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経営課題 お客様との距離感の変化 <山本社長> 当社は地元の企業様との直接取引が多く、 これまでも長きに渡りお客様のパートナーと して関係性を築いてきました。しかし近年、社 員の若返り化とともに、お客様との距離感が 少し変化してきているように感じていました。 もちろん、社員の若返りは良い事なのです が、もう少しお客様との距離感を縮め、当社 の営業がお客様にとって、より身近な存在と して情報をお届けできるような関係性を築く 必要があると感じていました。 そんな時に富士ゼロックスさんからCVMの お話を聞 き、これはちょうど良いきっかけにな ると感じました。 CVM活動では、以下の2つの狙いを掲げて スタートしました。 <CVM活動の狙い> ①お客様の潜在的なニーズや課題の発掘 ②パートナーとして、お客様から認められる お取組み内容 継続した「顧客価値創造型営業コース」の実施 <山本社長> 最初は営業、制作の30代前半のマネジメン ト層を中心とした15名に対して顧客価値創 造型営業コースを実施しました。 当初はこの1回で終わる予定でしたが、参 加したメンバーからの評判がとても良かった ので、マネジメント層以外にも枠を広げ、第 二陣、第三陣と実施し、現在までに社員の約 2/3にあたる40名強の社員が顧客価値創造 型営業コースを受講しています。 ビジネスモデル図も、各回3社ずつ作成し、 これまでに合計9社のお客様に対して、CVM アプローチを実施してきました。 継続する理由 CVMは「お客様との距離を近づけるための ツール」 <山本社長> 第一陣の活動や参加メンバーの様子を見 ていて、CVMは「研修」というよりも「お客様 との距離を近づけるためのツール」だと感じ ました。 顧客価値創造型営業コースでは、お客様 のビジネスモデル図を作成するだけでなく、 作成したモデル図をお客様に説明します。す ると、お客様からお喜びの声を頂くことがで き、社員も多くの事に気づく事ができたのです。 「研修」というと、どうしても機会損失や時 間コストと考えてしまい、1回で終わってしま いがちですが、CVMは「営業に役立つツー ル」として、社内に根付かせる必要があると 感じました。 そこで、マネジメント層以外にも対象者を 広げ、継続して活動することで、社内で復習、 予習ができる環境を作っていきたいと思った のです。 CVM顧客価値創造型営業コース(営業力強化) 事例紹介 ヤマゼンコミュニケイションズ株式会社様 全社一丸となって取り組んだ「お客様を知る」活動により お客様との新しいお付き合いのチャンスを獲得 コミュニケイションをデザインし人と人、企業と人をつなげる。 「クライアントとユーザーの間に最適なコミュニケイションをデザインし、 “つながり”を創出する。」という理念のもと、栃木県最大級のクチコミタウン情 報サイト「栃ナビ!」を運営する他、印刷・Web・広告デザイン・イベント企画運 営など、枠に捉われない領域で事業を展開をされています。 本  社:〒321-0118 栃木県宇都宮市インターパーク4丁目3-1 T E L:028-648-1111 F A X:028-656-4501 代 表 者:代表取締役社長 山本堅嗣宣氏 事業内容・広告制作のためのデザイン制作及び印刷・タウン情報サイト「栃ナビ!」の運営 ・フォトブック作成サービス「nocoso」の運営・写真復元サービス「想い出復刻堂」の運営 ・WEBデザイン・制作・運営、情報処理、各種ASPの開発・各種市場調査、広告効果測定 ・広告代理店業務・セールスプロモーション・電子ファイリングシステムによるデジタル化  PHP・SQLによるデータベース構築 URL:http://www.yamazen-net.co.jp <CVM顧客価値創造型営業コース内容> ●1回目「CVMの考え方・CVMモデル図の作り方」 ●2回目「CVMモデル図のブラッシュアップ」 実際のお客様でモデル図を作成し、 全員でブラッシュアップ ●3回目「CVMアプローチレビュー」 お客様にアプローチし、お客様と合意した課題を 全員で共有 CVMとは(CustomerValueMarketingManagementの略語)お客様の企業価値を高めるための提案営業を育成するプログラム (左から) ヤマゼンコミュニケイションズ(株) 代表取締役社長 山本堅嗣宣様 ヤマゼンコミュニケイションズ(株) 大橋慎太郎様  ヤマゼンコミュニケイションズ(株) 井上博史様 ヤマゼンコミュニケイションズ(株) 鈴木脩平様  ヤマゼンコミュニケイションズ(株) 大貫勉様 CVM顧客価値創造型営業コース概要 お客様のビジネスモデル=儲けの構造 視点を変える 3C の情報を徹底的に収集する お客様のビジネスモデル図を作成する 競合が提供 する価値は? 要求は? メッセージは? 差別化 提供する 価値は? 差別化の ポイントは? 営業、制作等部門を超えて協力し作成する 良かった点、反省点を討議し、 次のステップへ繋げる お客様の戦略レベル 自社の施策レベル 顧客と共に 価値を創造する 従来の視点 ■視点を変えて、お客様の戦略レベルの 施策を考える ■グループ(チーム)討議で考えをまとめる ■ビジネスモデル図をお客様へ提示し、 反応を見て、次のステップを考える お客様のお客様 お客様の競合 自社 自社の競合 お客様 「あるべき姿」から「課題」を考える コースのポイント

