 表流水 - 495 176 35.6

95,100 60,019 63.1

木曽川用水系 県水 - 10,000 3,613 36.1

三重用水系 県水 - 6,600 4,368 66.2

長良川水系 県水 - 2,200 1,082 49.2

18,800 9,063 48.2

113,900 69,082 60.7

地下水 小計

自己水源(地下水・表流水) 小計

県水 小計

合計

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3 施設

鈴鹿市水道事業の施設は,前述の水源に加えて浄水場,消毒施設を持つ送水場,配水

池及び配水塔,加圧ポンプ所,導水・送水・配水管で構成されています。

下図に主要な施設の位置を示します。

図 主要な施設の配置と配水ブロック(現状 2017 年度)

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1)浄水場

簡易水道事業から水道事業に統合された山本水源,小岐須水源,庄内第1水源では,

緩速ろ過池によるろ過処理と次亜塩素酸ナトリウムによる消毒処理が行われています。

2)浄水処理機能を持つ送水場

各送水場では次亜塩素酸ナトリウムによる消毒処理が行われています。なお,平田送

水場と河田送水場ではエアレーション処理とろ過処理を,庄野送水場と平野送水場では

エアレーション処理を行っています。

7 施設ある送水場のうち 5 施設では送水ポンプにより配水池へ加圧送水し,残り 2

施設では加圧配水します。

表 送水場の概要

河田送水場 広瀬送水場

施設名公称能力

(m3/日)

敷地面積

(m2)竣工年月 備考

平野送水場 37,400 11,579.54 2017年3月

平田送水場 29,100 10,185.84 2013年3月

庄野送水場 7,600 4,149.30 2007年3月

河田送水場 13,480 7,001.00 1974年3月

広瀬送水場 5,600 2,076.03 1962年3月

鈴西送水場 340 305.80 1989年3月 1988年4月上水道統合に伴う増補改良工事

長澤送水場 513 492.20 - 1999年4月1日に上水道に統合

合計 94,033 - -

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3)配水池及び配水塔,加圧ポンプ所

15 施設ある配水池及び配水塔では,送水場からの送水を受け位置エネルギーを利用

した自然流下により市内の需要者の元へ配水されています。また,地盤高が高い 2 つの

配水ブロックでは加圧ポンプにより加圧配水が行われています。

なお,残留塩素濃度管理の観点から追加の塩素注入が行われている配水池もあります。

ここで,主要な施設の高低図と現状の送配水フローを次頁以降に示します。

表 配水池等の概要

高岡配水池(PC 造) 高塚配水池(RC 造)

施設名容量

(m3)

敷地面積

(m2)竣工年月 備考

住吉配水池 15,000 9,462.00 1971年9月 更新工事中

道伯配水池 5,000 6,517.00 1964年5月

高岡配水池 10,000 6,712.00 1977年3月

国府配水池 8,200 2,882.00 1993年1月 耐震のため減量運用

国府第2配水池 8,400 18,563.00 2016年11月

大久保第1配水池 5,000 13,002.00 1994年3月

大久保第2配水池 1,000 2,902.78 2004年11月

椿一宮配水池 3,100 13,299.16 2011年3月

太陽の街配水塔 280 880.00 1991年3月

小岐須第1配水池 189 121.00 1961年8月 1999年4月1日上水道に統合

小岐須第2配水池 160 235.00 1989年3月 1999年4月1日上水道に統合

山本配水池 142 1,121.78 - 2002年4月1日上水道に統合

庄内第1配 水池 244 264.00 - 2003年4月1日上水道に統合

庄内第2配 水池 150 203.58 - 2003年4月1日上水道に統合

合計 57,765 - -

当初300m3の2池を建設し,

1968年11月20日300m3の1池を増設1961年8月2,787.60900高塚配水池

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図 水位高低図(現状 2017 年度)

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県水(三重用水系)6,600m3/日

大久保第1配水池

鈴西水源 340m3/日

長澤水源 513m3/日

県水(木曽川系)10,000m3/日

河田水源13,480m3/日

井田川水源27,700m3/日

和泉水源9,700m3/日

西富田水源5,600m3/日

庄野水源7,600m3/日

汲川原水源10,400m3/日

平田水源18,700m3/日

大久保第2配水池大久保第2配水ブロック

210m3/日

山本配水池

小岐須配水池

庄内第1配水池

山本配水ブロック363m3/日

小岐須配水ブロック239m3/日

庄内第1配水ブロック444m3/日

庄内第2配水池庄内第2配水ブロック

325m3/日

高岡配水池高岡加圧ブロック(東)

455m3/日

高岡配水ブロック15,752m3/日

国府配水池国府配水ブロック

10,220m3/日

高塚配水池高塚配水ブロック

990m3/日

住吉配水池道伯配水池

住吉・道伯配水ブロック25,087m3/日

太陽の街配水ブロック554m3/日

太陽の街配水塔

連絡管

山本水源 248m3/日

小岐須水源 324m3/日

庄内第1水源 495m3/日

河田送水場13,480m3/日

庄野送水場7,600m3/日

平田送水場29,100m3/日

平野送水場37,400m3/日

広瀬送水場5,600m3/日

県水(長良川系)2,200m3/日

椿一宮配水池

高岡加圧ブロック(西)1,609m3/日

大久保第1配水ブロック930m3/日

椿一宮配水ブロック4,754m3/日

※水源水量は第5次拡張変更認可による計画取水量を示す。 送水場の水量は施設の公称能力を示す。 配水ブロックの水量は2017年度の一日最大給水量を示す。

国府第2配水池国府第2配水ブロック

12,038m3/日

図 送配水フロー(現状 2017 年度)

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4)導水管,送水管,配水管

鈴鹿市内には原水を送水場などに送る導水管が約 17km,浄水を配水池に送る送水管

が約 30km,配水池から需要者のもとに浄水を配る配水管が約 1,300km 布設されてい

ます。

管路に採用されている管種は,ダクタイル鋳鉄管が最も多く約 65%を占めており,

次に硬質塩化ビニール管が約 30%となっています。耐震補強や更新に合わせて耐震型

管路を採用しています。

老朽管には鉄道軌道下や国道を横断する難工事路線も残っています。

5)緊急取水拠点施設

緊急時においても応急給水を受けられる施設として,以下の 11 施設を設定していま

す。

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4 組織体制

鈴鹿市上下水道局の 2017 年 3 月 31 日現在の組織体制は下図に示すとおりです。

全職員は 110 人(管理者,臨時職員,嘱託職員,再任用短時間勤務職員を除く)で

あり,うち技術職と技能職の割合は約 72%となっています。

図 鈴鹿市上下水道局の組織体制図

次長

上下水道総務課

下水道工務課

管理者(局長)

