12
12 出典:総務省統計局「経済センサス基礎調査」 (平成26年) 出典:総務省統計局「経済センサス基礎調査」 (平成26年) 従業者規模別企業数(平成26年、札幌市) 5人以下 75% 51人以上 4% 6人以上50人以下 21% 第2次産業 第3次産業 その他サービス業 医療・福祉 教育・学習支援業 宿泊・飲食サービス業 不動産・物品賃貸業 金融・保険業 卸売・小売業 運輸・郵便業 情報通信業 電気・ガス・熱供給・水道業 製造業 建設業 鉱業 農林漁業 全国 0% 10% 20% 30% 40% 50% 宿泊・飲食サービス業 宿泊・飲食サービス業 宿泊・飲食サービス業 その他サービス業 その他サービス業 その他サービス業 医療・福祉 医療・福祉 医療・福祉 不動産・物品賃貸業 不動産・物品賃貸業 不動産・物品賃貸業 建設業 9.3 建設業 8.6 建設業 8.8 卸売•小売業 卸売•小売業 卸売•小売業 教育•学習支援業 教育•学習支援業 教育•学習支援業 金融•保険業 金融•保険業 金融•保険業 運輸•郵便業 運輸•郵便業 運輸•郵便業 60% 70% 80% 90% 100% 北海道 札幌市 農林漁業 1.8 農林漁業 0.1 農林漁業 0.6 製造業 5.0 24.9 7.7 7.7 20.6 14.3 製造業 3.4 24.5 11.6 8.5 20.5 13.4 製造業 8.8 25.4 13.1 6.9 7.6 20.0 情報通信業 1.2 情報通信業 1.0 情報通信業 1.9 本章では、札幌市の経済情勢や、人口動向など札幌産業を取り巻く環境の変化について分析します。 札幌市の産業構造は、事業所数、従業者数ともに、製造業などの第2次産業の割合が全国に比べて低く、卸 売・小売業や、飲食・宿泊サービス業などの第3次産業が中心の産業構造となっています。 また、札幌市内にある企業の75%が、従業員5人以 下の企業であるなど、従業員50人以下の企業は全体 の96%を占めています。札幌市の企業の多くは中小 企業であり、札幌市の経済は、中小企業によって支え られていると言えます。 札幌産業を取り巻く環境の変化 第3章 1) 産業構造 札幌市の経済情勢 1 事業所の産業別割合(平成26年、全国・北海道・札幌市)

第3章 札幌産業を取り巻く環境の変化 - Sapporo14 札幌産業を取り巻く環境の変化 第1第章2章 第3章 第4第章5第章6第章7第章8章 実績 来期見通し

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12

札幌産業を取り巻く環境の変化

第1章

第2章

第3章

第4章

第5章

第6章

第7章

第8章

出典:総務省統計局「経済センサス基礎調査」(平成26年)

出典:総務省統計局「経済センサス基礎調査」(平成26年)

従業者規模別企業数(平成26年、札幌市)

