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日高麻由美 くらしに広がるラッピング

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ラッピング・アーティスト 日高麻由美さんのウッテリエ・インタビューです。くらしに広がるラッピング ワインボトルは、 海から揚がった“メッセージボトル”。箱のひだは、波が寄せては引いて のこされた、砂浜のモヨウ。 貝殻に耳を寄せると、遠い海の音が 贈る人の声に重なり、砂浜の上には、 贈る人の手書きのメッセージがある。日高さんの美しいラッピングに惹かれて、詩を添えてみました。

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utte interview vol.6

ラッピングアーティスト 日高麻由美インタビュー

Mayumi Hidaka, Wrapping Artist, utte interview

Wrapping Spreading in the LifeOctober 2009

くらしに広がるラッピング

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くらしに広がるラッピング

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くらしに広がるラッピング

この冊子は、クリエイター作品の販売ウエブサイト

「utte」に掲載するクリエイター×ウッテリエ・イン

タビューです。気鋭のクリエイターの創作世界観を、

ウッテリエ(utte+sommelier=クリエイティブ界の

ソムリエの造語)が 2000 字から 2500 字でぎゅっと

伝えます。

2009 年 7 月にお伺いしたラッピングアーティスト日

高麻由美さんとのクリエイティブなインタビューです。

そのラッピングの世界の魅力をお楽しみください。

皆さまからのコメントが励みになります。お手紙は

utte の電子メールアドレスまでお願いいたします。

[email protected]

