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革新的バイオ事業の現状と 次期プラットフォーム事業への提案 (ヘッドクォーター機能)について 平成28年5月17日 第5回 創薬研究戦略作業部会 堀内 「革新的バイオ医薬品創出基盤事業」;プログラムオフィサー 「創薬等支援技術基盤プラットホーム事業」;推進委員 慶応義塾大学医学部臨床研究推進センター;特別招聘教授 スクリーニング学研究会 顧問 1 資料2

資料2 革新的バイオ事業の現状と 次期プラットフォーム事業 …次期事業のモデルとしての「革新的 バイオ医薬品基盤技術創出事業」

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Page 1: 資料2 革新的バイオ事業の現状と 次期プラットフォーム事業 …次期事業のモデルとしての「革新的 バイオ医薬品基盤技術創出事業」

革新的バイオ事業の現状と

次期プラットフォーム事業への提案

(ヘッドクォーター機能)について

平成28年5月17日

第5回 創薬研究戦略作業部会

堀内 正

「革新的バイオ医薬品創出基盤事業」;プログラムオフィサー

「創薬等支援技術基盤プラットホーム事業」;推進委員

慶応義塾大学医学部臨床研究推進センター;特別招聘教授

スクリーニング学研究会 顧問

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資料2

Page 2: 資料2 革新的バイオ事業の現状と 次期プラットフォーム事業 …次期事業のモデルとしての「革新的 バイオ医薬品基盤技術創出事業」

次期事業のモデルとしての「革新的バイオ医薬品基盤技術創出事業」

管理のご紹介

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Page 3: 資料2 革新的バイオ事業の現状と 次期プラットフォーム事業 …次期事業のモデルとしての「革新的 バイオ医薬品基盤技術創出事業」

「革新的医薬品・医療機器創出のための官民対話(平成27年8月24日、医薬品産業強化総合戦略)」

厚生労働省HP 3

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バイオ医薬品開発における問題点

非臨床試験 抗体最適化 申請・ 承認

臨床試験 スクリーニング

リード探索 標的探索

アカデミアの得意な基礎研究分野

知財戦略が重要であるが、現状では充分に対応できていない。

最大の問題点(生産技術上の課題) 要素技術の有機的連携が欠如しており、バリューチェーンが構築できない。特に、化学系産業界の参加が必要(製造は化学系産業界が、製薬企業は販売を担うという分業、

連携モデルもある)。 バイオCMO産業の活性化も急務。

バイオ医薬品にも充分対応できるようなCRO体制の整備。 コスパの向上(低価格と高品質)も課題

低分子医薬品に比べて実績と経験が少ないので、探索的臨床研究や薬事法上の課題など今後柔軟に対応できる体制が必要

・製造コストの高さに対する研究の遅れ ・日本の多くの製薬企業、CRO、アカデミアにノウハウ・経験・連携が少ない 日本のバイオ医薬品の課題を理解し、官民一体で有機的な連携構築に取り組めるかが「鍵」

GLP 試験

GCP 試験

承認申請と審査

第1相試験

第2相試験

第3相試験

安全性薬理試験

一般毒性試験

特殊毒性試験

抗体分離・精製

細胞構築・細胞選択

抗体設計・発現系構築

スクリーニング

抗体構造解析

モノクローン抗体の選別

標的抗原の決定

アッセイ系の確立

基礎研究

抗原の作製・精製

製造・試験法の確立

セルバンクの作製

品質設計・製剤設計

プロセス開発

薬効薬理試験

「革新的医薬品・医療機器創出のための官民対話(平成27年8月24日、医薬品産業強化総合戦略)」

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Page 5: 資料2 革新的バイオ事業の現状と 次期プラットフォーム事業 …次期事業のモデルとしての「革新的 バイオ医薬品基盤技術創出事業」

次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業 ・高品質なバイオ医薬品製造技術 ・高効率医薬品シーズ探索技術

達成目標 次世代バイオ 医薬品の創出に

係る革新的基盤技術の確立と企業導出

○従来の低分子化合物に比べ高い治療効果等が期待されているバイオ医薬品(抗体・タンパク質・核酸医薬等)は、近年、世界的に市場規模の成長が著しい中、我が国は出遅れている状況。

