6
回路ノート CN-0373 テスト済み回路設計集“Circuits from the Lab™ ”は共 通の設計課題を対象とし、迅速で容易なシステム統 合のために製作されました。さらに詳しい情報又は 支援は http://www.analog.com/jp/CN0373 をご覧くだ さい。 使用したリファレンス・デバイス ADM325 2E RS-232 ライン・ドライバ/レシーバ、 2.5kV 信号/電源の絶縁、デュアル・チャ ンネル ADM258 7E RS-485 トランシーバ、2.5kV 信号/電源 の絶縁、±15kV ESD 保護、全/半二 ADuM31 60 USB デジタル・アイソレータ、2.5kVフル/ロー・スピード ADuM30 70 2.5kV、絶縁スイッチング・レギュレー タ、フィードバック内蔵 ADP190 ハイサイド・パワー・スイッチ、ロジッ ク制御 ADP710 2 リニア・レギュレータ(LDO)、20V300mACMOS、低ノイズ 絶縁型 USB と絶縁型 RS-485/絶縁型 RS-232 のインターフェース Rev. 0 アナログ・デバイセズ社は、提供する情報が正確で信頼できるものであることを期していますが、その情報の利用に関して、あるいは利用によって 生じる第三者の特許やその他の権利の侵害に関して一切の責任を負いません。また、アナログ・デバイセズ社の特許または特許の権利の使用を明示 的または暗示的に許諾するものでもありません。仕様は、予告なく変更される場合があります。本紙記載の商標および登録商標は、各社の所有に属 します。※日本語資料は REVISION が古い場合があります。最新の内容については、英語版をご参照ください。 ©2015 Analog Devices, Inc. All rights reserved. 社/〒105-6891 東京都港区海岸 1-16-1 ニューピア竹芝サウスタワービル 電話 0354028200 大阪営業所/〒532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原 3-5-36 新大阪トラストタワー 電話 0663506868 評価および設計サポート環境 回路評価ボード CN-0373 評価用ボード(EVAL-CN0373-EB1Z設計と統合ファイル 回路図、レイアウト・ファイル、部品表 回路の機能とその利点 1 に示す回路は、一般的な USB バスと RS-485 または RS-232 バスの完全に絶縁された接続を示したものです。信号絶縁と電 源絶縁の両方を行うことで USB デバイスと工業用バスやデバッ グポートとのインターフェースの安全を確保でき、TIA/EIA- 485/232 バス・トラフィックのモニタリングや、RS-485 ポート RS-232 ポートを持たない PC とのコマンドの送受信が可能に なります。 この回路の絶縁は、線路サージに対する保護を実現することに よってシステムの安全性とロバスト性を向上させ、バスとデジ タル・ピンのグラウンド接続を遮断することによって、システ ム内にグラウンド・ループが生じる可能性をなくします。 TIA/EIA RS-485 バス規格は、工業用および計測用アプリケーシ ョンで最も広範囲に採用されている物理層バス・デザインの 1 つです。RS-485 は複数システム間での差動データ伝送を行い、 非常に長い距離の伝送に多用されます。 RS-485 による通信は差動通信なので、RS-232 規格よりもロバス ト性が向上します。 TIA/EIA RS-232 デバイスは、工業用機械、ネットワーク機器、 科学計測装置に広く使われています。現代のパーソナル・コン ピュータはネットワークに関する問題のデバッグに使われるこ とも多く、ペリフェラル・インターフェースとしての役割は、 そのほとんどが RS-232 に代えて USB が使われるようになって おり、多くのコンピュータには RS-232 ポートがありません。図 1 に示す回路は、01RS-232 RS-485 両方のインターフェース用 に、ロバスト性に優れたコンパクトなソリューションを提供し ます。 日本語参考資料 最新版英語回路ノートはこちら

CN-0373: 絶縁型 USB と絶縁型 RS-485 /絶縁型 RS …...T2 D5 64µH L3 47µH C2 47µF D8 0.1µF C15 47µF C16 0.1µF R19 N R16 R20 N N V FB C12 0.1µF VIN = 6V VOUT = 5V VIN

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Page 1: CN-0373: 絶縁型 USB と絶縁型 RS-485 /絶縁型 RS …...T2 D5 64µH L3 47µH C2 47µF D8 0.1µF C15 47µF C16 0.1µF R19 N R16 R20 N N V FB C12 0.1µF VIN = 6V VOUT = 5V VIN

