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年6月 日第三郵便物認可(毎月六回5の日・0の日発行) 年4月 日発行 SSK 増刊通巻第 日本ALS協会 筋萎縮性側索硬化症と共に闘い歩む会 群馬県支部だより No. 日本ALS協会群馬県支部  支部長 村 田 波 廣 事務局 〒 群馬県佐波郡玉村町板井 (羽鳥方) TEL  (山口) H・P http://nanbyou.beptmed.gunma-u.ac.jp/alsindex.html 新緑の美しい季節になりました。 5月 日に第 回の総会が開催されます。少ない役員での運営ですが、医療、行政の皆様、支援者 の方々のご協力をいただいて毎年総会を開催できています。心より感謝申し上げます。個人情報の問 題等で以前のように患者さんに直接連絡することにもはばかられる昨今ではありますが、人との絆を 大切にしてつながっていけたらと思っています。 会報の発行が遅くなりました。お忙しい中原稿をお寄せ下さいました皆様には大変申し訳なく思っ ております。これからも微力ではありますがALSの患者家族の方に寄りそい活動していきたいと思い ます。 日は良き出会いがありますように、沢山の方々の参加をお待ちしております。 日本ALS協会 群馬県支部 事務局長 須賀由美子 平成 年度 群馬県支部総会 平成 年5月 日(日)  時半~ 群馬県社会福祉総合センター2F(前橋市新前橋町 ) TEL 第1部 総会議事( 第2部 シンポジウム( ~) 「多職種で支える在宅生活」~よりよくいきるために~ シンポジスト・伊勢崎市高齢者相談センター東 中 島 麻衣子 先生   ・群馬県看護協会訪問看護ステーション 山 路 聡 子 先生   ・群馬県看護協会訪問看護ステーション高崎 平 石 桂 子 先生   ・ヘルパーステーションかのん 鈴 木 尚 美 先生   ・伊勢崎保健福祉事務所 小 宮 浩 子 先生   それぞれの立場でALSの患者家族にどんな支援ができるのかをお話していただきます。 一人で悩まずに相談してください。そして同じ立場、同じ想いの人との繋がりを見つけましょう。 初めての方、関係者のかたも皆さんで是非ご参加下さい。

群馬県支部だより - nanbyou.med.gunma-u.ac.jp · 平成 年度群馬県支部総会報告 平成 $年5月 日 群馬県社会福祉総合センターにて群馬県支部総会が開催されました。

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年6月 日第三郵便物認可(毎月六回5の日・0の日発行)年4月 日発行 SSK 増刊通巻第 号

日本ALS協会筋萎縮性側索硬化症と共に闘い歩む会

群馬県支部だより  No. 日本ALS協会群馬県支部  支部長 村 田 波 廣

事務局 〒 -  群馬県佐波郡玉村町板井 - (羽鳥方)TEL  - -    - - (山口)H・P http://nanbyou.beptmed.gunma-u.ac.jp/alsindex.html

 新緑の美しい季節になりました。 5月 日に第 回の総会が開催されます。少ない役員での運営ですが、医療、行政の皆様、支援者の方々のご協力をいただいて毎年総会を開催できています。心より感謝申し上げます。個人情報の問題等で以前のように患者さんに直接連絡することにもはばかられる昨今ではありますが、人との絆を大切にしてつながっていけたらと思っています。 会報の発行が遅くなりました。お忙しい中原稿をお寄せ下さいました皆様には大変申し訳なく思っております。これからも微力ではありますがALSの患者家族の方に寄りそい活動していきたいと思います。 日は良き出会いがありますように、沢山の方々の参加をお待ちしております。

日本ALS協会 群馬県支部 事務局長 須賀由美子

平成 年度 群馬県支部総会  平成 年5月 日(日)  時半~ 時  群馬県社会福祉総合センター2F(前橋市新前橋町 - ) TEL - -

 第1部 総会議事( : ~ : ) 第2部 シンポジウム( : ~)     「多職種で支える在宅生活」~よりよくいきるために~  シンポジスト・伊勢崎市高齢者相談センター東 中 島 麻衣子 先生          ・群馬県看護協会訪問看護ステーション 山 路 聡 子 先生          ・群馬県看護協会訪問看護ステーション高崎 平 石 桂 子 先生          ・ヘルパーステーションかのん 鈴 木 尚 美 先生          ・伊勢崎保健福祉事務所 小 宮 浩 子 先生  