○現在のバイオ医薬品開発で、企業が抱える技術的課題を解決し、我が国発の革新的な次世代バイオ医薬品創出に貢献するため、大学等における革新的基盤技術の開発を推進する。

○基盤技術等の得られた成果の5年以内での企業への導出を目標とするとともに、経済産業省・厚生労働省との連携体制を構築し、

いち早い革新的バイオ医薬品の創出を目指す。※バイオ医薬品:有効成分が生物由来物質を基に作成される医薬品

革新的バイオ医薬品創出基盤技術開発事業

事業概要

平成27年度予算額:12.5億円(継続)

実用化

革新的医療技術創出拠点

・革新的な基礎研究成果を一貫して実用化に繋ぐ体制を構築 ・国際水準の臨床研究・治験を実施・支援する体制を整備

事業委託者:日本医療研究開発機構(AMED)

我が国のバイオ医薬品の国際競争力を強化するため、「世界初の次世代バイオ医薬品の創出に係る革新的基盤技術の開発」を実施

従来のバイオ医薬品開発において 製薬企業等が抱える課題

○細胞内標的を創薬ターゲットとする技術 ○バイオ医薬品の低分子化 ○特定の組織や細胞にバイオ医薬品を送達する技術 ○核酸医薬の高活性化及び安定性向上 ○ 糖鎖構造の制御技術等

革新的なシーズの より太いパイプライン

切れ目のない 一貫した支援 連携

企業等 への

技術移転

・技術の革新性の評価

・導出などの事業化を見据えた出口戦略の評価 導出

抗体医薬 特殊ペプチド 核酸医薬

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Page 6: 資料2 革新的バイオ事業の現状と 次期プラットフォーム事業 …次期事業のモデルとしての「革新的 バイオ医薬品基盤技術創出事業」

「革新的バイオ医薬品創出基盤技術開発事業」 の事業内容;

具体的には;

・「細胞内標的を創薬ターゲットとする技術」

・バイオ医薬品の「低分子化技術」

・バイオ医薬品の「標的への送達(DDS)技術」

・糖鎖構造の制御技術

・核酸医薬の高活性化、安定性向上 及び毒性軽減技術

・バイオイメージング技術 等

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Page 7: 資料2 革新的バイオ事業の現状と 次期プラットフォーム事業 …次期事業のモデルとしての「革新的 バイオ医薬品基盤技術創出事業」

PS・PO

AMED

推進委員会

課題評価委員会

推進委員会: 【構成メンバー】 ・PS 1名、PO 2名、委員8名 【役割】 PS・POを補佐し下記事項を検討及び進捗管理を実施 ①事業推進 ②導出活動 ③成果の公開・利用方策 課題評価委員会: 【構成メンバー】委員11名 (含PS 1名、PO 2名) 【役割】 事前評価・中間評価 事後評価・追跡評価

代表機関

代表機関

文部科学省

事業戦略立案 事業推進

マネジメント

報告

知財・出口戦略策定への協力

連携

代表機関

【代表機関の役割】 ①課題全体の運営 ②代表機関が行う課題の遂行 ③(分担機関を設置する場合)分担機関が実施する技術開発のとりまとめ 【分担機関の役割】 ①代表機関が必要とする要素技術開発の遂行

技術開発課題(H26採択)

技術開発課題(H26採択)

代表機関 技術開発課題(H26採択)

分担機関

代表機関 技術開発課題(H27採択) 分担機関

代表機関 技術開発課題(H27採択)

協力して事業推進

本事業におけるプロジェクト推進体制

知財戦略課題

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Page 8: 資料2 革新的バイオ事業の現状と 次期プラットフォーム事業 …次期事業のモデルとしての「革新的 バイオ医薬品基盤技術創出事業」

本事業運営の特色

EXITとして第三者となる企業への導出を目的とする 各技術開発課題の成果を EXIT する上で必要となる支援(知財、契約、非臨床試験、薬事などの助言)を行う

PS/PO/知財・導出支援チーム/推進委員/AMEDスタッフの混成チームによる各技術開発課題のhands−onでの管理・支援体制

研究者間、バイオCMO、製薬企業などのオープンイノベーションの場の提供

生産技術上の課題、知的財産上の課題、薬事法上の課題など実用化に向けてのボトルネックを見出し、建設的な議論を進める

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Page 9: 資料2 革新的バイオ事業の現状と 次期プラットフォーム事業 …次期事業のモデルとしての「革新的 バイオ医薬品基盤技術創出事業」