5人以下75%

51人以上 4%

6人以上50人以下21%

第2次産業

第3次産業

その他サービス業

医療・福祉

教育・学習支援業

宿泊・飲食サービス業

不動産・物品賃貸業

金融・保険業

卸売・小売業

運輸・郵便業

情報通信業

電気・ガス・熱供給・水道業

製造業

建設業

鉱業

農林漁業

全国0%

10%

20%

30%

40%

50%

宿泊・飲食サービス業 宿泊・飲食サービス業 宿泊・飲食サービス業

その他サービス業 その他サービス業 その他サービス業

医療・福祉 医療・福祉 医療・福祉

不動産・物品賃貸業不動産・物品賃貸業 不動産・物品賃貸業

建設業 9.3 建設業 8.6建設業 8.8

卸売•小売業卸売•小売業

卸売•小売業

教育•学習支援業 教育•学習支援業 教育•学習支援業

金融•保険業金融•保険業

金融•保険業

運輸•郵便業運輸•郵便業

運輸•郵便業

60%

70%

80%

90%

100%

北海道 札幌市農林漁業 1.8 農林漁業 0.1農林漁業 0.6

製造業 5.0

24.9

7.7

7.7

20.6

14.3

製造業 3.4

24.5

11.6

8.5

20.5

13.4

製造業 8.8

25.4

13.1

6.9

7.6

20.0

情報通信業 1.2情報通信業 1.0

情報通信業 1.9

 本章では、札幌市の経済情勢や、人口動向など札幌産業を取り巻く環境の変化について分析します。

 札幌市の産業構造は、事業所数、従業者数ともに、製造業などの第2次産業の割合が全国に比べて低く、卸

売・小売業や、飲食・宿泊サービス業などの第3次産業が中心の産業構造となっています。

 また、札幌市内にある企業の75%が、従業員5人以

下の企業であるなど、従業員50人以下の企業は全体

の96%を占めています。札幌市の企業の多くは中小

企業であり、札幌市の経済は、中小企業によって支え

られていると言えます。

札幌産業を取り巻く環境の変化第3章

1) 産業構造

札幌市の経済情勢1

事業所の産業別割合(平成26年、全国・北海道・札幌市)

Page 2: 第3章 札幌産業を取り巻く環境の変化 - Sapporo14 札幌産業を取り巻く環境の変化 第1第章2章 第3章 第4第章5第章6第章7第章8章 実績 来期見通し

13

札幌産業を取り巻く環境の変化

第1章

第2章

第3章

第4章

第5章

第6章

第7章

第8章

市内総生産(実質)の推移(札幌市)

6.80

6.70

6.60

6.50

6.40

6.30

6.636.59

6.64 6.66 6.676.59 6.62

6.496.42

6.46

6.56 6.58

6.71

(兆円)

6.20H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 (年度)

出典:札幌市「平成25年度市民経済計算」

出典:総務省統計局「経済センサス」

事業所数(民営、札幌市)

80,000

75,000

70,000

65,000

79,415

74,33575,749

(所)

60,000H21 H24 H26 (年)

出典:総務省統計局「経済センサス」

従業者数(民営、札幌市)

900,000

850,000

800,000

750,000

871,524

831,700858,119

(人)

700,000H21 H24 H26 (年)

 札幌市の平成25年度(2013年度)の市内総生産(実質)は6兆7,081億円となり、平成22年度(2010年

度)以降、4年連続で増加しました。

 札幌市の事業所数(民営)は75,749事業所、従業者数(民営)は858,119人となり、平成21年(2009年)

から24年(2012年)では事業所数、従業者数ともに減少しましたが、直近の平成24年から26年(2014年)

では増加に転じています。

2) 市内総生産

3) 事業所数(民営)と従業者数(民営)

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14

札幌産業を取り巻く環境の変化

第1章

第2章

第3章

第4章

第5章

第6章

第7章

第8章

実績 来期見通し

▲ 90▲ 80▲ 70

6050403020100

▲ 10▲ 20▲ 30▲ 40▲ 50▲ 60

昭62/下

昭63/上

平28/上

平27/上

平26/上

平25/上

平24/上

平23/上

平22/上

平21/上

平20/上

平19/上

平18/上

平17/上

平16/上

平15/上

平14/上

平13/上

平12/上

平11/上

平10/上

平9/上

平8/上

平7/上

平6/上

平5/上

平4/上

平3/上

平2/上

平1/上

平28/下

56.2

1.1

▲76.9

▲8.23.2

▲77.9

▲20.0

▲16.7▲15.7

(ポイント)

出典:札幌市「企業経営動向調査」

 現ビジョンは、平成21年度(2009年度)から策定の検討を始めましたが、当時は、平成20年(2008年)秋

に発生したリーマンショックの影響により、全国的に景気が低迷しており、札幌市の景気動向指数 28 は、平成

9年(1997年)の北海道拓殖銀行の経営破綻による低迷時と同水準まで景気が落ち込んでいました。

 しかし、平成25年度(2013年度)下期に平成8年度(1996年度)上期以来17年半ぶりにプラスとなり、そ

の後は小幅な上昇、下降を繰り返しながらも平成28年(2016年)現在は、リーマンショック前の水準に回復

しています。

景気動向指数の推移(札幌市)

4) 市内企業の景況感

景気動向指数28 景気が前期と比較して「上昇している」と回答した企業の割合から「下降している」と回答した企業の割合を差し引いた数値。・・・

Page 4: 第3章 札幌産業を取り巻く環境の変化 - Sapporo14 札幌産業を取り巻く環境の変化 第1第章2章 第3章 第4第章5第章6第章7第章8章 実績 来期見通し