経理課

営業課

給排水課

水道工務課

水道施設課

総務グループ

契約調達グループ

水道経理グループ

下水道経理グループ

料金グループ

下水道普及グループ

給水グループ

排水設備グループ

計画グループ

建設グループ

受託グループ

維持管理グループ

計画グループ

下水道第一グループ

下水道第二グループ

維持管理グループ

施設グループ

中央管理室

水質グループ

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5 経営状況

公営企業会計の概要を整理したものを下図に示します。

図 公営企業会計のイメージ

これを踏まえ,鈴鹿市水道事業の 2017 年度の決算状況を以下に整理します。

収益的収支(水道事業の管理・運営に関する収支)について,収益が約 41 億円で料

金収入が約 34 億円を占めています。費用が約 37 億円でその大部分を減価償却費と維

持管理費が占めています。その結果,約 4 億円の黒字となっています。

資本的収支(水道施設の建設・改良などに関する収支)について,収入は約 17 億円,

支出は約 30 億円で建設改良費(施設の整備や更新費用)と企業債償還金に使われてい

ます。その結果,約 13 億円の不足となりますが,補填財源(内部留保資金)で補填し

ています。

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第2章 鈴鹿市水道事業の現状と課題

1 安全でおいしい水の視点

1)浄水処理方法

地下水系について,一部の井戸からは地質由来の鉄・マンガンが微量検出されており,

その動向に引き続き監視が必要です。長澤水源及び鈴西第2水源は地質由来のヒ素が検

出されるので監視が必要です。

表流水系について,野生動物由来と思われる大腸菌及び嫌気性芽胞菌の検出が認めら

れるため,クリプトスポリジウムなどの耐塩素性病原微生物対策として,浄水施設の維

持管理を適正に行う必要があります。また,山本水源及び小岐須水源は自然由来のヒ素

が検出されるので監視が必要です。

さらに,現在の浄水処理で対応できないことが予想される場合は浄水処理方法の変更

の検討や水源の変更(他の水源や県水への切り替えなど)を検討する必要もあります。

2)水安全計画

水道水の安全性を一層高め,安心しておいしく飲める水道水を安定的に供給していく

ためには,水源から給水栓に至る統合的な水質管理を実現することが重要です。

国の「新水道ビジョン」でも統合的アプローチにより水道水質管理水準の向上を図る

ことが重点施策として掲げられており,「水安全計画」の策定が位置づけられています。

鈴鹿市水道事業においても「水安全計画」が策定され,この計画にもとづいた運用が

行われています。

3)自己水源の保全

鈴鹿市では 2006 年度に水道水源流域を保全するため,鈴鹿市水道水源流域保全条例

を制定し,適正に運用してきました。

また,自己水源の大部分を占める地下水は定期的な更生工事が不可欠であるため,井

戸能力の低下が大きい取水井から順次更生工事を実施し,井戸能力維持・水量確保を図

りますが,水需要の減少見通しを考慮してダウンサイジングも含めた最適な対応を検討

する必要があります。

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2 安定供給の視点

1)地震への対応

近年,発生確率の高まっているとされる南海トラフ巨大地震では,鈴鹿市でも甚大な

被害が予想されており,その対応の必要性が高まっています。

送水場や配水池などの施設における耐震化の対応は順次進めており,耐震化率は高ま

っています。また,その効率的な取り組みとして,国府配水池では運用水位の見直しに

より耐震性能を確保しコスト縮減にも寄与しています。

一方で,地震時に甚大な被害が予想される管路の耐震化については,基幹管路の耐震

化率は年々増加していますが,後述する老朽化対策による更新事業と合わせて,今後も

継続して効率的・効果的に取り組む必要があります。

表 今後耐震化などの整備が必要な施設

No. 施設名 竣工年月 調査年度 調査結果(※) 備考

1 住吉配水池 1971 年 9 月 2006 年度 L1:未対応

L2:対応不可

2017 年度 更新

(耐震化)着工

2 高岡配水池 1977 年 3 月 2007 年度 L1:対応

L2:未対応 -

3 広瀬送水場 1962 年 3 月 2010 年度 耐震性能不足 -

4 高塚配水池 1961 年 3 月 2010 年度 耐震性能不足 -

5 河田送水場 1974 年 3 月 2009 年度 L1:対応

L2:未対応 -

L1(地震動レベル 1):おおよそ震度 5(弱)以上のレベル

L2(地震動レベル 2):おおよそ震度 7 相当のレベル

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2)その他リスクへの対応(危機管理対応)

危機管理(地域防災計画)に着目すると,地震以外の危機事象(風水害,停電,土砂

災害,津波など)への対応についても検証する必要があります。

また,災害対策や減災対策においては,耐震化事業のような被害を抑える事前対策に

加えて,被災後にその影響を極小化するための応急復旧計画のような事後対策も不可欠

であり,「鈴鹿市地域防災計画(平成 29 年度修正)」の災害予防・減災対策計画,災害

応急対策計画などでは,水道事業が行うべき対応としてライフライン施設の安全対策計

画,備蓄資機材・機材などの整備計画,給水計画,ライフライン施設の応急対策計画が

示されています。

さらに,近年では事業継続計画(BCP)での取り組みも始まっており,災害時にお

ける水道事業の継続(応急給水も含めた供給体制の確立)という視点での取り組みも必

要になるといえます。

3)老朽化対策

水道事業の創設から 70 年以上が経過し,施設,設備,管路の老朽化が進行していま

すが,アセットマネジメントの考え方にもとづいて施設や設備について着実に更新が進

められています。

施設(構造物)については,前述の耐震化に合わせて劣化調査を実施し,劣化が著し

いと確認された場合には全面更新を実施しています。

設備については,定期的な点検を実施し,適切な維持管理その結果を踏まえた必要な

修繕などを実施するとともに,定期点検も踏まえ大規模更新も実施しています。

管路については,2012 年度に「老朽管更新基本計画」と「短期的管路更新計画(2022

年度までの 10 年間)」が策定され,それにもとづいて効率的・計画的に事業を進めて

います。

今後は,更新事業の推進と合わせて延命化や長寿命化,それに伴う維持管理の強化,

修繕対応の増加に対する財源確保や体制の確立などについても検討する必要がありま

す。

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図 短期的管路更新計画イメージ(老朽管更新基本計画より)

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4)投資の課題の整理

「鈴鹿市上下水道事業経営戦略」においても投資の課題とその解決として以下の項目

が整理されています。

管路事故の未然防止のため優先度が高い管路から更新を実施しているが,総事業費

として約 870 億円の投資を要する。

送水場や配水池についても耐震化等に多額の費用投資を要する。

人口分散に応じて多数の配水ブロックを配置しており,自己水源や送水場などの施

設を複数保有しているため,規模の最適化や有効利用について検討が必要である。

耐震化工事,更新投資は,多額の費用が予想されるため,財政負担を考慮し,投資

の平準化を図るほか,配水ブロック毎の状況に応じて規模の適正化や有効利用につ

いて長期的な視点で投資計画を策定することが重要。

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3 事業経営の視点

1)水需要の見通し

給水人口の見通しについては,上位計画となる「鈴鹿市総合計画 2023」で示された

推計結果にもとづいて推計を行いました。今後も微減傾向が継続するため,2021 年度

には給水人口は 200,000 人を下回ることとなります。

給水量の見通しについては,まず用途別(生活用,業務・営業用,工場用,その他用)