回路ノート CN-0373

テスト済み回路設計集“Circuits from the Lab™ ”は共

通の設計課題を対象とし、迅速で容易なシステム統

合のために製作されました。さらに詳しい情報又は

支援は http://www.analog.com/jp/CN0373をご覧くだ

さい。

使用したリファレンス・デバイス

ADM325

2E

RS-232ライン・ドライバ/レシーバ、

2.5kV信号/電源の絶縁、デュアル・チャ

ンネル

ADM258

7E

RS-485トランシーバ、2.5kV信号/電源

の絶縁、±15kVの ESD保護、全/半二

ADuM31

60

USBデジタル・アイソレータ、2.5kV、

フル/ロー・スピード

ADuM30

70

2.5kV、絶縁スイッチング・レギュレー

タ、フィードバック内蔵

ADP190 ハイサイド・パワー・スイッチ、ロジッ

ク制御

ADP710

2

リニア・レギュレータ(LDO)、20V、

300mA、CMOS、低ノイズ

絶縁型 USBと絶縁型 RS-485/絶縁型 RS-232のインターフェース

Rev. 0

アナログ・デバイセズ社は、提供する情報が正確で信頼できるものであることを期していますが、その情報の利用に関して、あるいは利用によって

生じる第三者の特許やその他の権利の侵害に関して一切の責任を負いません。また、アナログ・デバイセズ社の特許または特許の権利の使用を明示

的または暗示的に許諾するものでもありません。仕様は、予告なく変更される場合があります。本紙記載の商標および登録商標は、各社の所有に属

します。※日本語資料はREVISIONが古い場合があります。最新の内容については、英語版をご参照ください。

©2015 Analog Devices, Inc. All rights reserved.

本 社/105-6891 東京都港区海岸 1-16-1 ニューピア竹芝サウスタワービル 電話 03(5402)8200

大阪営業所/532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原 3-5-36 新大阪トラストタワー 電話 06(6350)6868

評価および設計サポート環境

回路評価ボード

CN-0373評価用ボード(EVAL-CN0373-EB1Z)

設計と統合ファイル

回路図、レイアウト・ファイル、部品表

回路の機能とその利点

図 1に示す回路は、一般的な USBバスと RS-485または RS-232

バスの完全に絶縁された接続を示したものです。信号絶縁と電

源絶縁の両方を行うことで USBデバイスと工業用バスやデバッ

グポートとのインターフェースの安全を確保でき、TIA/EIA-

485/232バス・トラフィックのモニタリングや、RS-485ポート

や RS-232ポートを持たない PCとのコマンドの送受信が可能に

なります。

この回路の絶縁は、線路サージに対する保護を実現することに

よってシステムの安全性とロバスト性を向上させ、バスとデジ

タル・ピンのグラウンド接続を遮断することによって、システ

ム内にグラウンド・ループが生じる可能性をなくします。

TIA/EIA RS-485バス規格は、工業用および計測用アプリケーシ

ョンで最も広範囲に採用されている物理層バス・デザインの 1

つです。RS-485は複数システム間での差動データ伝送を行い、

非常に長い距離の伝送に多用されます。

RS-485による通信は差動通信なので、RS-232規格よりもロバス

ト性が向上します。

TIA/EIA RS-232デバイスは、工業用機械、ネットワーク機器、

科学計測装置に広く使われています。現代のパーソナル・コン

ピュータはネットワークに関する問題のデバッグに使われるこ

とも多く、ペリフェラル・インターフェースとしての役割は、

そのほとんどが RS-232に代えて USBが使われるようになって

おり、多くのコンピュータには RS-232ポートがありません。図

1に示す回路は、01RS-232と RS-485両方のインターフェース用

に、ロバスト性に優れたコンパクトなソリューションを提供し

ます。

日本語参考資料

最新版英語回路ノートはこちら

Page 2: CN-0373: 絶縁型 USB と絶縁型 RS-485 /絶縁型 RS …...T2 D5 64µH L3 47µH C2 47µF D8 0.1µF C15 47µF C16 0.1µF R19 N R16 R20 N N V FB C12 0.1µF VIN = 6V VOUT = 5V VIN