15

札幌産業を取り巻く環境の変化

第1章

第2章

第3章

第4章

第5章

第6章

第7章

第8章

70605040302010

37

19

31

67

31

14

(%)

0増加 減少 変わらない

出典:札幌市経済観光局「1万社アンケート」(平成21年、27年)

直近5年間の売上高の推移(平成21年と27年の比較)

出典:札幌市経済観光局「1万社アンケート」(平成27年)

直近5年間の利益の推移(平成27年)

増益29%

変わらない37%

減益34%

平成21年度調査 平成27年度調査

出典:北海道労働局「雇用失業統計」

0

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

平成23年1月

3月5月7月9月11月平成24年1月

3月5月7月9月11月平成25年1月

3月5月7月9月11月平成26年1月

3月5月7月9月11月平成27年1月

3月5月7月9月11月平成28年1月

3月5月7月9月

10,000

(人)1.4

(倍)

1.2

1.0

0.8

0.6

0.0

0.4

0.2

有効求人倍率

有効求職者数 有効求人数 求人倍率(全国) 求人倍率(全道) 求人倍率(札幌圏)

1.01倍 1.03倍

0.34倍

 「産業振興ビジョン改定に係る1万社アンケート 29 (以下、「1万社アンケート」という。)」において、直近5

年間の売上高の変化をみると、平成21年度(2009年度)に実施した調査結果と比較して、売上高が「増加傾

向」と答えた企業の割合は14%から31%と2倍以上に増加した一方で、売上高が「減少傾向」と答えた企業

の割合は67%から31%に大幅に減少しています。

 なお、利益については、増益と答えた企業(29%)よりも、減益と答えた企業(34%)の割合が高くなっています。

 企業の景況感回復を背景に、雇用情勢も変化が見られ、現ビジョン策定時の平成23年(2011年)1月に0.34

倍であった札幌圏の有効求人倍率は、平成27年(2015年)10月には1.0倍を超えるなど回復を続けています。

5) 市内企業の直近5年間の売上高

6) 雇用情勢

札幌圏の有効求人倍率の推移

産業振興ビジョン改定に係る1万社アンケート29 産業振興ビジョン改定に係る基礎データとするため、平成27年(2015年)11月~12月に実施した市内企業1万社を対象としたアンケート調査。(詳細第8章  122ページ~を参照)

・・・3

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16

札幌産業を取り巻く環境の変化

第1章

第2章

第3章

第4章

第5章

第6章

第7章

第8章

市内企業の経営上の問題点の推移

70.0(%)

60.0

50.0

40.0

30.0

10.0

20.0

0.0平23/上 平23/下 平24/上 平24/下 平25/上 平25/下 平26/上 平26/下 平27/上 平27/下 平28/上

出典:札幌市「企業経営動向調査」

出典:札幌市経済観光局「1万社アンケート」(平成27年)

収益率の低下

人手不足

売上不振

諸経費の増加

仕入価格の上昇

販売価格の下落

平成21年

平成27年

低利融資制度

人材確保支援

人材育成支援

異業種・同業種とのマッチング支援

新分野進出支援

経営相談支援

海外への販路拡大支援

企業情報の発信支援

0 10 20 30 40(%)

2622

2015

75

613

57

42

411

9.213.4 15.8

24.029.3

32.636.3 37.7 39.7 41.438.9

3535

 札幌市企業経営動向調査 30 によると、経営上の問題点として、これまで高い数値を示していた「売上不振」

や「収益率の低下」などは減少しているものの「人手不足」を挙げる企業の割合が急速に増加しています。

 「1万社アンケート」において、今後の事業活動の実施にあたって行政に望む支援策は、「低利融資制度」

(35%)が最も多く、次いで「人材確保支援」(26%)、「人材育成支援」(20%)の順となっています。平成21年

度(2009年度)に実施した調査結果と比較して、「人材確保支援」「人材育成支援」を挙げる企業の割合が増

加しています。

7) 市内企業の経営上の問題点

8) 市内企業が行政に望む支援策

札幌市企業経営動向調査30 札幌市内企業の経営実態とその抱える問題点及び今後の見通し等、札幌産業全体の動向を把握し、施策推進の基礎資料とするため、市内に事業所を有する企業、団体、個人事業者を対象に、昭和62年(1987年)から実施している調査。