に推計を行いました。これまでの減少傾向が継続するものとしますが,新名神高速道路

延伸に伴う鈴鹿 PA スマート IC の整備などの新規開発を考慮することにより,微減傾

向であると考えました。

ここで,給水人口と有収水量の見通しの結果を下図に示します。

※図中の数値は 2017 年度と 2026 年度の値

図 給水人口と有収水量の見通し

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2)財政収支の見通し

「鈴鹿市上下水道事業経営戦略」における財政試算の結果では,収支ギャップが発生

することが予想されていましたが,資金不足を解消し適切な資金水準を確保するために

2018 年 4 月から料金を改定しました。これによって,中長期的に健全な経営を継続す

ることができるようになります。

3)組織体制のあり方

今後も耐震化事業,老朽化対策などによる一定の事業量が継続的に見込まれています。

さらに,日常的な維持管理や運転管理への対応も必要であり,限られた人員で対応する

ためには合理的な業務執行体制の確立が必要といえます。

具体的には,業務委託の対象範囲の拡大が想定されますが,各種業務の委託対象を拡

大するためには,それを監理するためのスキルも必要となることから,技術の継承と次

世代の人材育成も重要となってきます。

4)お客様サービス

「鈴鹿市上下水道事業経営戦略」では,収支ギャップ解消のためにお客様にも負担を

求めることを鈴鹿市上下水道事業経営審議会から提言されています。そのような負担を

求めるにはお客様サービスの充実が不可欠であるといえます。

サービスの充実のためには,双方向のコミュニケーションによりニーズ(お客様に必

要なもの),シーズ(水道事業が提供できるサービス),ウォンツ(お客様に求められて

いるもの)を適切に把握する必要があります。

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4 これまでの取り組み状況

2009 年度に策定した『鈴鹿市水道ビジョン』では,具体的な施策を明確にし,その

実現に向けて取り組んできました。

『鈴鹿市水道ビジョン』で掲げられた具体的な施策とその実施状況について整理した

ものを下表に示します。

具体的な施策の多くは継続して実施する必要があるものであり,新しい『鈴鹿市水道

ビジョン 2018』においても継続的に実施していく必要があります。

表 これまでの施策の取り組み状況(その1)

【目標 経営基盤の強化と計画的な事業の推進】

施策の方向 事業計画 これまでの取り組み状況や成果など

個別計画を策定

水道ビジョン(H26見直し)では,事業進捗率31.4%

経営戦略を策定(平成29年度)

包括業務委託の導入(第一環境)

修繕工事の外部委託

(鈴鹿市水道局宿日直等業務及び緊急関連修繕業務委託)

太陽光発電設備を導入

・平田送水場10kW

・平野送水場10kW

庁舎へ太陽光発電機導入の検討

省電力機器を導入

・高効率変圧器(平田送水場,平野送水場,広瀬送水場,高岡配水

池,平田1号水源,汲川原2号水源,井田川5号水源)

・高効率電動機(平野送水場送水ポンプ)

・送風機インバーター制御(平田送水場,平野送水場)

駐車場の街灯をLED化

中長期的財政収支に基づく

計画的な施設整備施設整備計画,財政収支計画の推進

事業の効率化 民間的経営手法の導入業務検討

省エネルギーへの取り組み

新エネルギーの導入を検討

資源エネルギーの削減

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表 これまでの施策の取り組み状況(その2)

【目標 安全・安心な給水の確保】

表 これまでの施策の取り組み状況(その3)

【目標 安定した給水の確保と災害対策】

施策の方向 事業計画 これまでの取り組み状況や成果など

水質検査計画及び結果の公表 水道法に基く検査計画の策定及びHPへの掲載

水質に関する情報提供 HPへ掲載及び窓口へ全項目試験結果(台帳)を配備

水安全計画の管理運用 水安全計画を策定(平成24年度)し,それにもとづく取り組みを実施

浄水処理方式の改善

平田送水場で,地下水に含まれる遊離炭酸を除去しpH値を調整するエ

アレーション設備と,鉄・マンガンを除去するろ過機を設置

平野送水場と庄野送水場で,更新工事にてエアレーション設備を設置

河田送水場で,既設のろ過機の制御弁,電気設備の取替及びろ材の入

れ替え等のオーバーホール

保全条例の適正な運用及び周知

開発事業の事前協議があった場合には条例に基き,条例適用かどうか

の判断を実施

周知については,リーフレットを作成し窓口に配備

能力調査を実施(H25.3)

更生工事を実施(平田1号南水源,河田2号水源)

水質検査内容の充実

信頼性の高い水道水の供給

地下水の保全・確保

水源井更生工事の実施

施策の方向 事業計画 これまでの取り組み状況や成果など

老朽化施設の更新 老朽化施設の更新 耐震化工事と合わせて実施(基幹施設の耐震化 参照)

老朽管更新基本計画に基づく対策 住吉・高岡配水ブロックにて,工事予定

基幹施設の耐震化 配水池などの耐震工事

基幹管路耐震化率:約41%

送水場耐震化率:約79%

配水池耐震化率:約45%

※2017年度末

災害対策マニュアルの見直し 組織統合に伴い,災害対策マニュアルの見直し

緊急取水拠点施設の運用訓練強化定期的に訓練を実施

緊急取水拠点施設の運用訓練以外も,定期的に訓練を実施

鈴鹿市情報セキュリティ基本方針に従って対応

必要な研修に参加

人員については,適材適所に配置人材育成及び技術力の継承

応急体制の強化

情報セキュリティ対策の策定

積極的な外部研修への参加と

適正な人員人材の確保

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表 これまでの施策の取り組み状況(その4)

【目標 水道サービスの充実】

施策の方向 事業計画 これまでの取り組み状況や成果など

広報活動などの充実 情報提供内容の見直し,拡充 HPの更新など

PR活動の実施 HPの更新,お料理教室・親子水道教室の開催など

お客様サービスの向上 新たな料金収納方法の調査検討 クレジット払いの導入(平成26年度~)

低水圧地域の解消整備

配水ブロックに切替に伴い,有効水頭25m以上の確保に向けて継続中

・住吉配水ブロックで低圧解消工事を平成27年度から実施し,平成32

年度で工事完了予定

・バックアップルートを平成32年度までに整備予定

国府第2配水池整備により直圧給水可能エリアが増加

3階までの新規給水申込み者に対しては,直結給水

※基本は直結給水で,受水槽設置には理由が必要

※既存の受水槽の切り替えは積極的に求めていない

貯水槽水道の適正管理の指導貯水槽台帳にて管理(年1回の更新で実態把握)