CVM顧客価値創造型営業コース(営業力強化) ヤマゼンコミュ … · cvm顧客価値創造型営業コース概要 お客様のビジネスモデル=儲けの構造

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Page 1: CVM顧客価値創造型営業コース(営業力強化) ヤマゼンコミュ … · cvm顧客価値創造型営業コース概要 お客様のビジネスモデル=儲けの構造

経営課題お客様との距離感の変化<山本社長> 当社は地元の企業様との直接取引が多く、これまでも長きに渡りお客様のパートナーとして関係性を築いてきました。しかし近年、社員の若返り化とともに、お客様との距離感が少し変化してきているように感じていました。 もちろん、社員の若返りは良い事なのですが、もう少しお客様との距離感を縮め、当社の営業がお客様にとって、より身近な存在として情報をお届けできるような関係性を築く必要があると感じていました。そんな時に富士ゼロックスさんからCVMのお話を聞き、これはちょうど良いきっかけになると感じました。

CVM活動では、以下の2つの狙いを掲げてスタートしました。<CVM活動の狙い>①お客様の潜在的なニーズや課題の発掘②パートナーとして、お客様から認められる

お取組み内容�継続した「顧客価値創造型営業コース」の実施<山本社長> 最初は営業、制作の30代前半のマネジメント層を中心とした15名に対して顧客価値創造型営業コースを実施しました。 当初はこの1回で終わる予定でしたが、参加したメンバーからの評判がとても良かったので、マネジメント層以外にも枠を広げ、第二陣、第三陣と実施し、現在までに社員の約2/3にあたる40名強の社員が顧客価値創造型営業コースを受講しています。ビジネスモデル図も、各回3社ずつ作成し、これまでに合計9社のお客様に対して、CVMアプローチを実施してきました。

継続する理由�CVMは「お客様との距離を近づけるためのツール」<山本社長> 第一陣の活動や参加メンバーの様子を見ていて、CVMは「研修」というよりも「お客様との距離を近づけるためのツール」だと感じました。 顧客価値創造型営業コースでは、お客様のビジネスモデル図を作成するだけでなく、作成したモデル図をお客様に説明します。すると、お客様からお喜びの声を頂くことができ、社員も多くの事に気づく事ができたのです。「研修」というと、どうしても機会損失や時間コストと考えてしまい、1回で終わってしまいがちですが、CVMは「営業に役立つツール」として、社内に根付かせる必要があると感じました。 そこで、マネジメント層以外にも対象者を広げ、継続して活動することで、社内で復習、予習ができる環境を作っていきたいと思ったのです。