・・・

市内企業が行政に望む支援策

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17

札幌産業を取り巻く環境の変化

第1章

第2章

第3章

第4章

第5章

第6章

第7章

第8章

出典:札幌市経済観光局「1万社アンケート」(平成27年)

今後、販売強化・進出を考えている国内市場

出典:札幌市経済観光局「1万社アンケート」(平成27年)

売上が最も大きい市場

札幌市内79.4%

札幌市内71.5%

道外9.4%

道外9.8%札幌市以外の道内

11.2%札幌市以外の道内

18.7%

出典:札幌市経済観光局「1万社アンケート」(平成27年)

海外観光客向けの取組

出典:札幌市経済観光局「1万社アンケート」(平成27年)

海外との取引

海外取引がない94.7%

取り組む予定はない86.7%

海外取引がある5.3%

行っている 4.6% 現在取り組む計画がある1.7%将来取り組む意向はある7.1%

  「1万社アンケート」によると、市内企業の9割以上が、売上が最も大きい国内市場として「札幌市内を含

む道内市場」と回答しており、また、今後、販売強化・進出を考えている国内市場としても、「札幌市内を含む道

内市場」という回答が多くなっています。

 しかし、北海道の人口は今後さらに減少することが予想されており、それに伴い道内市場が縮小し、市内企

業の売上減少につながることが懸念されます。

 しかし、市内企業が今後、販売強化・進出を考えている国内市場としても、市内を含む道内との回答が多く、ま

た海外との取引や海外観光客向けの取組を行っている企業は少ない現状にあります。

9) 道内市場の縮小と市内企業の市場への意識

出典:総務省統計局「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所

年少人口(0~14歳)

生産年齢人口(15~64歳)

老年人口(65歳以上)500

400

300

200

100

0

600

136

348

66

171

213

35

(万人)

平成22年

平成52年

平成27年

平成32年

平成37年

平成42年

平成47年

551

419

北海道の人口の将来見通し

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18

札幌産業を取り巻く環境の変化

第1章

第2章

第3章

第4章

第5章

第6章

第7章

第8章

22年

27年

32年

37年

42年

47年

52年

57年

62年

67年

72年

出典:総務省統計局「国勢調査」

年齢(3区分)別人口の推移(各年10月1日現在、札幌市)

200

150

100

50

(万人)

030年

35年

40年

45年

50年

55年

60年

7年

12年

17年

22年

25年

昭和

2年

平成

200

150

100

50

(万人)

0平成

出典:総務省統計局「国勢調査」、札幌市まちづくり政策局

人口の将来の見通し(各年10月1日現在、札幌市)

生産年齢人口(15~64歳)年少人口(0~14歳) 老年人口(65歳以上) 生産年齢人口(15~64歳)年少人口(0~14歳) 老年人口(65歳以上)

191

39

22

129

67

15

93

63

1169

175143

0〜4

5〜9

10〜14

15〜19

20〜24

25〜29

30〜34

35〜39

40〜44

45〜49

50〜54

55〜59

60〜64

65〜69

70〜74

75〜79

80〜84

85歳以上

札幌市と道内との転出入状況(平成26年中)

8,000

6,000

4,000

2,000

(人)

0

出典:札幌市「住民基本台帳」(平成26年)

道内からの転入 道内への転出

0〜4

5〜9

10〜14

15〜19

20〜24

25〜29

30〜34

35〜39

40〜44

45〜49

50〜54

55〜59

60〜64

65〜69

70〜74

75〜79

80〜84

85歳以上

札幌市と道外との転出入状況(平成26年中)

6,000

4,000

2,000

(人)

0

出典:札幌市「住民基本台帳」(平成26年)