 それぞれの立場でALSの患者家族にどんな支援ができるのかをお話していただきます。 一人で悩まずに相談してください。そして同じ立場、同じ想いの人との繋がりを見つけましょう。初めての方、関係者のかたも皆さんで是非ご参加下さい。

平成 年度群馬県支部総会報告

平成 年5月 日  群馬県社会福祉総合センターにて群馬県支部総会が開催されました。 群馬大学医学部神経内科 藤田行雄先生のご講演と音楽イベントを行いました。 あらゆるジャンルを唄いミゼットアコーディオンの弾きがながら歌う、桐生在住の早坂香織さん(岡田清光さんとのユニット poison ポアゾン)にライブをお願いしました。

筋萎縮性側索硬化症の病態と治療に関する最近の話題

群馬大学 神経内科 藤 田 行 雄 

 今回は講演の機会を与えて頂きありがとうございました。 私は群馬大学を平成7年に卒業し、研修医を終了後から岡本幸市群馬大学名誉教授のもとで、筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis ; ALS)の神経病理学的研究を始めました。私が研究

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を始めた 年前にはALS の病態は不明なことだらけで、ALS に適応の有る薬は一つも無い状況でした。しかし、近年ようやくALS の病態に基づく薬が使えるようになり、さらに根本的な治療に結びつく研究も進んできています。今回の講演ではALS の病態から今後の治療に向けて出来る限り分かり易くお話させて頂いたつもりです。ここでは、その内容について簡潔にまとめたいと思います。

1.神経疾患の見方 我々神経内科医が診療する際に大事にしていることは病巣診断と病因診断です。神経内科で診療する疾患は幅広く、例えば患者さんの筋力低下がみられたときには、それが大脳・脊髄などの中枢神経に由来するのか、末梢神経に由来するのか、筋肉自体に問題があるのかなどいくつもの可能性があります。これを明らかにするのが病巣診断です。病巣診断を行うには詳細な神経診察が必要になります。我々が患者さんの筋肉をじーっとみたり、叩いたり、足の裏をこすったりするのは、患者さんの症状を引き起こしている責任病巣はどこかを明らかにするためです。これらは聴診器では絶対に診断はできず、我々神経内科医でなければできません。次に、そこに何が起きているのかを詰めていくのが病因診断になります。問診から始まり、各種の画像検査や血液検査、脳脊髄液検査などにより病因を明らかにしていきます。

2.ALSの病巣診断と病因診断 ALS の患者さんでは筋力低下、筋萎縮(やせ)、飲み込みヅラさなどの症状が認められますが、障害される病巣はどこでしょうか?ALS では上の図のうち大脳、脳幹、脊髄に病巣があり、特にそこに存在する 運動神経細胞 が選択的に障害を受けています。ヒトの神経細胞には運動神経細胞、感覚系、認知機能系など色々ある中で、なぜ、運動神経細胞が選択的に障害されるのかはALS 研究の大きなテーマの一つです。病因診断については研究が進み徐々に明らかになりつつありますが、現在のところは不明と言わざるを得ません。

3.ALSの症状 ALS で障害を受けるのは中枢神経内の運動神経細胞であることを述べました。さらに細かくいうと運動神経細胞は大脳にある1次運動神経細胞、脳幹・脊髄にある2次運動神経細胞(大脳からの命令

を受け、筋肉に命令を伝える神経細胞)に分けられます。ALS ではこの両者が様々な程度で障害を受けることで患者さんに様々な神経症状を引き起こします。1次運動神経細胞が障害を受けた場合には、患者さんの自覚症状としてはツッパリ感程度で強くはないかもしれません。一方、脳幹にある2次運動神経細胞が障害を受けるとしゃべりづらさ、飲み込みづらさ、舌のやせ・ぴくつき(線維束性収縮)などが、脊髄の2次運動神経細胞が障害されると手足の筋力低下、筋のやせ、呼吸困難、筋のぴくつきなど患者さん