CVM顧客価値創造型営業コース(営業力強化)事例紹介 ヤマゼンコミュニケイションズ株式会社様全社一丸となって取り組んだ「お客様を知る」活動によりお客様との新しいお付き合いのチャンスを獲得

コミュニケイションをデザインし人と人、企業と人をつなげる。「クライアントとユーザーの間に最適なコミュニケイションをデザインし、“つながり”を創出する。」という理念のもと、栃木県最大級のクチコミタウン情報サイト「栃ナビ!」を運営する他、印刷・Web・広告デザイン・イベント企画運営など、枠に捉われない領域で事業を展開をされています。本  社:〒321-0118 栃木県宇都宮市インターパーク4丁目3-1T E L:028-648-1111� F A X:028-656-4501代 表 者:代表取締役社長 山本�堅嗣宣氏事業内容�・広告制作のためのデザイン制作及び印刷・タウン情報サイト「栃ナビ!」の運営� ・フォトブック作成サービス「nocoso」の�運営・写真復元サービス「想い出復刻堂」の運営� ・WEBデザイン・制作・運営、情報処理、各種ASPの開発・各種市場調査、広告効果測定� ・広告代理店業務・セールスプロモーション・電子ファイリングシステムによるデジタル化 �  PHP・SQLによるデータベース構築URL:http://www.yamazen-net.co.jp�

<CVM顧客価値創造型営業コース内容>●1回目「CVMの考え方・CVMモデル図の作り方」●2回目「CVMモデル図のブラッシュアップ」→�実際のお客様でモデル図を作成し、 全員でブラッシュアップ●3回目「CVMアプローチレビュー」→�お客様にアプローチし、お客様と合意した課題を 全員で共有

CVMとは(Customer�Value�Marketing�Managementの略語)お客様の企業価値を高めるための提案営業を育成するプログラム

(左から)ヤマゼンコミュニケイションズ(株) 代表取締役社長 山本�堅嗣宣様ヤマゼンコミュニケイションズ(株) 大橋�慎太郎様 ヤマゼンコミュニケイションズ(株) 井上�博史様ヤマゼンコミュニケイションズ(株) 鈴木�脩平様 ヤマゼンコミュニケイションズ(株) 大貫�勉様

CVM顧客価値創造型営業コース概要

お客様のビジネスモデル=儲けの構造

視点を変える

3Cの情報を徹底的に収集するお客様のビジネスモデル図を作成する

競合が提供する価値は?

要求は?メッセージは?

差別化

提供する価値は? 差別化の

ポイントは?営業、制作等部門を超えて協力し作成する

良かった点、反省点を討議し、次のステップへ繋げる

お客様の戦略レベル

自社の施策レベル

顧客と共に価値を創造する

従来の視点

■視点を変えて、お客様の戦略レベルの 施策を考える

■グループ(チーム)討議で考えをまとめる

■ビジネスモデル図をお客様へ提示し、 反応を見て、次のステップを考える

お客様のお客様 お客様の競合

自社 自社の競合

お客様「あるべき姿」から「課題」を考える

コースのポイント

Page 2: CVM顧客価値創造型営業コース(営業力強化) ヤマゼンコミュ … · cvm顧客価値創造型営業コース概要 お客様のビジネスモデル=儲けの構造

http://www.fujixerox.co.jp/

Xerox、Xeroxロゴ、およびFuji�Xeroxロゴは、米国ゼロックス社の登録商標または商標です。この印刷物は環境に配慮した用紙を使用しています。この印刷物の内容は2019年5月現在のものです。