道外からの転入 道外への転出

 札幌市の人口は、戦後、一貫して増加を続けてきましたが、この先数年のうちに自然減が社会増を上回り、

人口減少に転じることが予想されています。平成52年(2040年)には、平成22年(2010年)と比較して総人

口は15万人以上の減少、生産年齢人口 31 は30万人以上減少することが予想されます。

 札幌市の人口の移動(転出入数)を、年齢別にみると、道内についてはほとんどの年代で転入超過であるの

に対し、道外では20~29歳で大幅な転出超過となっています。

1) 人口の推移と将来見通し

2) 転出入の状況

人口の動向2

生産年齢人口31 15歳以上~65歳未満の人口。・・・

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19

札幌産業を取り巻く環境の変化

第1章

第2章

第3章

第4章

第5章

第6章

第7章

第8章出典:札幌市「地元就職促進施策検討調査」

0% 20% 40% 60% 80% 100%

文 系

首都圏 8.6

市内67.0

道内21.3

首都圏を除く道外 4.9

市内66.2

道内14.4

首都圏14.4

首都圏を除く道外 3.2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

理 系

市内43.5

道内13.6

首都圏35.3

首都圏を除く道外 7.6

首都圏を除く道外 3.6

市内63.4

道内9.8

首都圏23.2

出典:市内各大学(平成26年3月卒業者の数値)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

文 系

市内46.3

道内24.0

道外29.7

市内50.2

道内22.9

道外26.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

理 系

市内28.0

道内10.5

道外61.4

市内48.5

道内14.7

道外36.8

 また、平成27年(2015年)に実施した大学生に対するアンケート調査の結果を見ると、学生の希望就職地

(既に就職先が決まっている者は予定就職地)について、文系では、男女とも就職地として「市内」を希望する

割合が7割近く、「市内」または「道内」を希望する割合が8割以上と地元就職志向が非常に高くなっていま

す。

 理系でも就職地として「市内」または「道内」を希望する割合は、女性で7割以上、男性でも6割近くとなっ

ています。

 しかし、平成26年(2014年)3月に大学・大学院を卒業した学生の就職地を文系・理系別及び男女別にみ

ると、文系では男女とも7割以上が市内を含めた道内に就職していますが、理系では市内・道内への就職割合

が低く、特に男性は6割を超える学生が道外に就職しており、就職地の希望が叶えられていないことがうか

がえます。

希望就職地別学生数の割合(文系・理系、男女別)

就職地別就職者の割合(文系・理系、男女別)

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20

札幌産業を取り巻く環境の変化

第1章

第2章

第3章

第4章

第5章

第6章

第7章

第8章

出典:総務省統計局「就業構造基本調査」(平成24年)

出典:総務省統計局「就業構造基本調査」(平成24年)

出典:大都市統計協議会「大都市比較統計年表」(平成26年)

女性の年代別有業率の他都市比較(平成24年)

100(%)

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

15~24歳 25~34歳 35~44歳 45~54歳 55~64歳 65歳以上

44%

64% 64%69%

48%

9%

出典:総務省統計局「就業構造基本調査」(平成24年)

札幌市

仙台市

広島市

福岡市

 人口構成について、政令指定都市の仙台市、広島市、福岡市と比較すると、生産年齢人口に占める女性の割

合、総人口に占める65歳以上の割合は、札幌市が最も高くなっていますが、その有業率 32 は最も低くなって

います。

 また、女性の有業率について年代別に比較すると、札幌市は25歳~34歳で有業率が低いのが特徴です。

女性、高齢者の有業率等の他政令指定都市比較

3) 女性、高齢者の有業率等の他政令指定都市比較

有業率32 普段収入を得ることを目的としている者、及び仕事は持っているが現在は休んでいる者の割合。・・・

札幌市 仙台市 広島市 福岡市

札幌市 仙台市 広島市 福岡市

札幌市 仙台市 広島市 福岡市

生産年齢人口(人) 1,264,000 708,800 751,600 1,011,400

生産年齢人口の女性(人) 660,200 357,200 382,800 523,800

生産年齢人口の女性の有業者(人) 385,900 216,500 237,100 330,000

生産年齢人口に占める女性の割合(%) 52.2% 50.4% 50.9% 51.8%

生産年齢人口の女性の有業率(%) 58.5% 60.6% 61.9% 63.0%

65歳以上の人口(人) 416,500 210,200 249,400 274,400

65歳以上の有業者(人) 61,500 35,700 53,000 50,100

総人口に占める65歳以上の人口の割合(%) 21.6% 19.8% 21.1% 18.4%

65歳以上の有業率(%) 14.8% 17.0% 21.3% 18.3%

総人口(人) 1,928,776 1,060,877 1,181,410 1,492,254(平成24年10月1日現在)