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の日常生活を強く障害する症状がみられます。また、ALS は運動神経細胞が選択的に侵される病気であり、運動神経細胞以外の神経細胞は障害を受けないとされます。特に・感覚障害がない・眼球運動障害がない・膀胱直腸障害がない・褥瘡がない、をALS の4大陰性徴候と呼ばれ、ALS の診断の上で重要な陰性症状になります。

4.ALSの診断 ALS には特異的な診断マーカーはありません(通常の血液検査、画像検査では診断出来ない)。このため先に述べた1次、2次両方の運動神経細胞が進行性に障害されていることを問診と神経診察で明らかにすること、さらに、それらを引き起こす他の疾患が無いことを確認することが必要です。近年では、筋のぴくつき(線維束性収縮)が、2次運動神経細胞自体が障害を受けた時にみられる所見と考えられることから、診断において、その有無を確認することの重要性が高まっています(我々が患者さんの筋肉をじーっと見つめたり、筋肉に針を刺す検査をするのはこのためです)。また、ALS の早期には症状がそろわず、ある一時点を見ただけの診断が難しいことも数多くあるため、患者さんの症状の経過をしっかり追わせて頂く必要があります。

5.ALSの原因と治療 ALS の原因はいまだ不明です。しかし近年の研究の進歩によりALS で使える新しい治療薬の開発がなされています。ここでは 原因から治療 ということでお話します。

1)グルタミン酸過剰説: グルタミン酸は神経伝達物質ですが、それが過剰になったことにより神経細胞が過剰に刺激され興奮毒性を発現するとされます。この点に注目したのがリルゾール(商品名リルテック)です。リルゾールはグルタミン酸の抑制作用を有しており、神経への興奮毒性を軽減するとされます。

2)フリーラジカル神経毒説: 次に開発されたのがエダラボン(商品名ラジカット)です。ALSの方の一部には遺伝性が認められており、最初に見つかった遺伝子異常は SOD 遺伝子の変異です。SOD は体内の活性酸素を除去する酵素の働きを調整しており、この変異があることは活性酸素の調整ができず、神経細胞の変性につながるではと考えられます。エダラボンはこの活性酸素を除去する薬剤としてALSの治療薬になりました。

 現在、これらの2つの薬剤がALS の治療に用いられていますが、効果が限定的で 治す まではいかないこと、また、試験の段階では病状の初期で使わないと効果が認められないことが課題となります。

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このため、ALS の診断がついた時には効果が期待しづらい場合も多く、ALS の早期診断のためのマーカーの確立が必要です。

3)異常蛋白蓄積説: 根本的な治療の可能性を秘めた研究を1つお話しします。ALS の運動神経細胞を顕微鏡で観察するとその中に ごみ(不要な異常蛋白:左図 矢印)が蓄積しています。この ごみ の正体は長らく不明でしたが、 年これが TDP- という蛋白であることが報告され、ALS の研究が一気に進展しました。現在、この ごみ をうまく処理することで、根本的な治療に結びつけようとする研究が行われています。最近では iPS 細胞を用いてこの観点からの創薬研究も進められています(実はALS 以外にもパーキンソン病、アルツハイマー病などでも、また違った ごみ の蓄積が神経細胞障害に関与していると考えられています)。

6.ALSと診断されたら ALS の診断を受けた患者さん、また、そのご家族には否定、落胆、葛藤など様々な心の反応があると思います。しかし、近年のALS 研究の進歩は目覚ましいものがあり、新規の薬剤開発研究も上記以外に神経栄養因子を用いた臨床試験などが進んでいます。患者さんには、是非、主治医にいっぱい質問したり、このような友の会の活動を通して、病気を理解し、受け入れて新たな目標を見いだして欲しいと思います。我々も引き続き、日本の、世界の研究者に負けないALS の克服に向けた努力を続けていきたいと思います。