効果「CVM=お客様を知る」という共通言語の醸成<山本社長> 2018年の4月から今年の2月まで、第三陣まで継続してきましたが、ようやく社内の共通言語として「CVM」が根付いてきたと感じています。例えば、新規のお客様へのアプローチにおいても「CVMやってみようよ」という会話が自然に出てくるようになりましたし、少し見方を変えて「自社のCVMを作成する」という試みも始まっています。<大貫様>「お客様を知るとはどういう事ですか?」の問いに対しては、それぞれの認識や感覚に違いがあると思います。しかし、知り方がそれで正しいか?と聞かれると、意外と我流で調べていただけだったり、知っているつもりで知らなかったりもします。3回の講座を通じて「お客様を知るとはこういうことなんだ」という共通理解が社内で醸成されたことは、とても良かったと感じています。経営への効果<山本社長> 経営面においても、対前年で比較すると、�CVM活動の効果は十分に出ています。実際に売上も増えましたし、新規のお客様へのアプローチにおいても、CVMが活躍しています。制作メンバーの意識の変化<鈴木様> 制作のメンバーは営業のように、お客様と直接会う機会があまりなく、お客様を知るという事を体感する機会が少ないので、CVM活動を通じてお客様を知るプロセスを知ることは、制作にとってとても新鮮でした。

 制作は、営業が持ってきてくれた情報を形にするのが仕事ですが、それだけの情報だと限界が生じてしまいます。デザインを作っていく上で、制作も営業と一緒にお客様のことを知る事で、作るモノの表現や深さも違ってくると思いますし、それはモノ作りの上で一番大切なことだと感じています。 参加した制作メンバーの中にも、「営業と足並みをそろえる」という意識が芽生えたと思います。様々な副次効果<大橋様> あるお客様からは、これまで他社の代理店に発注していた新聞広告やラジオなどについても、お問合せを頂けるようになりました。当社に対するお客様からの見え方が変わってきたのだと思います。<大貫様> 会議の中でのフィードバックの質や会話のレベルが2段階ぐらい上がり、ポイントをつくようになったと感じます。仮に結果が悪くても、なぜダメだったのか、その内容を具体的に語れるようになってきました。<井上様> ベテランの方も含め、CVMを活用して、これまでとは違う部署を攻めてみようという動きが活発になりました。CVMというツールを知る事で、何を基準にお客様と話をすると、どんな反応が得られるのかが、分かってきたからだと思います。すべてに当てはまるわけではありませんが、CVMが、確実に確率を上げられる方法だということを、みんなが理解できてきたのだと思います。

今後に向けて<山本社長> 当社は先代からの訓えとして「目くばり、気くばり、心くばり」を大切にしています。この言葉が「お客様」にとって、どのような意味を持つのか、少し分かりづらい部分もあると思っていたのですが、CVM活動がこの意味を体系的に表現してくれていると感じています。つまり「目くばり」によってお客様に気づき「気くばり」によって良い提案につなげ「心くばり」によってお客様に喜んで頂くそれが、結果的に付加価値となっていきます。 昔から大切にしているこの訓えを、若い世代にも理解できるように育てていくために、CVMを今後も途切れずに継続していきたいと思っています。 これまで9社のお客様のビジネスモデル図を作成してきましたが、まだまだ様々な業種やタイプのお客様がいらっしゃいます。繰り返し実施することで、更に基本を根付かせたいですね。そして、今後は参加者発信で、基本のCVMをヤマゼンらしいスタイルに変えていってくれたら、尚嬉しいです。 富士ゼロックスさんへの期待は、機械だけではなく、フロントのもっと前です。その1つが「お客様を知る」ためのCVM活動です。これまで、他社からはこのようなアプローチはありませんでしたので、富士ゼロックスさんとはこれからも継続したお付き合いをしていきたいと思っています。

WEBで写真集が作れるオリジナルフォトブック作成サービス「nocoso」。フォトブックの他にもオリジナルカレンダー、パネル、トランプなども作成できます

(左から)富士ゼロックス(株) 萬ヶ谷�治富士ゼロックス(株) 鈴木�信彦トレーナーヤマゼンコミュニケイションズ(株) 代表取締役社長 山本�堅嗣宣様ヤマゼンコミュニケイションズ(株) 大橋�慎太郎様ヤマゼンコミュニケイションズ(株) 井上�博史様ヤマゼンコミュニケイションズ(株) 鈴木�脩平様ヤマゼンコミュニケイションズ(株) 大貫�勉様富士ゼロックス(株) 木村�大一

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