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札幌産業を取り巻く環境の変化

第1章

第2章

第3章

第4章

第5章

第6章

第7章

第8章

55歳~65歳の人口と総人口に占める割合の他都市比較(平成27年)

300,000(人) (%)

15

14

13

12

11

10

200,000

100,000

0札幌市 仙台市 広島市 福岡市

出典:総務省統計局「国勢調査」(平成27年10月1日現在)

出典:札幌市経済観光局「1万社アンケート」(平成27年)

24.2%

23.8%

22.7%

16.4%

3.4%

3.0%

1.1%

1.8%

52.4%

始業、終業時間の繰り上げ、繰り下げ

育児休業制度

育児・介護のための短時間勤務制度

トイレ、ロッカー等設備の新増築

転勤免除

在宅勤務制度

事業所内保育所の設置

その他

特に実施していない

0 20 40 60

出典:札幌市経済観光局「1万社アンケート」(平成27年)

44.2%

37.4%

16.6%

5.3%

2.7%

継続雇用・新規採用の予定はない

継続雇用により既に就業している

興味はある

新規に採用している

新規採用を予定している

0 25 50

(%)

(%)

55歳~64歳の人口

総人口に占める55歳~64歳の人口の割合

260,648

13.4%

179,01311.6%

138,881

11.6%

130,214

12.0%

女性が働きやすい職場環境整備

高齢者の就業(採用)状況

(人口)

(割合)

 さらに、近い将来に65歳となる55歳~64歳の人口(平成27年(2015年)10月1日現在)を見ると、総数、総人

口に占める割合ともに札幌市が最も高いことがわかります。

 しかし、「1万社アンケート」によると、女性が働きやすい職場環境の整備を行っている市内企業は半数に満

たず、また65歳以上の高齢者の継続雇用・新規採用の予定はないと答えた企業は4割を超えています。

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札幌産業を取り巻く環境の変化

第1章

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第4章

第5章

第6章

第7章

第8章

小規模企業

IoT(Internet of Things)

ビッグデータ

人口知能(AI)

水素社会

水素サプライチェーン

33

34

35

36

37

38

中小企業基本法の定義では、製造業その他では従業員20人以下、商業・サービス業では従業員5人以下の事業者をいう。

日本語では「モノのインターネット」と訳される情報通信技術の概念を指す。あらゆる“モノ”に高度な通信機能が組み込まれ、インターネットで相互に情報伝達できるようになること。

典型的なデータベースソフトウェアが把握し、蓄積し、運用し、分析できる能力を超えたサイズのデータ。

学習・推論・判断といった人間の知能のもつ機能を備えたコンピュータシステム。

家庭用燃料電池や燃料電池自動車など、日常生活や産業活動にクリーンエネルギーとして水素が本格的に利活用されている社会。水素は、太陽光などの再生可能エネルギーを使って、水から製造することができるため、地球温暖化の防止に寄与するだけでなく、エネルギーセキュリティの確保にも寄与するため、新たなエネルギー源として注目されている。

水素を製造、貯蔵、輸送、供給し、燃料電池自動車や燃料電池等で利用するまでの一連の流れ。

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 全国の中小企業の中でも9割を占める小規模企業 33 は、地域の経済や雇用を支える極めて重要な存在で