課題評価委員・推進委員一覧

PS

宮田 敏男

国立大学法人東北大学大学院医学系研究科 教授 (革新的バイオ医薬品創出基盤技術開発事業課題プログラムスーパーバイザー)

PO 堀内 正 慶應義塾大学医学部 特別招聘教授(革新的バイオ医薬品創出基盤技術開発事業課題プログラムオフィサー)

PO

大滝 義博 株式会社バイオフロンティア パートナーズ 代表取締役社長(革新的バイオ医薬品創出基盤技術開発事業課題プログラムオフィサー)

岡﨑 寛 協和発酵キリン株式会社 執行役員 研究開発本部副本部長 兼 TRユニット長

落谷 孝広 国立研究開発法人国立がん研究センター研究所 分子標的研究グループ 分子細胞治療研究主任分野長

川口 勉 株式会社カイオム・バイオサイエンス 社外取締役

小梅川 純一 株式会社バイオフロンティア パートナーズ 技術顧問 後藤 俊男 国立研究開発法人理化学研究所 社会知創成事業

創薬・医療技術基盤プログラム プログラムディレクター

津本 浩平 国立大学法人東京大学大学院工学系研究科 教授

南学 正臣 国立大学法人東京大学大学院医学系研究科 教授

宮田 満 株式会社日経BP医療局 特命編集委員

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Page 10: 資料2 革新的バイオ事業の現状と 次期プラットフォーム事業 …次期事業のモデルとしての「革新的 バイオ医薬品基盤技術創出事業」

採択課題一覧

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Page 11: 資料2 革新的バイオ事業の現状と 次期プラットフォーム事業 …次期事業のモデルとしての「革新的 バイオ医薬品基盤技術創出事業」

出口戦略を含む5年間の全事業期間(5年間)のマイルストーンを

設定した上で、四半期毎に達成状況を確認している。

進捗管理

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次期「創薬プラットフォーム事業」への期待

ー特にヘッドクオーター(HQ)機能に関してー

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高エネ研; 若槻先生

東大; 長野先生

遺伝研; 五条堀先生

委員長:田中啓二 (東京都医学総合 研究所所長) 他11名

PJの特徴;支援と高度化(支援を50%以上行うことを責務とする初めての国家プロジェクト

機能ゲノミックス

(PO;東大菅野先生)

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Page 15: 資料2 革新的バイオ事業の現状と 次期プラットフォーム事業 …次期事業のモデルとしての「革新的 バイオ医薬品基盤技術創出事業」

プラットフォーム事業の中間評価の抜粋-1 (高い評価)

・解析拠点、制御拠点、情報拠点の運営体制(各拠点で推進委員会、外部委員会、等)が 良く整備されている。 ・支援実績の増加(支援)、著名な雑誌への掲載(高度化)、特許などの成果が創出されている。 ・PS(田中先生)、PO(吉田先生、菅野先生)及び 拠点長のマネージメントが素晴らしい

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プラットフォーム事業の中間評価の抜粋-2 (問題点;期待)

• 事業内での連携を積極的に強め、従来にない組み合わせによる支援体制を構

築し、世界的にもユニークな成果を創出するように体制強化に取り組むことが

期待される。

1)特別重点テーマを選定するなどして、事業としての明確なゴールを設定し、

それに向けた3拠点の連携を強化することが肝要で有り、

適確な連携体制の構築がより大きな成果の創出に繋がると期待される

2)より一層の産業界との連携が必要

支援と高度化を更に発展させると共に、上記の提言

を実現するために強力なHQ機能の構築を推奨する 16

Page 17: 資料2 革新的バイオ事業の現状と 次期プラットフォーム事業 …次期事業のモデルとしての「革新的 バイオ医薬品基盤技術創出事業」

A)AMEDと連携して幅広いライフサイエンスの 基盤研究を支援 ・支援課題、共用ファシリティーに対するアカデミア及び企業ニーズの調査・把握

・支援課題、共用ファシリティーのネットワーク構築と支援

・支援課題、共用ファシリティーの進捗管理と臨機応変に対応する資源配分

【HQのミッション】-1

・事業のポテンシャルを最大限に発揮し、戦略的に運用するHQが不可欠 ・研究・開発の医療分野は、広く医薬品を対象(低分子から抗体、核酸、ペプチドなどバイオ医薬品)