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患者・家族・交流会開催

  月 日(土)、日本ALS 協会群馬支部交流会が群馬県総合福祉センターにて開催され、患者、家族、遺族など 名が集まりました。この病気は、全身の筋肉が萎縮し、様々な身体障害が発現します。稀な病気であることや、発症する部位が多様なために、患者や家族は、対応に苦慮します。そこでALS協会群馬支部では、患者や家族は孤立しないように、悩みや在宅療養経験談などの交流会を毎年開催しています。 桐生市から初参の 歳Aさんは「今は、老人会の役員などをしているが、半年前に右手の人差し指の違和感から発症を自覚し、現在は、右手や肩などの動きが悪くなり、車は左手で運転している。今後どういうふうに病気が進行するかとても不安であり、いろいろな情報が欲しい」 太田市から夫婦で来られたBさんは、「主人が、8年前より言語障害が始まり、多数の医療機関、鍼灸やマッサージなど手を尽くしたが、原因不明のままだった。今年、ようやくALS と認定された。しかし、今後どうしたらよいのか、まったく先が見えないので困っている」 前橋から母子で参加のCさんは、「母親が食べ物が喉を通らなくなり、苦労をしています。今後胃ろうを付けたり、人工呼吸器を付けるかなどの問題が出てきますが、現在胃ろうを装着するか検討しているので、経験談などをお聞きしたい」 みなかみ町から参加のDさんは「どの医療機関へ行っても診断が出ず、困りました。多くの医師がこの病気について知らなくて、うつ病だとされてしまいました。ようやくALS と診断され入院中です。今後どうすれば良いか情報が欲しくて参加しました」 以上のような意見や質問がたくさん出され、参加した保健師、看護師、在宅介護者、遺族から、豊富な経験談や介護の知恵などが語られ、有意義な交流会となりました。

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熊本地震から学ぶこと~常に備えを~

館林保健福祉事務所 依 田 裕 子 

1 はじめに 昨年4月に熊本地震が発生し震源近くの地域では大きな被害がありました。阿蘇山で土砂崩れが発生し阿蘇大橋が崩落した現場をテレビ報道で何度も見たのを記憶しています。 全国から被災地へ、多くの保健医療チームが発災直後から派遣されました。私は、群馬県保健活動(保健師)チームの第1陣として、平成 年4月 日から 日まで南阿蘇村に派遣となり、村保健師の活動を支援しました。現地での活動の様子を振り返り、その経験から考えるALS 療養者さんの災害対策についてまとめましたので、御報告させていただきます。

2 被災地での活動内容 私が経験した5日間の活動は、避難所の感染防止対策のための健康調査と健康教育、避難者の健康相談、さらに自宅にいる被災者の家庭訪問を始めるための準備でした。活動は、南阿蘇村の保健師や他県の医療チーム、精神医療チーム、薬剤チーム、歯科保健チームなどの多職種チームと連携しながら行いました。ライフラインは、電気、上水道は復旧していました。避難所では、飲料水はペットボトル、食事は、パンやおにぎり、炊き出しのうどん等が配られていました。また、昼は仕事に行き、夜は避難所の駐車場で、自家用車内で過ごすという方が多く、どこの避難所の駐車場も、夜は車が置ききれないほどにあふれていました。 高齢者のディサービスを行っていた施設を開放し、そこに要介護状態の高齢者が避難していました。活動4日目からは、避難所の健康相談と併行して、自宅にいる要支援者の健康状態を家庭訪問で確認していくため、対象者のリストアップや地図の準備も始めました。日々状況が変化していく中での活動でしたのでなかなか予定どおりには進みませんでしたが、訪問準備を第2班へ引き継ぎ、活動を終えました。

3 災害への備え1)災害はどこでもおこる。 これまで熊本県は、地震はあまり多くないと考えられていたようですし、群馬県も同様のことを聞いた記憶があります。しかし、本当にそうなのでしょうか。群馬県地震被害想定調査報告書(平成 年)によると、関東平野北西縁断層帯主部の避難者予測は県内で、発災直後 万人、1日後

