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データを資産と した電子出版 専門性のある出版社には明日がある

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データを資産とした電子出版

専門性のある出版社には明日がある

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3つの前振り

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嘘八百 公的に言われている嘘八百

• 電子出版は費用が必要 とても安くできる

• 電子取次がない ある(ないのは東日販)

• 中小出版社では困難 中小のためにある技術

• 嘘の土台に作った電子版東日販は果たして

その裏で

• ボーンデジタルの小出版社がとてつもなく売れている

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本は様々 • 1つの切り口で考えようなんて甘い

• 電子は物理的な本をさまざまに展開してしまう

• 読む本と使う本 o 味わう 詩

o 読む 小説・エッセイ

o 読む、調べる 専門書・実用書

o 引く、調べる 辞書・事典 ・レファンス

o 使う 問題集・参考書

• これらが分解し o 再編成する

o 別の発展をする

o 電子化のそれぞれの道

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主役は誰だ • 本が情報の主役だった時代もある

o 新聞・ラジオ・テレビと強力なプレーヤーが登場

o ずいぶん前から本は縁の下の力持ち

• 今の主役は誰だろう o インターネット

o コンシューマ

• 小さな題材でも掘り起こせる媒体 o 少し前までの本の役割

o 今はインターネットに任せれば良い

o そこから生まれる小さな題材を固定化する役割が残っている

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内制体制はなぜ必要か 出版データこそ資産

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経験から • 紙と赤鉛筆で数年間、電子辞書を作る

• 場所がないのでタグデータでやりとりする o 先方は当然デジタルデータを持っている

o それを加工して送ってもらうだけ

• 学生アルバイトにPCでデータ指定させる o 読みの入力・キーワード設定など

• ツールも自作 なんやかやとやってきました

• 誰でもデジタルデータは扱える o それなりの仕掛けを作ることが大切

o 作業マニュアル・テキストエディタのマクロなど

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内部で制作 • 勉強ほど安い経費はない

o 気の利いた素人なら自分で電子出版が可能な時代

o 素人ほども勉強しない出版社

• ePub制作はたしかに安いが…

• 編集は不定形作業 o 外注の非効率が往々にしてある

o ちょっとした修正も外部に戻す?!

o 社内に技術力があれば細かい作業も効率良く進む

• 大量JOBでは外注も活用 o 指示し・管理し・チェックするには相当の技術力が必要

o 定型作業=外部 修正・フィックス=内部

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データを自分で作り 自分で支配する

• デザインやテンプレートは専門家を活用

• 問題は自分でデータを支配しているかどうか

• 出版データはどこが管理しているか o 現在は印刷会社・編集プロダクションが管理

o DTPデータやPDFで入稿してもそのデータを社内で管理できない

o 印刷会社に組み版を出した場合はデータは戻らない

• 継続は力 o 今までは書店の棚と筆者を獲得してきた

o これからは蓄積データ資産、会員数

o ある分野のワンストップ的なデータ揃え

o コンテンツの総合力がものを言う

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蓄積資産の成功例

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O’lielly Safari Book Shelf

o http://safari.oreilly.com

• O’liellyをはじめ複数社の連合サイト o 企業連合型

• 数千冊のコンピュータ専門書が検索可能

• 月に何冊かの制限付きで閲覧 o 28ドル会員なら10冊/月 閲覧可能

• パッケージ集積型・企業連合型 o パッケージ型情報をたくさん集めて

パッケージを外してみる

o 常に最新という魅力

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BizRepo • http://www.datadeta.co.jp

• 中小企業経営研究会

• 総務向け実用月刊誌

o 総務系の記事が検索利用可能

o 7日間5,250円~1年間28,800円

• 雑誌記事ため込み型・特定会員型

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ルーラル図書館 o http://lib.ruralnet.or.jp/

• 農文協

• 現代農業など主要雑誌と書籍をデータベース化

• 農業雑誌の特質 o バックナンバーが大切

• 個人の農家+農協 o 年間24,000円、2000頁/年

• 雑誌記事ため込み+ 総合型

• 特定顧客型

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V-Pass o http://www.yuhikaku.co.jp/static/vpass.html

• 有斐閣

• 判例データベースの入口として編集コンテンツを利用 o 編集資産は巨大データベースと対等

o 法科大学院などが主な顧客

• 雑誌記事ため込み型+総合型 o ムックの形で多くの記事を作成してきた歴史

• 特定顧客型・異業種タイアップ型

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膨大な1次資料と

厳選された編集済み資料

判例データベース

Vpass

直接検索

Vpass経由で検索 内容の理解

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YDC1000 o http://www.yuhikaku.co.jp/static/ydc1000/index.html