事務員が抜き打ちで貯水槽のチェックを実施

指定工事業者に対して,技術講習会を実施中

平成24年度にHPPEの技術講習会を実施

※指定給水装置工事業者の技術レベルの確保に努める(本管工事が伴

う場合は,本管工事業者も同行)

直圧給水の拡大誘導

技術講習会の実施

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第3章 鈴鹿市水道事業の目指すべき方向

1 基本方針と目標設定

1)基本方針

「鈴鹿市総合計画 2023」が実現を目指す将来都市像の実現に寄与するとともに,今

後もお客様により満足していただける水道事業を目指し,「鈴鹿市上下水道事業経営戦

略」との関係性を踏まえて,

「大規模災害に備えるための安全・安心の構築」

を基本方針とします。

2)目標設定

「大規模災害に備えるための安全・安心の構築」の実現に向けて,鈴鹿市水道事業の

抱える問題や課題を踏まえ,厚生労働省の「新水道ビジョン」で示された基本目標であ

る「安全」「強靭」「持続」の観点から,これまでの取り組みの継続性も考慮して3つの

目標を設定します。

【安全】

安全・安心な給水の確保

【強靭】

安定した給水の確保と災害対策

【持続】

運営基盤の強化と水道サービスの充実

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2 実現方策の方向

鈴鹿市水道事業の抱える問題や課題を解消し,3つの目標を達成するための実現方策

の方向を以下のとおり設定します。

これまでの実現方策の多くを継続的に実施することになります。

1)【安全】安全・安心な給水の確保

【問題や課題】

一部の水源の原水水質に懸念

水安全計画の定期的な見直しが必要

自己水源の保全とともに,井戸能力の最適化を図る

【実現方策の方向】

水質管理体制の強化

→水安全計画の確実な運用(PDCA サイクルによる管理)

水源の保全と水需要の減少への対応

→水源の保全

→水源の維持管理(最適能力維持のため,計画的な更生工事や更新工事の実施)

また,経営戦略における今後の取り組みとして,以下の項目が掲げられています。

項目 検討内容

投資の合理化 ・施設の規模,配水ブロックの最適化やダウンサイジン

グを行い,工事費を削減

「水」の安定供給体制の確保 ・維持管理体制,水質検査体制の強化

・専門性の高い職員の育成,職員の固定化

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2)【強靭】安定した給水の確保と災害対策

【問題や課題】

耐震化されていない基幹施設等の耐震化(継続事業)

危機管理対策(事業継続計画:BCP などソフト面での取り組み)

【実現方策の方向】

耐震化の推進

→施設(土木構造物,建築構造物)の耐震化

→管路の耐震化

応急体制の充実(総合的な危機管理)

→事業継続計画の策定

→定期的な訓練の実施

老朽施設などの更新

→設備更新

→管路の更新

また,経営戦略における今後の取り組みとして,以下の項目が掲げられています。

項目 検討内容

投資の合理化

・管路や施設の規模,配水ブロックの最適化やダウンサ

イジングを行い,工事費を削減

・工事形態に適合することを確認した上で管種変更等に

よる工事費の削減を検討

「水」の安定供給体制の確保 ・維持管理体制の強化

・専門性の高い職員の育成,職員の固定化

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3)【持続】運営基盤の強化と水道サービスの充実

【問題や課題】

水需要の減少が予想される

事業執行体制の確立,技術の継承と人材育成

お客様サービスの充実

【実現方策の方向】

計画的・効率的な事業推進(アセットマネジメントや経営戦略)

事業執行体制の強化

お客様とのコミュニケーションの充実

周辺事業体や民間などとの連携に関する取り組み

また,経営戦略における今後の取り組みとして,以下の項目が掲げられています。

項目 検討内容

経営基盤の強化

・施設更新後の跡地の売却

・広告収入等による自主財源の確保

・システム更新による事務効率向上等により,時間外勤

務時間の削減や人員を適正化

・省電力機器の導入,電動機のインバータ化等,イニシ

ャルコストやランニングコストを検証し,縮減を検討

お客様サービスの向上 ・各種手続きがよりスムーズになるよう組織・機構を見

直し,お客様サービスセンター(仮称)の設置を検討

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3 事業推進のためのマネジメント

1)事業の進捗管理

『鈴鹿市水道ビジョン 2018』で掲げる実現方策の進捗管理では,以下に示すことを

実施します。

施策の進捗状況の定期的な公表

定期的な資産状況の把握と財政収支見通しの見直し(アセットマネジメント 経営

戦略)

事業進捗に合わせた定期的な個別計画の見直し

取り組み状況の中間評価

2)フォローアップ

事業の進捗管理とともに,より確実な事業推進のためのフォローアップとして,PD

CAサイクルの考え方にもとづいた管理を行います。

計画にもとづいた事業などの進捗状況を把握し,その結果を踏まえた計画や事業実施

体制などの見直しなどを適宜実施します。

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第4章 目標の実現方策

1 実現方策の具体化

1)【安全】安全・安心な給水の確保

安全でおいしい水を確保するために,水質管理体制の強化を図るとともに水源の保全

にも取り組みます。

(1)水質管理体制の強化

水道水の安全性を一層高め,安心しておいしく飲める水道水を安定的に供給していく

ためには,水源から給水栓に至る統合的な水質管理を実現することが重要であり,統合

的アプローチにより水道水質管理水準の向上を図るための「水安全計画」が策定され,

その運用を行っています。

また,運用において明らかになった問題や課題などに対する改善や見直しを行い,水

道水質管理水準のさらなる向上を目指します。

さらに,原水水質の継続的な監視を実施し,必要に応じて浄水処理方法や水源の在り

方などを検討します。

(2)水源の保全と水需要の減少への対応

鈴鹿市水道事業の水源は自己水源と県水ですが,自ら管理し安価である自己水源(地

下水)を中心として運用することを基本とします。豊富な自己水源を維持するために,

深井戸は計画的な更生工事や更新工事を実施し,維持管理に努めます(施設整備計画と

して整理)。

さらに,今後の水需要の減少も視野に入れて運用の最適化についても必要に応じて検

討します。

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2)【強靭】安定した給水の確保と災害対策

安定した給水を確保するために,老朽化施設などの更新を推進するとともに,その他

施設の耐震化も効率的に推進します。

また,災害対策について,被害の発生を抑える事前対策である施設などの耐震化と並

行して計画的に対応できるよう,災害発生後の事後対応となる応急体制の整備にも取り

組みます。

(1)耐震化の推進

鈴鹿市でも甚大な被害が予想されている南海トラフ巨大地震の発生確率が高まって

おり,被害の発生を抑える(事前対策)ために現時点で耐震性能が確保されていない施

設や管路の耐震化を優先的に実施します。管路の耐震化については,前述の更新事業と

合わせて実施や重要施設への供給管路の優先的な耐震化など,効率的・効果的な手法を

検討します。

なお,耐震化などの詳細は後述の施設整備計画に整理します。

(2)応急体制の充実

減災の視点で考えると,事前対策となる耐震化に加えて被災後の影響を抑えるための

事後対策となる応急体制の確立及び充実に取り組む必要があります。

また,地震だけでなくそれ以外の危機事象(風水害,停電,土砂災害,津波など)へ

の対応も含めた総合的な危機管理について検討します。近年では事業継続計画(BCP)