回路ノート CN-0373

Rev. 0 -2/6 -

図 1. 絶縁型 USBと FTDI 絶縁型 RS-232/絶縁型 RS-485の接続回路(簡略回路図、一部の接続は省略されています)

回路説明

図 1は、TIA/EIA-485/232完全準拠のトランシーバの高集積絶縁

回路で、高いロバスト性を備えています。ADM3252E 2.5 kV

rms絶縁型 RS-232と、ADM2587E 2.5 kV rms絶縁型 RS-485は、

業界最小のソリューションです。ADuM3160は市場をリードす

る 2.5kV rmsの USBポートの絶縁を実現し、低速および最高速

の USB互換ペリフェラル・デバイスとともに簡単に組み込むこ

とができます。FTDI FT2232H(USBから UARTへのコンバー

タ)は、UART経由での RS-485または RS-232バスポートへの

送信を容易にします。TIA/EIA RS-232 デバイスは、工業用機械、

ネットワーク機器、科学計測装置に広く使われています。RS-

485 のアプリケーションとしては、プロセス制御ネットワーク、

産業オートメーション、リモート端末、ビル・オートメーショ

ン(暖房、換気、空調(HVAC)、セキュリティ・システムな

ど)、モーター・コントロール、モーション・コントロールな

どがあります。

これら実際のシステムでは、落雷や電源変動によって大きな過

渡電圧が生じて、通信ポートを損傷させる恐れがあります。図

1に示す回路の絶縁は、これらの線路サージに対する保護を提

供することによって、システムの安全性を向上させます。

VISO = +3.3V

+

C30.1µF10V

+ C10.1µF16V

+C2

0.1µF

16V

0.1µF

+

C4

0.1µF

16V

VISO

V+

C1+

C1–

TOUT1

RIN1

GNDISOGND

TOUT2

RIN2

C2+

C2–

V–

GND232

ISOLATIONBARRIER

ROUT1

ROUT2

TIN1

TIN2

GND2

VCC

0.1µF10µFADM3252E

10µF

X1

X2

VDDA

VREG

VDD2

FB

OC

D5T264µH

L347µH

C247µF

D8

0.1µF

C1547µF

C160.1µF

R1916.5kΩ

R1610kΩR20

100kΩ

VFB

C120.1µF

VOUT = 5VVIN = 6VVOUTVIN

PG

GND

SENSE

EN/UVLO

GND1 GND2

GND1 GND2

R5

R7

UD–

UD+

DD–

DD+

ISOLATIONBARRIER

VBUS1 VBUS2

VDD1

PDEN

SPUGND1

0.1µF

0.1µF

VBUS

D+

D–

GND

GND1

FERRITE

600Ω

VDD2

SPD

PIN

0.1µF

NC

EP

USBMINI

ADP7102

FT2232H

C111µF

R18549Ω

D6

LED

DM

DP

ADBUS0

ADBUS1

ADBUS3

ADBUS2

RXD

RE

DE

TXD

PWREN#

BCBUS0

BDBUS1

BDBUS0

VC

CIO

(56)

VC

CIO

(42)

VC

CIO

(20)

VC

CIO

(31)

VR

EG

IN

GND2

0.1µF0.1µF

0.1µF

GND2GND2

FERRITE600Ω

FERRITE600Ω

VP

HY

GND2

0.1µF

VISO = +3.3V

VISO = +3.3V

VISO = +3.3V

4.7µF

OS

CI

OS

CO

12MHz

OSC

GND2GND2

18pF 18pF

GND2

VIN

VOUT

ADP190

VISO = +3.3V

GND2

VIN VOUT

ADP190

A

B

Z

Y

10µF0.1µF

GND485

VISOIN

VISOOUT

100nF10nF

VCC

VISO

+3.3V

J3/J5RS-232

BUS

J2RS-485

BUS

USBCABLETO PC

J4

J1

ADuM3070

ADuM3160

ADM2587E

GND2

GND1 GND2

GND2 GND485

GND2

0.1µF4.7µF

VPLL

GND232

GND232

GND485

GND2GND1

GND2GND1

GND1

GND1

12

92

5-0

01

Page 3: CN-0373: 絶縁型 USB と絶縁型 RS-485 /絶縁型 RS …...T2 D5 64µH L3 47µH C2 47µF D8 0.1µF C15 47µF C16 0.1µF R19 N R16 R20 N N V FB C12 0.1µF VIN = 6V VOUT = 5V VIN