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万人が想定されています。また、主に東毛地域に被害が想定される太田断層帯でも、直後 万人、1日後 万人とされています。その他、私が勤務する館林邑楽地域のように河川のあるところでは洪水災害も想定されますし、大雪災害は記憶に新しいところです。災害は、いつどこでおこるかわかりません。2)支援者が被災者となることもある。 当然のことながら、医師、看護師などの医療職や行政職員なども被災者となることもあり、支援者がなかなか駆けつけられない事態も考えられます。南阿蘇村では、総合病院までを結ぶ主要道路であった南阿蘇大橋が崩落してしまい、山越えを余儀なくされ、救急車でも一時間近くかかっていました。被災時は時間との闘いです。駆けつけられない専門職より、隣人が頼りになります。日頃から近隣者とのつながりをもっておくことも大切です。おのおのが災害時の備えができているかどうか点検しておくことが重要だと思います。3)多くの医療支援を受けている場合は、特に支援が必要。 子ども、高齢者、障害者など、災害時に支援が必要な方々は大勢いますが、特に多くの医療支援が必要な方の場合は、停電、断水などライフラインが途絶えることが大きなハザードとなります。避難行動をとること事態が困難な場合も少なくありません。いろいろな場合を考えて準備しておかなければならないと思いました。 今、県内では保健所保健師が声かけして、在宅人工呼吸器装着者の災害時個別支援計画策定を始めています。器械の種類や設定など療養環境が個々に違いますので、災害発生時にどう対処するかを個別に検討しておくことが我々支援者にとって喫緊の課題です。4)訓練が必要。 非常事態にどう対応できるかは、事前にその事態をどのくらい想定して準備してきたかにつきると思います。だからと言って経験していないことをイメージすることは難しいです。仮想の災害発生の中で、アンビューバックのトレーニングをする、充電器を点検する、避難の方法と避難経路を確認するなどシュミレーションしてみることが大切で、そうすることで新たな気づきがあります。それを積み重ねていくことが災害対策の第一歩だと思います。

4 おわりに 今回、熊本での経験を振り返る機会をいただいたおかげで、私自身が災害時の備えについて考える機会となりました。日本ALS 協会群馬県支部の皆様にあらためて感謝申し上げます。 微力ながら実体験を振り返りまとめましたので、皆様の参考になれば幸いです。

 最後になりましたが、平成 年熊本地震によりお亡くなりになられた方々のご冥福を衷心よりお祈り申し上げます。

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我が家の災害対策!

  山 口 富 雄 

 在宅で、訪問看護、訪問介護、訪問入浴、訪問リハビリなど、いろいろな援助を得ながら、一人で妻を介護して8年になります。災害が発生する度に「我が家はどうしようか?」と考えを巡らします。とにかく「やれることは準備しておこう」ということで、次のような対策をたて準備をしています。

その1 停電対策① 小型発電機を購入 地震、巨大台風、水害に対してすぐ心配されるのは停電です。人工呼吸器には数時間は機能維持ができると解説されている充電池がついているが、実際には何時間電源として有効であるかは何の保障もありません。自治体に申請すれば充電池を貸与しているところもありますが、わが市にそれはありません。とにかく発電機があれば、直接電源として使用できるし、充電も可能になるので、写真のようなものを購入しました。YAMAHA製の小さくて、安価なものですが、 円ほどでした。最大Wを出力することができます。 人工呼吸器は災害が発生し停電が数時間経過すれば充電池には、理論的には7時間くらいは大丈夫と言われておりますが、製品の使用時間がけいかしていれば、何時間継続して機能を果たすかは、保証がありません。数時間で停電が復活するなら問題はありません。 発電機が準備してあれば、呼吸器を直結し、充電もあわせてやれば、継続運転することができます。ガソリンさえ十分あれば、数日は心配ありません。 音はエンジン音ですが、やや近くに居ると気になるエンジン音です。ガソリン保存タンク リッター缶( 円)も準備しています。ガソリンも劣化しますので、半年に一度くらいは入れ替えるようにしています。

② 手動痰吸引器の購入 普通の電動吸引器には充電池がついておりますが、十分な有効時間が保障されているかどうかの絶対的な確証ありません。呼吸器の具合が夜中におかしくなった場合に、ただただ手をこまねいているのではなく、手動吸引器が必要になります。練習をしてみると、うまく痰吸引するには、練習が必要

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なことがわかります。

その2 水害対策① ハザードマップの確認 自治体のホームページには、その地域の水害ハザードマップが載っています。調べてガックリ、我が家は 年前の新興団地なので、安い土地に大量に住宅が建設されました。案の定、水害予想マップでは、水色に着色されていて、避難場所は、近くの小学校が指定されています。すぐ近くの大学が指定されていると思ったのですが、考えてみると、大学は河川の向こう側になるので、水害時には超えるのが危険と想定され、距離はあるが、そこが避難所に指定されているということがわかりました。このことも妻の避難経路を調べておかなくてはということで、ようやく調べる気力が起きたということです。② 緊急避難病院の準備 河川氾濫の警報が出たときには、連携病院に緊急搬送してもらえるように事前に打ち合わせし、確認しておけば安心です。