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Page 18: 資料2 革新的バイオ事業の現状と 次期プラットフォーム事業 …次期事業のモデルとしての「革新的 バイオ医薬品基盤技術創出事業」

B)3拠点の連携を強化し(足し算から掛け算へ)

AMEDの創薬事業を支援

・AMEDの他の事業(創薬支援ネットワーク、革新バイオ、次世代がん)との連携・調整

・企業との連携強化

HQが発掘した創薬標的候補に対して、興味を持った企業とのマッチング

企業共同研究などによる標的の妥当性評価や検証の実施

企業が所有する開発中止化合物などのシーズを有効に活かす仕組みの構築

共有ファシリティーの機器や機能の企業研究での利用の促進

・実現性の高い創薬標的候補を発掘及び評価(特別重点テーマの設定)

支援課題の研究データ及び成果を集約し、

臨床や産業側のアンメットニーズなどの情報と併せて検討

C)知財管理や契約等の実施

【HQのミッション】-2

・事業のポテンシャルを最大限に発揮し、戦略的に運用するHQが不可欠 ・研究・開発の医療分野は、広く医薬品を対象(低分子から抗体、核酸、ペプチドなどバイオ医薬品)

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Page 19: 資料2 革新的バイオ事業の現状と 次期プラットフォーム事業 …次期事業のモデルとしての「革新的 バイオ医薬品基盤技術創出事業」

製薬企業の創薬研究体制

標的探索

TD

インシリコ

スクリーニング

約百万バーチャルライブラリー

構造解析

結晶化・N

MR

S

ゲノム

ヒット化合物

リード化合物

標的蛋白質

ヒット探索研究の流

HTS(HCS) 数十万化合物ライブラリー

蛋白質生産・精製

ヒット探索

HD リード探索

LD

リード最適化

LO

化合物合成

化合物デザイン

化合物-蛋白複合体

の三次元構造

アッセイ

ABS

系構築

初期A

DM

ET

・合成

FBDD

メディケム

薬理

SBDDサイクル

Po

C化合物

制御拠点

解析拠点 19

Page 20: 資料2 革新的バイオ事業の現状と 次期プラットフォーム事業 …次期事業のモデルとしての「革新的 バイオ医薬品基盤技術創出事業」

• PS(事業総括、AMEDや行政府などとの調整):非常勤

• PO(事業調整担当):非常勤

• PO(研究調整担当):非常勤

• PO(構造生物学、情報・計算科学担当):非常勤

• PO(有機合成担当):非常勤

• PO(非臨床試験担当):非常勤

• PO(臨床医学担当):非常勤

• PO(バイオ医薬品担当):非常勤(革新的バイオ医薬品研究基盤推進事業と一体化運営の場合)

• 事業調整事務官:常勤

• 研究調整事務官:常勤

• 事務補佐員:常勤

• 適宜アドバイザーとして下記専門家や有識者に非常勤もしくはad hocで参加いただく

構造生物学専門家:非常勤

情報・計算科学専門家:非常勤

有機合成専門家:非常勤

非臨床試験専門家(安全性、薬物動態):非常勤

非臨床試験専門家(薬理):非常勤

薬事専門家:非常勤

知財専門家(弁理士):非常勤

ライセンス専門家:非常勤

アカデミアと企業の双方から、アカデミアにおける創薬研究のあり方に精通したバランス感覚のある人材を登用

事業のポテンシャルを最大限に発揮し、戦略的に運用するHQが不可欠

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Page 21: 資料2 革新的バイオ事業の現状と 次期プラットフォーム事業 …次期事業のモデルとしての「革新的 バイオ医薬品基盤技術創出事業」

ご静聴ありがとうございました。

[email protected]

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