utte ブックレット制作責任者 郷好文

同 村山桜子

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くらしに広がるラッピング

日高麻由美 utte ウエブサイト

http://www.utte.co.jp/joomla/content/view/988/54/

utte ウエブサイト

www.utte.co.jp

日高麻由美 ブログ

http://bluebellss.cocolog-nifty.com/blog/

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くらしに広がるラッピング

日高麻由美 /ラッピングアーティスト

自己紹介

美しいものを作ることが好きな私が出会ったラッピング。

贈り物をする時、相手のことを想いながら身近な材料を

使って包んでみて下さい。世界に一つのマイスタイルの

贈り物は、気持がまっすぐ相手の方に伝わってとても喜

んでもらえますよ。

ラッピングを通して皆様の暮らしに美しいエッセンスを

ふりそそぐことができれば・・・私にとってこの上ない

喜びです。

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くらしに広がるラッピング

経歴

OL を経て日本ディスプレイスクールにて店舗ディスプレ

イを学ぶ。

卒業後ライフスタイリストでラッピングの第一人者渡辺

千寿子氏に師事。

ラッピングを中心に販売促進に携わる。1991 年フリーと

なり、商工会議所や企業にてラッピング講師として活動。

今日までの講習会は全国 300 カ所を越え、現在は暮らし

寄りそう美しいラッピングを広めるためブログなどで

アイディアラッピングも紹介。

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くらしに広がるラッピング

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くらしに広がるラッピング

くらしに広がるラッピング

ここには、贈る物とラッピングの自然なハーモニーがあ

る。

 シンプルで上質なラッピングペーパーが、シャシャッ

と音を立てて、ギフトのシルエットを引き締めてゆく。

ロープやリボンやラフィアが、キュッキュッと音を立て

て、ギフトを贈る人の想いを封印してゆく。貝殻や海星

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くらしに広がるラッピング

(ひとで)のデコレーションが、「せっかちにならない

で」と、ギフトを紐解きたい欲望をたしなめる。

このギフトラッピングは、まるで海の向こうからやっ

てくる「贈る人から贈られる人へのメッセージ」のよう

にも感じる。

ワインボトルは、海から揚がった“メッセージボトル”。

箱のひだは、波が寄せては引いてのこされた、砂浜のモ

ヨウ。 

貝殻に耳を寄せると、遠い海の音が贈る人の声に重なり、

砂浜の上には、贈る人の手書きのメッセージがある。

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くらしに広がるラッピング

こんな素晴らしいラッピングストーリーを奏でるのは、

ラッピングアーティストの日高麻由美さん。全国を飛び

回り、ラッピングの素晴らしさと感動をたくさんの人に

伝えてきた。

【外面も内面も美しいラッピング】

「開けたときもきれい!と言ってくださるラッピングを

創りたいんです」

 ラッピングの素人にありがちなのが、たくさんセロテ

ープを使ってしまうこと。外見はうまく仕上がっても、

内側はセロテープ留めだらけでは興ざめ。シンプルに美

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くらしに広がるラッピング

しく包むことができれば、外側だけでなく内側も美しく

なるんですよと日高さんは語る。内面から美しい人がほ

んとうの美人と言うけれど、ラッピングも人も同じなの

である。

 四角いボックスのポケットに筆記具というアイデアも

いいけれど、“丸いもの”のラッピングのヒダがお洒落。ワ

インやジャムのボトルのなで肩やふくらみを活かしつつ、

きちんと包んで保護もしっかりしている。あまりに美し

いので、そのままにしておきたい。

【フツーのOLからラッピングスタイリストへの転身】

 ラッピングへの転身は表現したいという欲求から。フ

ツーの会社のフツーの OL だった日高さんはある日、表現

できることをしたいと思い立ち、会社を辞め日本ディス

プレイスクールに通い出した。店舗のディスプレイを学

び、卒業後にライフスタイリストでラッピングの第一人

者の渡辺千寿子氏に師事。時代は 1990 年のバブルエコノ

ミー前夜。大不況の今どきよりも、ずっと気軽にギフト

を贈りあっていた時代。

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くらしに広がるラッピング

 「週の半分以上、講演会で出張したことも珍しくありま

せんでした」。

 ラッピングはまさにブームを迎えていた。商業会社や

店舗がこぞってマーケティングや販売促進に目を向け、

ラッピングや店舗ディスプレイがいかに商売にとって必

要か、認識を深めていた。キリンビール、資生堂など大企

業や、各地の商工会議所に招かれて、ラッピング講師や店

舗ディスプレイの実施や指導を行った。

【全国制覇の実力】

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くらしに広がるラッピング

 講演・実演指導では、大きな会議室や講堂で、テーブル

を寄せて、マイクを片手に講義をし、自らラッピングを

見せて指導にあたる。商工会議所主催のイベントでは、商

店の方々が実技だけでなく、ラッピングセンスを磨きに

大挙してやってきた。大型商業施設では、講義だけでな

く“実技サービス”もやった。伊勢丹でのクリスマスギフ

ト・ラッピングサービスでは売場に包装サンプルをディ

スプレイし、それに引きつけられたお客さまが、ラッピ

ングサービスの注文に押し寄せた。師走までの 1ヶ月、

出ずっぱりでラッピングをしたことも。

「営業ができない人なんです」

 自ら営業活動をしたことはほとんどない。ところが口

コミが口コミを誘って全国から依頼が来る。先頃ついに、

講演とサービスで、全 47都道府県を制覇した。それはき

っとラッピングの特徴そのまま、彼女自身が飾り気がな

く美しいからである。

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くらしに広がるラッピング

【優れたラッピングにはお客さま増加サイクルがある】

「ラッピングがいいとお店が流行るんです」と日高さん。

 それはこうだ。ラッピングがいいとお客さまが満足す

る。店員にもそれが伝わり、仕事にやる気が出てくる。

やる気が出てくると仕事上手になる。ディスプレイ表現

も、棚のフェイスづくりも上手くなる。それがお客さま

に伝わり、リピーターとなり、新規のお客さまも増える。

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くらしに広がるラッピング

 良いラッピングには、お客さま増加サイクルがある。

だからこそラッピングを、最低限必要なことから“お店の

戦力”に格上げしてもらいたいと考える。

【ラッピングが当たり前のくらしへ】

 だからラッピングだけが独立して存在することないと

日高さんは思う。商品の個性、お店やブランドのイメー

ジに合ったラッピングがあるはずだ。たとえば、和食店

なら水引や和紙を用いて、和の心で統一感をもたせるな

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くらしに広がるラッピング

ど、店内装飾やウィンドウディスプレイと一体に創造し

たい。

 それに創作ラッピングがいくら美しくても、過剰包装

は NG である。エコ意識が高いクライアントも多く、手早

く、きれいだけでなく、低コストで高付加価値のラッピ

ングが求められる。今も昔も変わらないニーズだという。

 

 夢は何ですか?とうかがうと-

「くらしの中にラッピングが当たり前のようにあってほ

しい」

お店だけでなく、たとえばケーキやクッキー、お菓子な

ど手づくりの贈りものにも、ラッピングまで気遣いをす

ることに、高い価値をおく、そんな世の中になるように。

もらってよかったと思う贈りものは、中身だけではない。

ラッピングに包みこんだ、贈る人の感性が素晴らしいか

ら。

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くらしに広がるラッピング

2009 年 7 月 27 日

文・郷 好文

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くらしに広がるラッピング

写真・村山桜子

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