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回  想

  小 川 武 史 

 家族は保健師の資格を持つ妻と、自閉症の次男との3人暮らし。長男は東京に住んでいた。 妻が異変を感じたのは、 年 月、咳が止まらなくなった。耳鼻科で診てもらったが異常なし、その後も3ヶ月余り咳が続いた。 その頃から大きな声が出せない。 ~ m歩くと疲れる。上を向いてうがいをするとむせるという症状が出ていた。東日本大震災の影響で計画停電が始まり、病院も停電時は休診となっていた。その後、声が出せなくなり、意思の伝達は筆談となる。  年4月、群大病院に検査入院、予想していた通りALS と診断される。 桐生保健所へ書類申請、保健師Mさんを紹介される。その後、ケアマネージャーQさんと一緒に自宅に来てくれ、色々と話を伺った。 この頃の妻の食事は嚥下障害のため、一日でひつまむし弁当を1/3から~1/4、みそ汁を少し、抹茶プリン、温泉たまご、お茶とほとんど食べられていない状態だった。ケアマネージャーのQさんがこのままだとこの夏は越せないよと云われ、胃ろうを勧められた。 本人胃ろうも気管切開もいやだと云っていたが、何とか胃ろうだけはしてくれと頼み込み了解してもらい、6月に群大病院にて胃ろうの手術を受けた。この頃から、2週間に1回H医師の往診、週2回訪問看護師のKさん、週1回清掃を担当してくれるヘルパーのIさんが来てくれていた。 また次男も休日には、地域生活支援事業にかかわるヘルパーさんに見てもらうことが出来、助かった。妻には親しい友達が多く、ほぼ毎日のように誰かしらが家に来てくれていて、私自身が落ち込まずに救われた。自宅での療養は、この年の 月まで続いたが、私自身が大腸憩室症という大腸に穴が開く病気で下血し、即入院が必要となった。この時に助けられたのがケアマネージャーのQさん、訪問看護師のKさん、保健師のMさん、まず妻の入院先を探していただいたが、桐生市近郊には受け入れてもらえる病院がみつからず、ようやく伊勢崎の美原記念病院さんに受け入れてもらえた。次男は近くの施設で短期入所をお願いし、私は桐生厚生病院に入院となった。東京にいた息子は休職し、親2人のそれぞれの病院に通ってくれた。この間2週間、その後妻も自宅に戻ったが、すぐに呼吸困難となり再び美原記念病院に入院、その後1年と5ヶ月で旅立ちました。 享年 才。最後まで気管切開はせずに、口と鼻をおおう呼吸補助装置(バイパップ)で過ごしました。 介護中、入院中に助けられた事は、沢山の方々の温かさでした。合掌。

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お 知 ら せ

◎住所氏名変更・宛名違いについて 届け出ている住所が変更になる場合は、お手数ですが事務局までハガキまたはEメールにてお知らせください。

◎お便りをお待ちしています 事務局・会報担当では、皆様からのお便りをお待ちしています。 ご意見、ご感想、寄稿なんでも結構です。下記までお願い致します。

〒 -  群馬県佐波郡玉村町板井 -       (羽鳥方)日本ALS協会群馬県支部FAX   - -Eメール yumiko-S@xf .so-net.ne.jp

*群馬県支部としての会費は頂いておりません。*本部からの助成金と皆様からのご寄付で活動しています。*皆様のご寄付は大切に使わせていただきます。

郵便振替  - -振込先 しののめ信用金庫 新前橋支店(普)     日本ALS協会群馬県支部

日本ALS協会群馬県支部会報

平成 年5月吉日

編集人 日本ALS協会群馬県支部    支部長 村 田 波 廣

事務局 〒 -    群馬県佐波郡玉村町板井 -    TEL  - - (羽鳥方)

印 刷 朝日印刷工業株式会社

1971年6月

日第三郵便物認可(毎月六回5の日・0の日発行)

2017年4月

日発行 SSK 増刊通巻第4934号

発行所 障害者団体定期刊行物協会 東京都世田谷区砧6―