での取り組みも始まっており,災害時における水道事業の継続(応急給水も含めた供給

体制の確立)という視点での検討も進めます。

さらに,危機管理マニュアルなどで応急体制などを整理するだけでなく,それらを実

効性のあるものとするための定期的な訓練の実施に努めます。

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(3)老朽化施設などの更新の推進

老朽施設や設備,管路の更新はこれまでも取り組んできましたが,安定的な供給を確

保するためには水道事業が存続する限りこれらの更新は継続的に実施しなければなり

ません。効率的・効果的に実施するために,アセットマネジメントの考え方にもとづい

て取り組むこととし,特に水道資産の大部分を占める管路の更新は計画的に取り組みま

す。

また,維持管理の強化や最新技術の導入による施設の延命化や長寿命化を図るととも

に,今後の水需要の減少も視野に入れて,能力の最適化(ダウンサイジング)や統廃合

にも必要に応じて取り組みます。

なお,施設更新などの詳細は後述の施設整備計画に整理します。

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3)【持続】経営基盤の強化と水道サービスの充実

経営基盤の強化を図るため,アセットマネジメントや「鈴鹿市上下水道事業経営戦略」

にもとづいた計画的・効率的な事業推進に取り組むとともに,事業推進に必要となる事

業執行体制の強化に取り組みます。

(1)計画的・効率的な事業推進

今後水需要が減少傾向にあり,給水収益の減少も想定され,水道事業経営に影響を与

える可能性があることを踏まえて,アセットマネジメントや鈴鹿市上下水道事業経営戦

略において検討される中長期の財政収支見通しにもとづいて,計画的・効率的な事業推

進が必要となります。なお,鈴鹿市上下水道事業経営戦略では投資計画・財政計画を策

定し,毎年度計画のモニタリングを実施し,企業経営に反映します。

また,経営基盤の強化という視点で鈴鹿市上下水道事業経営戦略において示された

様々な施策に取り組みます。

(2)事業執行体制の強化

今後も耐震化事業,老朽化対策などによる一定の事業量が継続的に見込まれ,日常的

な維持管理や運転管理への対応も必要であり,限られた人員で対応するためには合理

的・経済的な業務執行体制の強化が必要となります。

システム更新による事務効率向上などで時間外勤務時間の削減や人員の適正化に加

えて,技術の継承と(次世代の)人材育成の視点での取り組みも検討します。

(3)お客様とのコミュニケーションの充実

水道サービスの充実として,各種手続きがよりスムーズになるように組織・機構を見

直しに努めます

(4)周辺事業体や民間などとの連携に関する取り組み

業務委託の対象範囲の拡大,三重県が中心となる広域化や広域連携への協力,上下水

道事業が一体となった取り組みの検討などを行います。

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4)実現方策のまとめ

実現方策を体系的に整理したものを,下図に示します。

た め

安全・安心な給水の

確保

安定した給水の確保と災害対策

運営基盤の強化と

水道サービスの充実

水質管理体制の強化

水源の保全

耐震化の推進

応急体制の充実(総合的な危機管理)

老朽施設等の更新の推進

基本方針 目標 実現方策の方向 実現方策

計画的・効率的な事業推進

事業執行体制の強化

お客様とのコミュニケーションの充実

水安全計画の運用【継続】

浄水処理方法等などの検討【継続】

井戸の維持管理【継続】(保全条例の適正な運用)

水源能力の最適化

老朽施設の更新【継続】

老朽設備の更新【継続】

老朽管路の更新【継続】

計画にもとづく施設耐震化【継続】

計画にもとづく管路耐震化【継続】

応急体制の確立と充実【継続】

定期的な訓練の実施【継続】

経営戦略で示された施策の取組み

アセットマネジメントや経営戦略にもとづくモニタリングの実施

人材の育成と技術の継承【継続】

新たな経営手法の導入検討

お客様サービスセンターの設置検討

広報活動の充実【継続】

サービスの向上【継続】

周辺事業体や民間などとの連携に関する取り組み

図 目標達成のための実現方策の体系

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2 施設整備計画

鈴鹿市の現在の水道事業運用計画である第5期拡張事業が期間満了を迎えることを

受け,「鈴鹿市上下水道事業経営戦略」や『鈴鹿市水道ビジョン 2018』の策定に合わ

せて,財政収支見通しと整合した「鈴鹿市水道施設整備方針」で施設整備計画(20 年

後の 2036 年度を見通した今後 10 年間の具体的な計画)を整理しました。

1)水源計画

整備方針などで示したとおり,余裕のある自己水源を活用して取水量の確保が困難な

水源の能力の適正化(重点監視により今後の取り扱いを決定)を図ります。計画期間内

では以下に示すとおりとします。

西冨田水源

高塚配水ブロックの拡大に合わせて,取水量を増加させます。

井田川水源

高塚配水ブロックの拡大に合わせて,余裕分を広瀬送水場に導水します。

また,取水量を確保するために取水データの分析や定期的な揚水試験を行い,その結

果を踏まえた修繕や改修,必要に応じて掘り替えなどを適宜実施します。

一方で,水需要(配水ブロックごとの水量)とのバランスから,現状の水源能力には

余裕があることも確認できました。よって,計画的に定期的な更新(掘り替え)ではな

く,日常の維持管理(取水データの分析や定期的な揚水試験など)において水源状況を

把握し,必要に応じて掘り替えなどの更新を実施します。取水ポンプなど設備的な側面

については,後述のとおり状態監視保全により修繕や更新により対応します。

2)旧簡易水道水源の休止を含む見直し

旧簡易水道の水源は以前から濁水や渇水による取水停止が頻発しており,これは浄水

施設を改良,改修,更新しても改善が見込まれないことから,その代替水源を確保した

上で段階的にこれらの水源の休止を含めてそのあり方を検討します。

具体的な代替水源として鈴鹿市による水源施設整備が不要となる県水への1本化や,

供給安定性と既存施設の有効活用を目指す県水と自己水の2系統化などが考えられ,中

長期的な視点での比較により最適な手法を検討します。

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3)管路更新計画

2012 年度に策定された老朽管更新基本計画について,その進捗状況を反映するとと

もに,具体的な更新内容が既に決まっている管路,施設整備に伴う管路,重要ルートと

して早期の更新が必要な管路の整備,対応に時間を要する鉄道軌道下や国道横断箇所な

どの新たな要素を追加し,老朽管更新計画(短期的管路更新計画)を見直しました(次

図参照 主要箇所のみ表示)。

以上により,基幹管路などの耐震化率は2017年度の39%から,2026年度には49%,

2036 年度には 61%となる見通しであり,「鈴鹿市上下水道事業経営戦略」で掲げられ

た目標の達成を目指します。

更新完了時期:89年後→104 年後 総事業費:約 870 億円→約 1,362 億円

図 管路更新計画(①事業化確定分)