回路ノート CN-0373

Rev. 0 -3/6 -

図 2. EVAL-CN0373-EB1Zボード

図 2は、絶縁型 USBと FTDI絶縁型 RS-232/絶縁型 RS-485を接

続する回路です。送信は、必要な場合に USBポートから RS-

485ポートと RS-232ポートの両方に対して同時に行うか、また

は 1つのポートだけに行うことができます。

ADuM3160は、FTDI FT2232H(USBから UARTへのコンバー

タ)への D+および D-の USBバス入力に、データ信号の 2.5kV

rmsデジタル絶縁を提供します。絶縁型 USB出力の DD-信号と

DD+信号は、それぞれ FTDIの DMピンと DPピンに接続します。

FTDI FT2232Hは、どの PCの仮想 COMポート(VCP)が選択

されたかに応じて、UART経由で RS-232/RS-485にデータを送

ることができます。ADuM3160の VBUS1電源は、USBケーブル

接続を介して供給されます。ADuM3070は安定化された絶縁型

電源を提供します。ADuM3070 の電源(+6V)とグラウンドは、

J1バレル・ソケット・コネクタを介して接続されます。

ADuM3160の VBUS2ピンには、ADuM3070により 3.3V絶縁電源

が供給されます。ADuM3070の 3.3V出力は、ADM3252E

2.5 kV rms絶縁型 RS-232と、ADM2587E 2.5 kV rms絶縁型 RS-

485トランシーバの 1次側電源も供給します。

ADM2587E 2.5kV rms絶縁型 RS-485トランシーバは、業界をリ

ードする信号および電源絶縁ソリューションです。このトラン

シーバは 3.3Vまたは 5Vで動作させることができます。データ

は TxDピンから送信され、RxDピンで受信されます。ドライバ

出力とレシーバ出力は、ともにイネーブルまたはディスエーブ

ルできます。つまり、それぞれ DEピンとREピンのロジック・

レベルを変更することにより、高インピーダンス状態にします。

FTDI出力ピン BDBUS0は、ADM2587Eの TxDデータ入力ピン

に接続します。FTDI出力ピン BCBUS0、PWREN#、BDBUS1は、

それぞれ ADM2587Eの DE、RE、RxD入力ピンに接続します。

DEピンとREピンの状態は、ジャンパ LK1と LK2で設定するこ

ともできます。リンクごとに、Position Aはロジック・ピンを

3.3Vへ、Position Bはロジック・ピンを GNDへ、Position Cはロ

ジック・ピンを FTDI出力ピンに接続します。

ADM2587Eは、A、B、Y、Zの RS-485入出力を介してバス・デ

ータを送受信することができます。RS-485バス・ケーブルは、

5線の J2コネクタ経由で接続できます。ジャンパ LK5と LK6

の接続を外すと ADM2587Eは全二重構成になり、

この状態では Yピンと Zピン経由でデータを送信し、Aピンと

Bピン経由で受信することができます。ジャンパ LK5と LK6を

接続すると、ADM2587Eの入出力は半二重構成になります。つ

まり、バス・データは送信も受信もできますが、同時に行うこ

とはできません。

ADM3252Eは、高速、2.5kV完全絶縁のデュアル・チャンネル

RS-232/V.28トランシーバ・デバイスで、3.3Vまたは 5Vの単電

源電圧で動作します。RS-232インターフェースは全二重通信を

サポートしており、5線の J5コネクタまたは J3コネクタ経由で、

ハードウェア・ハンドシェイキング用に CTSと RTSを提供しま

す。J3は、工業用機器への接続用の RS-232ケーブル・コネクタ

です。

ADM3252Eトランスミッタの入力(TINx)には、FTDIの

ADBUS0および ADBUS2出力ピンの TTL/CMOS入力レベルを

加えることができます。TINx入力は反転されて絶縁バリアをま

たいで結合され、EIA/TIA-232Eバス信号として J3または J5コ

ネクタ経由で送信されます。ADM3252Eレシーバ入力(RINx)