あり、国においては、経済の好循環を全国に波及していくため、その活力を最大限に発揮させることが必要不

可欠との考えのもと、平成26年(2014年)に「小規模企業振興基本法」が公布、施行されました。

 この法律では、小規模企業の振興の基本原則として、中小企業基本法の基本理念である「成長発展」のみ

ならず、多様な主体との連携及び協働を推進することにより、その事業の「持続的な発展」が図られることを

旨とすることが明記されています。

 これまでの歴史を遡ると、18世紀後半に、石炭・蒸気機関が産業へ導入されたことにより、社会経済状況の変

革、いわゆる「産業革命」が起こり、経済が大きく進展しました。その後も、20世紀初頭の電力・モーターの登場、

20世紀後半のコンピュータ導入による自動化の進展が、産業・経済に大きなインパクトを与えました。

 現在は、IoT(Internet of Things) 34 や、ビッグデータ 35 の解析、人工知能(AI) 36 などの技術革新が急速

に進み、これまで技術的に実現不可能と思われていたことや、膨大な情報を収集、処理しなければならないと

いった理由により実現不可能だったことが、実現可能となりつつあります。これらの先端技術は、今後、産業

構造や社会経済に大きなインパクトを与え、変化を生み出すことが見込まれており、国ではこれらの技術革新

とそれに伴う社会変化を「第4次産業革命」と呼んでいます。

 平成23年(2011年)3月の東日本大震災以降、泊発電所の長期停止に伴う火力燃料費及び他社からの購

入電力料の大幅な増加などにより、二度にわたって電気料金の値上げが実施され、電気料金の負担が企業収

益の悪化の要因となっています。

 また、新たなエネルギー源として水素エネルギーの活用が今後期待されている中、平成26年4月に策定さ

れた国の「エネルギー基本計画」では、水素社会 37 の実現に向けた取組の加速を掲げており、「水素・燃料電

池戦略ロードマップ」においては、燃料電池自動車の普及など水素エネルギー利活用分野の拡大に関して、平

成52年(2040年)頃までの目標と取組が示されています。このような中、北海道においても、平成28年

(2016年)1月に「北海道水素社会実現戦略ビジョン」を策定し、地産地消を基本とした水素サプライチェー

ン 38 の構築や、環境産業の育成・振興などの方向性が示されたところです。

1) 小規模企業振興基本法の制定

2) 第4次産業革命の潮流

3) エネルギー環境の変化

その他外部環境の変化3

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資料:札幌市

4) 北海道新幹線の開業と札幌延伸

 平成28年(2016年)3月に北海道新幹線(新青

森~新函館北斗間)が開業しました。

 北海道新幹線の新函館北斗~札幌間(約211km)

は、平成42年度(2030年度)末までの完成・開業を

目指し、建設事業が進められています。

 北海道新幹線の札幌延伸により、東北や首都圏と

札幌との経済面での結びつきが強まり、また、ビジ

ネスで札幌を訪れる人の数が増えることも期待され

ます。観光面でも、札幌のみならず、北海道全体での

観光客の増加や、周遊可能なエリアの拡大が期待さ

れます。

 札幌市は、平成26年(2014年)11月に、平成38年(2026年)に開催が予

定されている冬季オリンピック・パラリンピックの招致を表明しました。

 昭和47年(1972年)に札幌で開催されたアジア初となる冬季オリンピッ

クは、ウィンタースポーツシティとしての札幌の存在感を高め、国際化に大

きく貢献するとともに、札幌の街を大きく変え、市民の誇りとアイデンティ

ティ 39 の形成につながりました。

 オリンピック・パラリンピックは国家的事業であり、日本としての立候補

の可否については、最終的に日本オリンピック委員会の判断となりますが、

40年余りを経て、札幌で再び冬季オリンピックを開催し、初のパラリンピッ

クを開催することは、子どもたちに夢と希望を与え、冬季スポーツを振興し、

世界平和に貢献するというオリンピック本来の意義に加え、都市基盤及び冬季スポーツ施設の更新や、バリアフ

リー 40 化の促進といった都市のリニューアルを推し進めるほか、札幌・北海道のみならず、日本全体の活性化に

つながるといった効果が期待されます。

5) 冬季オリンピック・パラリンピックの招致表明

アイデンティティ

バリアフリー

39

40

ある人・物が、他の人・物と異なって持っている独自性。同一性。

高齢者や障がいのある人などが、社会生活をしていくうえで障壁となるものを除去すること。道路、建物、交通手段など物理的なものだけでなく、社会的、制度的、心理的なものを含めたすべての障壁をなくすことを意味している。

・・・

・・・・・・・・

凡 例建設中の区間

(2030年度末までに開業予定)

営業中の区間

新函館北斗~札幌約211km

新青森~新函館北斗約149km

北海道新幹線全区間

(札幌~新青森)約360km

新函館北斗駅

新八雲(仮称)駅

札幌駅

長万部駅

倶知安駅

新小樽(仮称)駅

木古内駅

奥津軽いまべつ駅

新青森駅八戸駅

冬季オリンピック・パラリンピック札幌招致期成会ロゴマーク