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図 管路更新計画(②老朽管更新計画分(短期的管路更新計画))

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図 管路更新計画(③計画期間内の対象管路 ①+②)

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4)施設整備計画

(1)広瀬送水場・高塚配水池

旧簡易水道エリアを除くと最も古い施設である広瀬送水場と高塚配水池は,優先的に

更新することとします。

【広瀬送水場】

基本的には既存施設の更新(と更新に合わせた耐震性能の確保)となりますが,高塚

配水ブロックの拡大に伴う配水量の増加に対応するために,施設規模の見直し(増強)

が必要となります。

また,井田川水源からの導水(自己水源の有効活用)に対応する導水管整備や高塚配

水池への送水管整備(送水量の増加に伴う口径の検討)も必要となります。

【高塚配水池】

基本的には既存施設の更新(と更新に合わせた耐震性能の確保)となりますが,高塚

配水ブロックの拡大に伴う配水量の増加に対応するために,配水容量の見直し(増量)

が必要となります。

また,高岡加圧配水ブロックの取り込みに伴う配水管整備も必要となります。

※既存用地は「文化財保護法にもとづく事前の遺跡調査対象区域」であることから,その調査結

果次第では既存用地で更新ができない可能性もあります。その場合は整備方針の再検討も含めた

対応が必要となるため,早期に確認が必要です。

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(2)河田送水場・高岡配水池

【河田送水場】

基本的には既存施設の更新とそれに合わせた耐震性能の確保となりますが,高岡配水

ブロックの縮小に伴う処理水量の減少に対応するために,水源状況などを踏まえて施設

規模の見直し(ダウンサイジング)や送水場自体の統廃合も視野に入れた再検討が必要

となります。

【高岡配水池】

高岡配水池は現行の耐震工法指針にもとづいて耐震診断の見直しを実施し,運用水位

の見直し(配水池の満水位を 3.0m 下げる)により耐震性能を確保できることを確認し

ました。また,詳細劣化調査により当面は維持管理による対応が可能と判断できたため,

更新は劣化状況を適切に把握したうえで適切な時期に実施することとしました(今回の

事業計画期間内での更新は行わない)。

なお,高岡配水池が更新時期となった場合は,その時の水需要動向なども考慮して最

適な施設能力を検討します。

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(3)施設耐震化率

2017 年度現在,送水場の耐震化率は 79%,配水池の耐震化率は 45%となっていま

す。

これを広瀬送水場,高塚配水池,河田送水場の更新と高岡配水池の運用水位を低下す

ることで,2026 年度末でそれぞれ 84%,96%に,2036 年度末で 99%,98%とする

「鈴鹿市上下水道事業経営戦略」で掲げる目標を達成します。

表 本計画における配水池の耐震化方針

No. 施設名 竣工年月 調査年度 調査結果(※) 備考

1 住吉配水池 1971 年 9 月 2006 年度 L1:未対応

L2:対応不可

2017 年度 更新

(耐震化)着工

2 高岡配水池 1977 年 3 月 2007 年度 L1:対応

L2:未対応

運用水位の見直し

により L2 対応

(2019 年 2 月~)

3 広瀬送水場 1962 年 3 月 2010 年度 耐震性能不足 全面更新により L2

対応

(広瀬送水場は計

画期間内に対応) 4 高塚配水池 1961 年 3 月 2010 年度 耐震性能不足

5 河田送水場 1974 年 3 月 2009 年度 L1:対応

L2:未対応

全面更新により L2

対応

L1(地震動レベル 1):おおよそ震度 5(弱)以上のレベル

L2(地震動レベル 2):おおよそ震度 7 相当のレベル

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5)設備更新計画

機械・電気設備は,地下に埋設され正確な状況が把握・確認できない管路などとは異

なり,正確な状況が点検などにより確認でき,修繕による対応(一部部品の調整や交換)

でのさらなる延命化も可能です(状態監視保全)。現在の鈴鹿市における設備の維持管

理においても,点検や修繕履歴,予算状況なども踏まえて更新対象設備を選定し,設備

更新を行っています。

このことを踏まえて,標準使用年数(法定耐用年数ではなく,鈴鹿市の実績なども反

映した技術的な視点での標準的な更新サイクルのことで,長寿命化・延命化を目指した

もの)にもとづく設備更新計画による長期的な見通し(時間計画保全,時間基準保全)

を立てるとともに,長期的な見通しを踏まえて状態監視保全にもとづく短期的な更新計

画や更新事業への落とし込みを行うこととします。ただし,中央監視制御設備など時間

計画保全での更新が望ましい設備は,標準使用年数にもとづいた更新を行うこととしま

す。

以上より,長期的な更新需要の見通しを把握するために,まず,現状のすべての機械

設備,電気設備に対して機能診断を実施し,現状での更新の必要性を定量的に評価しま

した。

次に,標準使用年数を設定して長期的な更新需要を推計しました。

最後に,他の施設整備状況やすでに予定されている更新対象などを考慮するとともに,

鈴鹿市における設備更新の状況を考慮して,短期的な平準化(概ね 10 年間)を行った

設備更新計画を策定しました。

なお,設備更新に際しては施設規模の最適化などを検討するとともに,省エネルギー

に寄与する設備に改修し,二酸化炭素排出抑制を目指すことを基本とします。具体的に

は,送水ポンプなどの流量制御を「バルブの開度による制御」から「回転数による制御」

に改修することにより,電力使用量の削減に寄与することなどを予定しています。

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6)年次計画と年度別事業費【投資計画】

整備項目に対しての整備優先順位(年次計画)については,以下の考え方にもとづい

て設定しました。この整備優先順位を踏まえた段階的な施設整備は,下図に示すとおり

となります。

投資の必要がなく配水池水位の変更で耐震性能が確保できる高岡配水池の水運用

の変更を最優先で実施します。

河田水源の能力見直し(ダウンサイジング)を実施するためには,高岡配水ブロッ

クの見直し(縮小)が前提条件となります。そのためには広瀬送水場と高塚配水池

の整備が必要となるため,優先的に対応する必要があります。

→また,広瀬送水場と高塚配水池は老朽化が進んでいるため,優先的に整備する必

要があるともいえます。

管路更新は老朽管更新計画(短期的管路更新計画)にもとづいて継続的に実施し,

設備更新は日常の点検などにもとづいて適宜優先順位を設定します。

高岡配水池の水位を下げて運用し、耐震性を確保

広瀬送水場を全面更新(現在地の近傍)水源関係の整理に合わせた整備

高塚配水池の整備(整備方法の詳細検討必要)高岡/高塚配水ブロックの再編(加圧の解消)