には J3または J5コネクタからの EIA/TIA-232E信号レベルを加

えることができます。RINx入力は反転されて絶縁バリアをまた

いで結合され、ROUTxピンに出力されます。ROUTxピンは、FTDI

への ADBUS1および ADBUS3入力に接続します。

2 つの ADP190 回路がソフトスタート回路として使われており、

FTDI FT2232Hの起動が完全に終了した後で、ADM2587Eと

ADM3252Eに電源を供給します。ジャンパ LK7は、FTDI

FT2232H PWREN#ピンを、74AHC1G14W5-7インバータ経由で

ADP190回路の ENピンにリンクします。電源スイッチをオンに

するには ADP190の ENピンをハイに、オフにするにはローに

する必要があります。LK7を Position Aにする(Position Bの接

続を解除する)というのは、ADP190の ENピンが常にハイ(イ

ネーブル)になることを意味します。LK7を Position Bにする

(Position Aの接続を解除する)というのは、反転 PWREN#信

号によって ADP190の ENピンがトリガされることを意味しま

す。

FTDI FT2232Hのデータシートには、RS-232通信のすべてのピ

ン機能のリストが記載されています。ジャンパ LK3と LK4は、

RS-232のハンドシェイキング・オプションに使用します。LK3

を接続すると ADBUS4(DTR#)が ADBUS5(DSR#)に接続さ

れ、LK4を接続すると ADBUS4(DTR#)が ADBUS6(DCD#)

に接続されます。

EVAL-CN0373-EB1Z

12

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5-0

02

Page 4: CN-0373: 絶縁型 USB と絶縁型 RS-485 /絶縁型 RS …...T2 D5 64µH L3 47µH C2 47µF D8 0.1µF C15 47µF C16 0.1µF R19 N R16 R20 N N V FB C12 0.1µF VIN = 6V VOUT = 5V VIN

回路ノート CN-0373

Rev. 0 -4/6 -

回路の評価とテスト

J1バレル・ソケット・コネクタに 6Vの電圧をかけると、

EVAL-CN0373-EB1Zボードの電源が入ります。電圧は、

ADP7102レギュレータの出力にある VCC_REGテスト・ポイン

トでチェックできます。ADP7102の出力電圧は 5Vとする必要

があります。この 5V電圧は ADuM3070と T2トランスに加えら

れ、その 3.3V出力が、RS-485、RS-232、および FTDI回路の電

源となります。ISO_VCCテスト・ポイントの値が 3.3Vである

ことを確認してください。

送受信パス全体のテストは、RS-232および RS-485出力を、ア

ナログ・デバイセズの ezLINX™ iCoupler®絶縁インターフェー

ス開発環境ボードに接続することによって行えます。あるいは、

Tera Termオープンソース・ターミナル・エミュレータ・プログ

ラムを使用することにより、USBから RS-232/RS-485への送信

テストを行うことができます。必要に応じて、USBポートから

RS-485/RS-232ポートの両方に同時に送信することも、1つのポ

ートだけに送信することも可能です。

まず、ラップトップ/PCから J4コネクタに USBケーブルを接

続します。図 3に示すように、ADM3252Eトランシーバの隣に

ある ISOTxDテスト・ポイントにオシロスコープのプローブを

取り付けてください。次に、図 4に示すように、PCアプリケー

ション・ソフトウェアを開いて COM5を選択し、OKをクリッ

クします。

さらに、Fileメニューの下の Sendをクリックして、送信する

RS-232データをロードします。図 5に示すように、連続テスト

送信用にデータ・サイズの大きい任意のファイルを選び、Send

をクリックしてください。

図 3. EVAL-CN0373-EB1Zボードのテスト・セットアップ

図 4. EVAL-CN0373-EB1Zボード上の RS-232ポートへ

USB送信を行うための Tera Term COM5

図 5. EVAL-CN0373-EB1Zボード上の RS-232ポートへ

USB送信を行うための Tera Term COM5データ

EVAL-CN0373-EB1Zボードの ISOTxDテスト・ポイントにプロ

ーブを取り付け、オシロスコープ上で絶縁された RS-232信号を

観察します(図 6参照)。

図 6. EVAL-CN0373-EB1Zボードにある RS-232ポート用の

ISOTxD信号

OSCILLOSCOPE

6.0VPOWERSUPPLY

TERA TERM

COM6 RS-485

J4 USB

ADM2587E

ADM3252E

FT2232H

ISOTxD

Y

ZTERA TERMCOM5 RS-232

PC/LAPTOP

J1

J5RS-232

J2RS-485

J3RS-232

12

92

5-0

03

12

92

5-0

04

12

92

5-0

05

12

92

5-0

06

Page 5: CN-0373: 絶縁型 USB と絶縁型 RS-485 /絶縁型 RS …...T2 D5 64µH L3 47µH C2 47µF D8 0.1µF C15 47µF C16 0.1µF R19 N R16 R20 N N V FB C12 0.1µF VIN = 6V VOUT = 5V VIN