• 有斐閣

• 過去の古典的文献を1000冊集め提供 o 「読み放題」モデル

o 年12000円(個人価格)

o 大学・研究室がターゲット

• パッケージ情報集積型

• 特定顧客型

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企業連合型 • 1社でため込まなくても企業連合がある

• Safari Book Shelf

• Japan Knowledge

• 電子辞書(150コンテンツ)

• 雑誌読み放題・書籍読み放題

• 誰がコーディネートするのか o 相乗り辞書 広辞苑&英和和英中辞典(SONY1994年)岩波・研究社

辞・典・盤(アスキー1996年)岩波・研究社・朝日新聞・平凡社

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フローとその集積 • 流れる媒体―新聞・雑誌など

• それをまとめるとデータベースになる

• BizRepo ルーラル図書館

• 新聞記事検索(無料⇒有料へ変化) o 広告モデル→会員制有料コンテンツモデル

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備蓄型商品 • 辞書・事典、レファレンス、家庭の医学…

• 「いつか役に立つだろう」商品

• 仮想的な市場は大きい

• あまり使われないだろうから会費制で価格は安く o 保険のようなもの

• 共同ビジネス

• 電子辞書のスマホ版

• Japan Knowledgeの大衆版

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売れない本が大切 • 良い書店・お客の集まる書店とは

売れない本を多く置いている書店である

• 自社のラインナップも同じこと o 信頼とか発見のおもしろさとか

o ネットでの購入ではブランドイメージはとても大切なキー

• 売れない本も集客には役立つ

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コンテンツを売るだけが 商売ではない

蛸壺型ポータル

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蛸壺型ポータル (ワンストップ・サービス)

• 限定された分野のポータルは可能

• 無料の良質な記事 o 集客がすべてに優先する課題

o コンテンツは強力な集客効果(デパートの最上階の本屋)

• 関連するサイト(業種)との連係 o リンク・サービス提供

• 各種手配・物品販売($)

• 有料コンテンツ販売($)

• 読者参加

• 広告($)

• 読者は本代の数百倍の経済行動をする o コンテンツはさまざまな業種をコラボレーションする鍵

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週刊釣り JTB

船宿

釣り船

上州屋

釣りポータル

読者

記事DB

釣り情報DB

有料 コンテンツ

広告

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社内体制をどう作るか 編集部が行うか 特別な部署を作るか

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編集の仕事を切り分ける • コンテンツ(データ)と組み体裁を切り分ける

o まずコンテンツ(データ)を作り上げる仕事

o その後、組み体裁(入れ物)を作る仕事

o 思い切って別人にするのも手かな?

• ただし今は紙の本を優先してよいのでは o 資金を回収しないことには意味がない

o 電子編集という担当が必要になる

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電子編集セクション • 電子化ノウハウの蓄積

• 電子編集技術の蓄積

• マーケット・ノウハウの蓄積

• 編集部サポート業務

• ノウハウの社内還元

• 採算 o コンテンツ仕入れは他の編集部=仕入れ価格はゼロ円

o 電子化の手間代全体と売上全体をバランスさせること

↑で現状は精一杯だろう

o 当面は電子マーケット開発費と考えることも大切

o 個々のコンテンツは紙と電子をトータルで収支判断(電子化投資余地)

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エキスパートを育てる • 技術面で社内をサポート

• 誰でも分かるデータで社内制作を進めれるようアレンジ

• 編集部とは独立した存在だが、一緒に仕事を進める

• 2人は欲しいなぁ

• 最低10年は担当を変えないこと o インフラが確立していない、教科書もない

o 個人の蓄積と個人のつながりだけが頼り

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ボーン・デジタル出版 をやってみる

• 出版社のしがらみから離れる

• 別組織にする o 資金回転の方式が違いすぎる

o 企画も違う、値段も違う

o 営業相手も違う

o 何より人が違う

• まったく新会社としてスタートすると何か生まれるかも o 逆に言えば旧来の出版社の中では仕事がしづらい?

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1~3%の投資 • 印刷本にかかる費用の1%

o 300万円なら3~9万円を電子化のために使う

o これで電子書籍1冊分の費用が出る

o 新刊すべて電子化も夢ではない

• 印刷本で稿料を払えている今が電子化チャンス o 電子媒体だけならアドバンスの支払いが必要になる

o 多数のラインナップを揃えればロングテールも馬鹿にならない

o 売れるようになればそれが原資となり好回転

• ムリせず焦らず着実に