最適化後の高岡配水ブロックの規模に合わせた河田送水場の整備(整備方針の詳細検討必要)

県水または自己水の有効活用で旧簡水水源の取水量低下に対応(施設整備方針の詳細検討必要)

設備更新

(短期的管路更新計画)

鈴鹿市水道ビジョン2

018

計画期間

管路更新計画

2026年度

2036年度

鈴鹿市水道施設整備方針 計画期間

短期的整備

中期的整備

図 段階的な施設整備

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ここで,『鈴鹿市水道ビジョン 2018』の計画期間内の年次計画(年度別事業費 税

込)を,下表及び下図に示します。

表 年次計画表(年度別事業費 税込)

図 年次別事業費

(百万円)

施設整備 管路更新 設備更新 合計

2018年度 1,408 50 1,458

2019年度 1,400 1,030 50 2,480

2020年度 1,500 1,079 50 2,629

2021年度 386 1,164 50 1,600

2022年度 1,465 50 1,515

2023年度 50 1,366 50 1,466

2024年度 288 1,416 50 1,754

2025年度 288 1,416 50 1,754

2026年度 527 1,205 50 1,782

※ 管路更新は、優先更新管路、短期的管路更新対象

設備更新は、建設改良費扱い分

2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度 2025年度 2026年度

住吉配水池整備

広瀬送水場整備

高塚配水池整備

設備更新

管路更新

1,408

1,030 1,079 1,164

1,465 1,366 1,416 1,4161,205

50

50 5050

5050 50 50

50

1,4001,500

38650

288 288527

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

建設

改良

費(

百万

円)

施設整備 設備更新 管路更新

住吉配水池整備

広瀬送水場整備

高塚配水池整備

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第5章 計画の評価

第4章 目標の実現方策において,施設整備計画を示しました。『鈴鹿市水道ビジョ

ン 2018』の計画期間での整備内容については,以下に示すとおりとなります。

施設整備

→住吉配水池整備(継続事業)

→広瀬送水場整備(新規事業)

→高塚配水池整備(新規事業 2027 年度以降も継続)

設備更新

→小規模な修繕費対応の更新と大規模な建設改良費対応の更新(継続事業)

※年度別事業費としては,大規模な更新費用を平準化して計上

管路更新

→優先更新管路(継続事業)

→老朽管更新計画のうち短期的管路更新対象(継続事業)

これらの施設整備に取り組むことによって,以下に示す目標が達成できる見通しです。

表 経営戦略で示された投資目標(数値目標)

短期目標

(2017~2026 年度)

【『鈴鹿市水道ビジョン2018』計画期間】

中期目標

(2027~2036 年度)

目標1

・基幹管路の耐震化率 49%

(2016 年度:約 39%)

※延長(km)より算出

・基幹管路の耐震化率 61%

目標2

・送水場の耐震化率 84%

(2016 年度:約 79%)

※送水能力(㎥/日)より算出

・配水池の耐震化率 96%

(2016 年度:約 45%)

※容量(㎥)より算出

・送水場の耐震化率 99%

・配水池の耐震化率 98%

※2017 年度末の基幹管路の耐震化率:約 39%,送水場の耐震化率:約 79%,

配水池の耐震化率約 45%

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また,『鈴鹿市水道ビジョン 2018』の計画期間完了時,中期的な取り組みも含めた

将来像(イメージ)を以降に示します。

図 主要な施設の配置と配水ブロック(計画期間完了時(2026 年度))

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図 水位高低図(計画期間完了時(2026 年度))

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県水(三重用水系)6,600m3/日

大久保第1配水池

鈴西水源 340m3/日

長澤水源 513m3/日

県水(木曽川系)10,000m3/日

河田水源13,480m3/日

井田川水源27,700m3/日

和泉水源9,700m3/日

西富田水源5,600m3/日

庄野水源7,600m3/日

汲川原水源10,400m3/日

平田水源18,700m3/日

大久保第2配水池大久保第2配水ブロック

145m3/日

山本配水池

小岐須配水池

庄内第1配水池

山本配水ブロック255m3/日

小岐須配水ブロック240m3/日

庄内第1配水ブロック320m3/日

庄内第2配水池庄内第2配水ブロック

250m3/日

高岡配水池高岡加圧ブロック(東)

575m3/日

高岡配水ブロック13,800m3/日

国府配水池

国府配水ブロック10,955m3/日

高塚配水池高塚配水ブロック

940m3/日

住吉配水池道伯配水池(休止)

住吉配水ブロック25,700m3/日

連絡管

山本水源 248m3/日

小岐須水源 324m3/日

庄内第1水源 495m3/日

河田送水場13,480m3/日

庄野送水場7,600m3/日

平田送水場29,100m3/日

平野送水場37,400m3/日

広瀬送水場8,500m3/日

県水(長良川系)2,200m3/日

椿一宮配水池

高岡加圧ブロック(西)1,430m3/日

大久保第1配水ブロック1,100m3/日

椿一宮配水ブロック4,220m3/日

※水源水量は第5次拡張変更認可による計画取水量を示す。 送水場の水量は施設の公称能力を示す。 配水ブロックの水量は2026年度の計画一日最大給水量(丸め)を示す。

国府第2配水池国府第2配水ブロック

14,370m3/日

更新

更新

ブロック再編成

元 太陽の街配水ブロック

高岡配水ブロックの一部

ブロック再編成

図 送配水フロー(計画期間完了時(2026 年度))

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図 主要な施設の配置と配水ブロック(中期的整備計画(2036 年度末))

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図 水位高低図(中期的整備計画(2036 年度末))

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県水(三重用水系)6,600m3/日

大久保第1配水池

県水(木曽川系)10,000m3/日

河田水源13,480m3/日

井田川水源27,700m3/日

和泉水源9,700m3/日

西富田水源5,600m3/日

庄野水源7,600m3/日

汲川原水源10,400m3/日

平田水源18,700m3/日

大久保第2配水池 大久保第2配水ブロック

山本配水池

小岐須配水池

庄内第1配水池

山本配水ブロック

小岐須配水ブロック

庄内第1配水ブロック

庄内第2配水池 庄内第2配水ブロック

高岡配水池 高岡配水ブロック

国府配水池 国府配水ブロック

高塚配水池 高塚配水ブロック

住吉配水池道伯配水池(休止)

住吉配水ブロック

連絡管

河田送水場13,480m3/日

庄野送水場7,600m3/日

平田送水場29,100m3/日

平野送水場37,400m3/日

広瀬送水場8,500m3/日

県水(長良川系)2,200m3/日

椿一宮配水池

大久保第1配水ブロック

椿一宮配水ブロック

※水源水量は第5次拡張変更認可による計画取水量を示す。 送水場の水量は施設の公称能力を示す

国府第2配水池 国府第2配水ブロック

更新

更新

山本水源 248m3/日

小岐須水源 324m3/日

庄内第1水源 495m3/日

鈴西水源 340m3/日

長澤水源 513m3/日

元 高岡加圧ブロック(東)