回路ノート CN-0373

Rev. 0 -5/6 -

ADM2587E トランシーバにも同じテストを行うことができます。

まず、ラップトップ/PCから J4コネクタに USBケーブルを接

続し、図 3に示すように、ADM2587Eトランシーバの隣にある

Yおよび Zテスト・ポイントに、オシロスコープのプローブを

取り付けます。次に、図 7に示すように、2つめの Tera Termエ

ミュレータ・ウィンドウを開き、RS-485送信用に COM6を選

択します。

図 7. EVAL-CN0373-EB1Zボード上の RS-485ポートへ

USB送信を行うための Tera Term COM6

Fileメニューの下の Sendをクリックして、送信する RS-485デ

ータをロードします。図 8に示すように、連続テスト送信用に

データ・サイズの大きい任意のファイルを選び、Sendをクリッ

クしてください。

図 8. EVAL-CN0373-EB1Zボード上の RS-485ポートへ

USB送信を行うための Tera Term COM6データ

Yおよび Zテスト・ポイントにプローブを接続して絶縁された

RS-485信号をオシロスコープ上で観察するか、図 9に示すよう

に、オシロスコープの Y-Z演算機能を使用して差動バス信号を

観察します。

図 9. EVAL-CN0373-EB1Zボード上にある RS-485ポートの Y-

Z演算波形

12

92

5-0

07

12

92

5-0

08

12

92

5-0

09

Page 6: CN-0373: 絶縁型 USB と絶縁型 RS-485 /絶縁型 RS …...T2 D5 64µH L3 47µH C2 47µF D8 0.1µF C15 47µF C16 0.1µF R19 N R16 R20 N N V FB C12 0.1µF VIN = 6V VOUT = 5V VIN

回路ノート CN-0373

Rev. 0 -6/6 -

さらに詳しい資料

CN-0373 Design Support Package:

www.analog.com/CN0373-DesignSupport

ezLINX™ iCoupler® Isolated Interface Development Environment,

ezLINX Board Quick Start Guide.

AN-960 Application Note:RS-485/RS-422 Circuit Implementation

Guide. Analog Devices, Inc.

AN-740 Application Note:RS-232アプリケーションでの

iCoupler®アイソレーション

UG-400 User Guide:ezLINX™ iCoupler® Isolated Interface

Development Environment. Analog Devices, Inc.

データシートと評価ボード

ADM2587Eデータシート

ADM3252Eデータシート

ADuM3160データシート

ADuM3070データシート

ADP190データシート

ADP7102データシート

ezLINX™ iCoupler® Isolated Interface Development Environment

(EZLINX-IIIDE-EBZ)

改訂履歴

4/15—Revision 0: 初版

「Circuits from the Lab/実用回路集」はアナログ・デバイセズ社製品専用に作られており、アナログ・デバイセズ社またはそのライセンスの供与者の知的所有物です。お客さまは

製品設計で「Circuits from the Lab/実用回路集 」を使用することはできますが、その回路例を利用もしくは適用したことにより、特許権またはその他の知的所有権のもとでの暗示

的許可、またはその他の方法でのライセンスを許諾するものではありません。アナログ・デバイセズ社の提供する情報は正確でかつ信頼できるものであることを期しています。し

かし、「Circuits from the Lab/実用回路集 」は現状のまま、かつ商品性、非侵害性、特定目的との適合性の暗示的保証を含むがこれに限定されないいかなる種類の明示的、暗示

的、法的な保証なしで供給されるものであり、アナログ・デバイセズ社はその利用に関して、あるいは利用によって生じる第三者の特許権もしくはその他の権利の侵害に関して一

切の責任を負いません。アナログ・デバイセズ社はいつでも予告なく「Circuits from the Lab/実用回路集 」を変更する権利を留保しますが、それを行う義務はありません。 商標お

よび登録商標は各社の所有に属します。

©2015 Analog Devices, Inc. All rights reserved. 商標および登録商標は各社の所有に属します。