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鉄道省第1号バスの走った岡多線 鉄道省第1号バスの走った岡多線 岡崎・瀬戸・多治見間および瀬戸・多治見間を走った国鉄バス岡多線は、鉄道省の第1号のバスと して、1932(昭和5)年12月に開業した。 沿 1922(大正11)年4月、鉄道敷設法が交付され、敷設す べき路線として全国149路線が示された。1929(昭和4) 年8月、鉄道敷設には膨大な予算が掛かることから、鉄 道省は「自動車交通網調査会」を設け、自動車による鉄 道代替の検討を進め、同年12月全国82路線が指定され、 その第1号として岡崎・多治見間を結ぶ岡多線が指定さ れた。岡多線が選定されたのは、次の理由による。 ①全長65kmと運営に適すること ②鉄道建設予定地に該当していたこと ③岡崎、挙母、瀬戸、高蔵寺、多治見などの市や町 を含んでいること。 東挙母駅 中部における国産車のあゆみ 国産車の開発史(2) 岡多線の記念碑 「省営バス発祥の地」記念碑 瀬戸市の複合施「設瀬戸蔵」(瀬戸市末広町)の前に「省 営バス発祥の地」の記念碑が建っている。2009(平成21)年 9月、省営バスの後身のJR東海バスが廃止となった際、同 所にバス停、瀬戸記念橋があったことから設置された。碑 には当時のバス1号車が描かれ、「省営バス発祥の地」と題 し、次の碑文が記されている。 1号バス 昭和5年12月20日 岡崎・多治見間に登場した省営 バス。昭和5年の省営バスの創業時から平成16年8月 まで、最古のJRバス駅舎であった瀬戸記念橋駅が ここに建っていました。 「国鉄自動車発祥之地」 1970(昭和55)年、国鉄バス50周年を記念して、旧国鉄バス岡崎 営業所内(岡崎市中田町)に建立されたが、現在は行方不明と なっている。 (写真は平成12年頃、藤井建氏撮影)

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鉄道省第1号バスの走った岡多線鉄道省第1号バスの走った岡多線岡 崎 ・ 瀬 戸 ・ 多 治 見 間 お よ び 瀬 戸 ・ 多 治 見 間 を 走 っ た 国 鉄 バ ス 岡 多 線 は 、 鉄 道 省 の 第 1号 の バ ス と

し て 、 1932 (昭 和 5)年 12月 に 開 業 し た 。

沿 革

1 9 2 2 (大 正 1 1 )年 4月 、 鉄 道 敷 設 法 が 交 付 さ れ 、 敷 設 す

べ き 路 線 と し て 全 国 1 4 9路 線 が 示 さ れ た 。 1 9 2 9 (昭 和 4 )

年 8月 、 鉄 道 敷 設 に は 膨 大 な 予 算 が 掛 か る こ と か ら 、 鉄

道 省 は 「 自 動 車 交 通 網 調 査 会 」 を 設 け 、 自 動 車 に よ る 鉄

道 代 替 の 検 討 を 進 め 、 同 年 12月 全 国 82路 線 が 指 定 さ れ 、

そ の 第 1号 と し て 岡 崎 ・ 多 治 見 間 を 結 ぶ 岡 多 線 が 指 定 さ

れ た 。 岡 多 線 が選 定 さ れ た の は 、 次 の 理 由 に よ る 。

① 全 長 65km と 運 営 に 適 す る こ と

② 鉄 道 建 設 予 定 地 に 該 当 し て い た こ と

③ 岡 崎 、 挙 母 、 瀬 戸 、 高 蔵 寺 、 多 治 見 な ど の 市 や 町

を 含 ん で い る こ と 。

東挙母駅

中部における国産車のあゆみ Ⅰ 国産車の開発史(2)

岡多線の記念碑「省営バス発祥の地」記念碑

瀬戸市の複合施「設瀬戸蔵」(瀬戸市末広町)の前に「省

営バス発祥の地」の記念碑が建っている。2009(平成21)年

9月、省営バスの後身のJR東海バスが廃止となった際、同

所にバス停、瀬戸記念橋があったことから設置された。碑

には当時のバス1号車が描かれ、「省営バス発祥の地」と題

し、次の碑文が記されている。

1号バス

昭和5年12月20日 岡崎・多治見間に登場した省営

バス。昭和5年の省営バスの創業時から平成16年8月

まで、最古のJRバス駅舎であった瀬戸記念橋駅が

ここに建っていました。

「国鉄自動車発祥之地」

1970(昭和55)年、国鉄バス50周年を記念して、旧国鉄バス岡崎

営業所内(岡崎市中田町)に建立されたが、現在は行方不明と

なっている。

(写真は平成12年頃、藤井建氏撮影)