元 高岡加圧ブロック(西)

國府配水ブロックの一部

椿一宮配水ブロックの一部ブロック再編成

図 送配水フロー(中期的整備計画(2036 年度末))

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用語集

【あ行】

アセットマネジメント(あせっとまねじめんと)

水道事業の資産管理のことで,「水道事業におけるアセットマネジメント(資産管理)

に関する手引き 厚生労働省健康局水道課」では「水道ビジョンに掲げた持続可能な水

道事業を実現するために,中長期的な視点に立ち,水道施設のライフサイクル全体にわ

たって効率的かつ効果的に水道施設を管理運営する体系化された実践活動」と定義され

ています。

エアレーション処理(えあれーしょんしょり)

曝気(ばっき)処理ともいいます。空気(気体)と水(液体)とを接触させ,各相中

における物質の濃度分圧が等しくなるようにし,各相間で物質を移動させ,原水中の不

純物を除去する水処理方法のことです。

【か行】

緩速ろ過池(かんそくろかち)

1日 4~5m の遅い速度でろ過し,そのとき砂層表面や砂層内部に増殖した藻類や細

菌などの生物によってつくられた粘質の膜(生物ろ過膜)によって原水中の不純物を除

去する水処理方法を緩速ろ過法といい,この水処理を行う水槽のことです。

基幹管路(きかんかんろ)

特に重要な管路を意味し,老朽管更新計画においては「導水管」「送水管」,一定口径

以上の「配水管」,避難所や病院など重要施設までの「配水管」で構成されます。

企業債(きぎょうさい)

地方公営企業が行う建設改良事業などに要する資金に充てるために発行する地方債

(国などからの長期借入金)のことです。

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企業債元利償還金(きぎょうさいがんりしょうかんきん)

企業債の元金の償還金と支払利息のことです。

給水人口(きゅうすいじんこう)

給水区域(給水できる範囲)内に住み,給水を受けている人口をいいます。給水区域

外からの通勤者や観光客は給水人口に含まれていません。

給水量(きゅうすいりょう)

水道の利用者に給水する水量のことです。

クリプトスポリジウム(くりぷとすぽりじうむ)

腸管に感染して下痢を起こす病原微生物です。水系感染することが認識されたのは

1980 年代になってからですが,それ以降,汚染された水道水を原因とする大規模な集

団感染をたびたび引き起こしています。

塩素に耐性があり,水道水の消毒程度の塩素濃度ではほとんど不活化されません。

計画取水量(けいかくしゅすいりょう)

取水地点から浄水施設までの損失水量(漏水量など)と,計画一日最大給水量を考慮

して定める取水量のことです。通常,計画一日最大給水量の 10%程度増しとして算定

されていることが多いです。

減価償却費(げんかしょうきゃくひ)

土地などを除く固定資産(建物・水道管など)の減価(価値の減少)を,使用年度に

わたり,合理的かつ計画的に費用として負担させるための,会計上の処理または手続を

減価償却といいます。この処理または手続によって特定の年度の費用とされた固定資産

の減価額を減価償却費といいます。

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嫌気性芽胞菌(けんきせいがほうきん)

一般的には,嫌気的条件で生育できる細菌で,芽胞形成能を持つものをいいます。好

気性芽胞菌と同様,水道の消毒に用いられる程度の塩素濃度では短時間で不活化されな

いものが多いです。

原水(げんすい)

浄水処理する前の水のことです。

【さ行】

自己水源(じこすいげん)

鈴鹿市水道事業として保有し,取水,浄水処理を行っている水源のことです。

受水費(じゅすいひ)

水道事業者が,水道用水供給事業から浄化した水(水道水)の供給を受けることを受

水といい,それに必要な費用のことをいいます。鈴鹿市水道事業は,三重県企業庁北中

勢水道用水供給事業から受水しています。

水源(すいげん)

水道として利用する水の供給源のことをいいます。井戸水や河川の水以外にダム湖な

どを指すことがあります。

水道水質管理水準(すいどうすいしつかんりすいじゅん)

水質基準のうち水道法により規定されるものが水道水質基準で,水道水が備えなけれ

ばならない水質上の要件になります。これに加えて,鈴鹿市水道事業独自に設定する管

理水準のことをいいます。

送水管(そうすいかん)

送水場で浄水処理された「水道水」を,送水場から配水池,ポンプ施設などの配水施

設に送る水道管をいいます。

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55

【た行】

耐塩素性病原微生物(たいえんそせいびょうげんびせいぶつ)

病原ウイルス,病原菌,病原細菌,病原微生物,病原体などと呼ばれる各種の病原生

物のうち,水道の消毒に用いられる程度の塩素濃度に対して大腸菌または大腸菌群と比

較して著しく抵抗性を示す病原微生物のことです。

着水井(ちゃくすいせい)

浄水場などへ流入する原水の水位動揺を安定させ,水位調節と流入量測定を行うため

に設ける池あるいは桝(ます)のことです。また,水質異常時の薬品の注入箇所,数系

統からの原水受水,原水の分配などの機能を持つものもあります。

導水管(どうすいかん)

河川,井戸などの水源から取水した原水を,送水場に送る水道管をいいます。

【な行】

内部留保資金(ないぶりゅうほしきん)

減価償却費などの現金支出を伴わない支出や収益的収支における利益によって,企業

内に留保される自己資金のことをいいます。

【は行】

配水管(はいすいかん)

配水池やポンプ施設などの配水施設から個々の使用者に給水する水道管のうち,水道

局が布設し,維持・管理するものをいいます。

配水池(はいすいち)

浄水処理した水道水を貯留し,管路を通して給配水する施設のことをいいます。一般

的に標高の高い場所に設置し,位置エネルギーにより水道水を自然流下させ,水圧を確

保します。

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PDCAサイクル(ぴーでぃーしーえーさいくる)

業務プロセス管理手法の一つで,Plan(計画)-Do(実施)-Check(検証)-Action

(見直し)の 4 段階を繰り返すことによって,継続的な改善を目指していく手法です。

表流水(ひょうりゅうすい)

原水の種類として,地下にある水(井戸水など)に対し,地表面にある水(河川水,

湖沼水など)のことを指します。

【ま行】

なし

【や行】

有収水量(ゆうしゅうすいりょう)

水道メーターにより計量され,料金収入に結びつく水量を意味しています。

【ら行】

なし

【わ行】

なし

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~ 鈴鹿市水道ビジョン 2018 ~

発行 鈴鹿市上下水道局

発行日 2019 年 3月

〒510-0253

三重県鈴鹿市寺家町 1170 番地

TEL 059-368-1696(代表)

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